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悲劇か喜劇か<4>

悲劇か喜劇か<3>の続き。

取り敢えず序章終了。

序章て!!

いや、また何か思いついたら書こうかなと・・・。
ただ、ガブラスが小さくなってしまった理由はこんなですヨと。

そして後書がびっくりするぐらい長いので
途中から別記となります。

「すっかり遅くなってしまった。」
「お前がノアノア連呼して呆けているからだろう。この親馬鹿めが。」
「だって可愛いだろう?ノア。
 あーあ、もう寝てしまったかあ。」

ノアに付けた女官が彼の就寝を報告しに来てくれたのは
数時間前の話である。

既に日付が変わるかどうかという時間なのだから
そんなこと、当たり前であった。

しれっと言ってのけるバッシュに
ウォースラが深い溜息を吐く。

その”ノア”1人にバッシュどころか
アーシェまで職務放棄をしてしまって
ウォースラはそれはそれは大変な目に遭った。

同僚は殴って発破をかければ良いだけの話だが、
流石に君主に手を上げる訳にはいかない。

幼くなってしまったのはガブラスの責任ではないし、
彼自身に悪意があるわけでもないのだから
小さなノアを責めるわけにもいかない。

取り敢えず。
明日はバッシュとアーシェの仕事の間だけ、
彼はダウンタウンの子らに面倒を見て貰おうと思う。

ダウンタウン出身と言っても子供たちは優しいし、
無邪気で年下の子に対する面倒見も良い。

何よりその子供たちのリーダー格の少年が
ダウンタウンの治安を守り維持しているから
心配すべき事柄は余り無い。
強いて言えばそのリーダー格が多少無謀でやんちゃな事ぐらいか。

それも注意しておけば気をつけてくれるだろうから
王宮に閉じ込めて大人たちに囲まれているよりも
同じ年頃の子達と遊べるし、ノアにも良い刺激になるだろうと思う。

(・・・ふむ、矢張りそちらの方がメリットが多いな)。

残る問題はバッシュとアーシェをどう説得するか、である。
ある意味それが一番の難関かもしれない。

そして人見知りが激しく引っ込み思案のノアが
この提案を受け入れてくれるかどうかだ。

それはバッシュに言ってもらえれば何とかなるかもしれないが、
それには矢張りバッシュを説得しなくてはならない。

「なあウォースラ。」
「うん?」
「ノアの事なのだが。」

今まさにその話をしようと思ったウォースラが僅かに身構える。

「・・・・・何だ?」
「明日、仕事の間だけ、ヴァン達に預かって貰おうかと思って。」
「・・・・・何?」

ウォースラは目を見開いた。
バッシュも同じ事を考えていた。

「明日は今日片付かなかった分の仕事もあるし、
 ノアにしても王宮の広い部屋で1人待っているよりは
 そっちの方が楽しいと思う。」
「大丈夫なのか?あんな人見知りが激しくて。」

考えには無論賛同するが、気になるのはそこだ。
昼間、飛空艇ターミナルでアーシェを見て凍りついた表情は
今も鮮明に思い出せる。

苦笑いをしたバッシュが足を止めた。
自室に着いたのだ。

「ヴァン達があの調子だからね。すぐに慣れると思うよ。」
「・・・・・・・だな。」

人見知りどころか物怖じもしない少年たちを思い返したウォースラが頷くと
バッシュは笑みを浮かべた。

「ノア、見て行く?」
「もう寝ているだろう。」
「寝顔も可愛いよ?」

言いながらバッシュがドアを開ける。
聞いておきながらウォースラに選択肢は無い様だ。

「明日は起きているうちに戻りたいな。」
「・・・・おい。」
「どんな夢を見ているのだろう。」
「おい。」

ウォースラが”その辺”に視線を移したのは偶々で。
そして見付けた”もの”に驚いた。

しかし部屋の主は気付いていない。

気付かないまま、寝室へ続くドアを開けて、
慌てた様子で振り向いて何事か言う前に
ウォースラは自分の視線の先を指差した。

「こっち。」
「なんでそんな所に!?」

小さな声でやりとりする大人2人の視線の先では
寝巻姿のノアが入口際の壁に沿う様に座って眠っていた。
折った膝に腕を乗せ、更にそこへ顔を埋めて微かな寝息を立てている。

「・・・そりゃあこの状況を鑑みてお前を待ってたんだろう?」
「あ・・・待ちくたびれてしまったのか。」

悪い事をしたな。
そう言いながらバッシュは目を細めて小さな身体を抱き上げる。

女官が出て行ってから起きて来たのか、
それとも途中で目が覚めて心細くなってここまで出て来たのか。

どちらにしても、
淋しい思いをさせてしまった事には変わりない。

「ん・・・と・・さま・・・?」
「ああ、眠っておいで。また明日ね?」

僅かに身じろいだノアが寝息交じりの言葉を零す。
背中を軽く叩いて肩に乗る小さな頭に頬を寄せると
ノアはまた眠りに落ちていった。

閉ざされた目蓋の端に小さく浮かんでいる涙を指先で軽く掬えば
むにゃむにゃと何か言った様な気がしたが
確かめようにも幼子は夢の世界だ。

「可愛いなあ。」
「はいはい。」

呆れた声を出すウォースラを見たバッシュが声を押さえて笑う。
頬が緩んでいるよ、と。

ウォースラが咳払いをして誤魔化すと、
ぴくりと反応した小さな手がバッシュの上着を手探りで掴み、
また穏やかな寝息を繰り返す。

その様子を見た2人は顔を見合わせ、
幼子の眠りを妨げなかった事に大いに安堵し、
無意識に詰めていた息を同時に吐き出した。


あ、取って付けた様な注釈ですが
ヴァンの手綱と言いますか、ストッパーを握っているのは
パンネロです。
だから色々気を付けてくれるのもパンネロ。
ダウンタウンキッズの陰のリーダー。

もう1つ。
ウォースラの部屋はバッシュの部屋の奥にあります。

で、朝、バッシュを叩き起こしてから出勤するのが
ウォースラの不本意極まりない日課。

2人とも王宮外に自宅があるけれど、
帰るの面倒臭い時は王宮泊まり。
そして概ね帰るのが面倒臭い。
だから自宅が殆ど別宅扱い。

以下別記。
悲劇か喜劇かシリーズを書くに当たって・・・な話。
いつになく真面目です。
別に見なくても。

悲劇か喜劇か 後書別記PageTop紅茶。

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