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セピヨス、ガブラスに不満を持つ

最初は良いのです。

でも、一緒に長い時間を過ごして行くうちに、
相手への不満が出て来るのです。

・・・って倦怠期か!









今日の夜空には真ん丸のお月さまがぽっかりと浮かんでいます。

ガブラスは新聞を読みながら食後の紅茶を飲んでいます。

セピヨスは、そんなガブラスを見ながら大層不機嫌でした。

折角の満月だと言うのに、
ガブラスはセピヨスにキスをしてくれないのです。

セピヨスは、平均の3倍ぐらい大きくて瞳も翡翠色のただのヒヨコですが、
満月の晩に好きな人とキスをすると、
元の------妖精の姿に戻れるのです。

が、
ガブラスはキスをしてはくれませんでした。

この前の満月の晩もそうでした。

その前の満月の晩もそうでした。

その前も、そのまた前も。

セピヨスがキスをしてもらいたくてせがんでも、
ガブラスはちらりと見ただけで何もしてくれませんでした。

痺れを切らした前回は、今の様に新聞を読んでいる時に突撃をして新聞の真ん中を破いてしまいました。

が、ガブラスに地獄の底から聞こえて来るような声で怒られたのでセピヨスは実力行使に出た事をちょっと反省しました。

セピヨスはヒヨコですが、
賢いヒヨコなのです。

とってもお利口さんなのです。

だから、ガブラスが新聞を読み終わるのを側に座ってずっと待っていました。

今日こそ元の姿に戻りたいのです。

ガブラスの言う事を聞いて、
邪魔をしない様にガブラスの気が済むのを待っていれば、
きっとガブラスはキスをしてくれるでしょう。

セピヨスはわくわくしながら待っていました。

ガブラスが新聞を読み終わって、
ソファから立ち上がりました。

空になったカップをシンクに入れて、
畳んだ新聞をラックに入れて、
ガブラスの手は空いた筈です。

セピヨスは待ち切れずにソファの上に立ち上がりました。

ガブラスが戻って来ます。

戻って来たら、きっとキスをしてくれます。

どきどき、わくわく。

羽をぱたぱたと動かして待ち焦がれるセピヨスのすぐ隣までガブラスは来て、
しかし素通りしてそのままシャワーを浴びに行ってしまいました。

「ピヨ・・・・!」

セピヨスはひどいショックを受けました。

ずっと待っていたのに。

お利口さんにしていたのに。

どうして?

「ピ・・・ピヨー!ピヨーッ!!」

シャワールームのドアの前でセピヨスが抗議の声を上げると、
少し開いたドアの中からガブラスの手が伸びて来て、
中に引きずり込まれたと思ったらセピヨス愛用の洗面器の中に入れられました。

そこには程良い温度の湯が張ってあって、
気持ちよさにセピヨスは洗面器の縁に顎を乗せて、
掛けられるシャワーに目を細めました。


ほかほかになったセピヨスはフローラルの香りのする石鹸の残り香と、
優しく拭いてくれるガブラスの手にうっとりしながらソファの上で幸せな時間を満喫していました。

ガブラスはセピヨスの面倒は見てくれますが、
積極的に遊んでくれるわけではありません。

セピヨスがせがんでも、
大体片手間で構ってくれるだけでした。

それでもごはんはきちんと作ってくれるし、
どんなに忙しくてもセピヨスの為に帰って来てくれます。

セピヨスはそれだけで充分幸せでしたが、
お風呂の前後の時間はガブラスがずっとセピヨスの世話をしてくれるから格別でした。

ごはんをおなかいっぱい食べて、
温かいお風呂にも入って、
すっかりご満悦のセピヨスは眠たくなりました。

うとうとと船を漕ぐと、
ガブラスが近くに畳んで置いてあったタオルを掛けてくれました。

ああ、気持ちが良いなあ・・・。

眠気の誘惑に身を委ねようとした時-----------

カーテンの隙間からほんのちょっぴりだけ夜空が見えました。

「ピヨ・・・・!?」

セピヨスは大事な事を思い出しました。

今日は満月なのです。

元の姿に戻れる日なのです。

飛び起きたセピヨスにガブラスは舌打ちをしました。

すっかり心地良くなった様だから寝かしつけてしまえと思ったのに、
セピヨスが我に返ってしまったからです。

ガブラスはセピヨスが何を望んでいるか、
知っていました。

熱い視線を注がれているのも、
分かっていて無視をしていました。

ですが、30代半ばにもなってヒヨコとキスをするだなんてイタい行為がどうしても耐えられないのです。

ガブラスがまだ子供か、若しくは大人でも女性だったらペットとキスをする事に然程抵抗は覚えなかったでしょう。

しかし、世の中には絵面と言うものがあります。

36歳の独身男性(1人暮らし)がヒヨコにキスをする姿など、
想像上でも耐えられません。

うっかり想像をしたガブラスは現に気持ち悪くなっていました。

大体セピヨスがヒヨコになったのは自業自得なのです。
嫌悪感を堪えてまで相手をしてやる筋合いはありませんでした。

(飼ってやっているだけ有り難いと思うべきだな。)

前回はお説教をすることでセピヨスの目的を忘れさせました。

その前の満月の時は歌番組を点けて、
歌に合わせて踊り疲れたセピヨスを寝かしつける作戦でした。

その前の満月はわざと仕事を詰めて深夜に帰ってすぐに寝る作戦でした。

そんな感じでガブラスの作戦はどれも目出度く成功しましたが、
流石にセピヨスは焦れている様です。

それでも、嫌なものは嫌なのです。

別にヒヨコのままでも充実した生活を送っている様だから戻らなくても良いだろうとガブラスは思います。

大体元の姿に戻って現れるのは充分長身の部類に入るガブラスよりも更に上背のある大男なのです。

面白くも楽しくもありません。

戻った所で部屋が狭くなるだけです。

ですが、今回ばかりはセピヨスは諦めませんでした。

何度も鳴いて、ガブラスの服の袖を、裾をくちばしで引っ張ってアピールを繰り返し続けます。

ガブラスも折れる気はありません。

そのうち1人と1匹の間は膠着状態になりました。

しかしセピヨスにとって不運だったのは、
知能がヒヨコに毛が生えた程度しか無かった事でした。

寝室の扉を開けたガブラスにセピヨスは慌てて付いて行きました。

ガブラスが寝るならセピヨスも一緒に寝たいのです。

ガブラスは足元に駆け寄って来たセピヨスを拾い上げると、
縋る様な目で見つめて来るヒヨコに片眉を跳ね上げて、
実に見事なフォームでベッド目掛けて投げました。

「ピヨーーーーーッ!?」
「おやすみ。」

綺麗な放物線を描いて、ぽふん、とセピヨスがベッドマットに着地をしたのを確認すると、
ガブラスはすぐに寝室の扉を閉めて別の部屋のクローゼットの中から来客用の毛布を出しました。

ガブラスが今日の寝床になったソファに毛布を掛けると、
寝室からセピヨスの怒った声が聞こえました。

セピヨスはヒヨコです。

自力でドアの開閉は出来ないのです。

鼻で嗤ったガブラスは、
持って帰って来た仕事を片付けるべくパソコンを立ち上げました。

こうして今日もガブラスは満月の晩の攻防戦に勝ったのでした。


セピヨスシリーズのガブラスは悪役です(笑)

うちのガブラスは動物嫌いなので、
飼育放棄しないだけ上等だと本気で思っています。

逆にバッシュは動物好きな気がします。

あ、ガブが動物が嫌いなのはかなりの高確率で看取らなくてはならないからです。

日記~。PageTop日記と更新予定~。

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