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セピヨス、悲しくなる

ヒヨコだってがんばる。








今日はガブラスのお仕事がお休みの日です。

セピヨスはこの日が楽しみで楽しみで仕方がありませんでした。

1日お休みと言う事は、
1日遊んで貰えると言う事です。

今日は何をしようか。

どう遊んでもらおうか。

想像するだけでセピヨスは心が弾んで堪りませんでした。

・・・と、はしゃいでいるセピヨスの隣で、
ガブラスはまだ寝ています。

先ほど何度か寝返りを打って、
起きる気配がしたからセピヨスは起きたのに、
ガブラスは薄く目を開けただけでもう一度毛布の中に潜り込んでしまいました。

仕事の日は目覚ましが鳴るとすぐに起きて着替えるのに、
どうしてお休みの日はいつまでも起きないのでしょう。

「ピヨーーーッ!」

抗議の気持ちを込めてガブラスの額を突くと、
舌打ちをしたガブラスはセピヨスの頭を掴んでベッドマットに押し付けました。

「ピ・・・ピキョ・・・!」

息が出来なくなって、
セピヨスが短い羽で懸命にガブラスの手を叩くと、
気が付いたらしいガブラスはまた薄く目を開けました。

そして手を放すと、
諦めたように起き上りました。

「・・・すまん。腹が減ったのか?」
「ピヨ!」

それもありますが、
遊んで貰いたいのです。

セピヨスが羽をぱたぱたと動かしてアピールをすると、
大きく伸びをしたガブラスは寝室を出て行きました。



「ピヨ~~~ッ♪」
「お前は良く食べるな・・・。」

丸くなるわけだ。

そう言うガブラスの食事はコーヒーとトースト1枚にスープだけです。

対してセピヨスはトースト1枚の他にベーコンエッグ、スープの具とデザートに出してもらったオレンジの櫛切りも平らげて満足げにテーブルの上に転がりました。

食べ終わって、テレビを付けたガブラスがポストから取って来た新聞を開きます。

ガブラスが残ったコーヒーに手を伸ばしかけた時でした。

テレビが、速報が入った音を鳴らしました。

画面の上に出たテロップを見たガブラスは、
一瞬の間を開けて撥ねる様に立ち上がると、
テレビを消して、
テーブルの上の食器を纏めて流しに突っ込んで、
クローゼットを開けました。

そのクローゼットには、
ガブラスがいつも仕事に行く時に着る服が入っているのです。

どうしたんだろう?

今日はお休みって言っていたのに。

セピヨスが驚いている間に
ガブラスは仕事の服に袖を通すと、
車の鍵を持って慌てた様子で出て行ってしまいました。

「ピヨ・・・?」

部屋の中にぽつんと取り残されたセピヨスの小さな鳴き声は、
壁に吸い込まれて消えました。



「ピヨ・・・。」

セピヨスは自分の鳴き声を聞いて、
涙が出そうになりました。

ガブラスは、お日様が傾いても、
お外がすっかり暗くなっても帰って来ませんでした。

セピヨスはお腹が空いていました。

そう言えば朝、食べたきりです。

でも、ガブラスが居ない方がずっと切なかったのでした。

開け放たれたままのカーテンから外の明かりが入るだけの部屋の中は薄暗くて、
一人ぼっちのセピヨスには広すぎて、
セピヨスは定位置の1つであるソファの上で丸くなりました。

今日はお休みだって言っていたのに。

どうしてお仕事の服で出かけたんだろう。

どうして帰って来てくれないんだろう。

朝、テレビの速報を見たガブラスは、
怖い顔をしました。

もしかして、
テレビのニュースを見たらガブラスが慌てて出かけた理由がわかるかもしれない。

そう思ったセピヨスは頑張ってテーブルの上に登りました。

無造作に置いてあったリモコンの先端をテレビに向けて、
赤くて1番大きなボタンを足で押すと、
小さな電子音と共にテレビの画面が明るくなりました。

セピヨスは歌が流れる番組が好きでしたが、
ガブラスが見るのはいつもニュースだけでした。

幸いにもセピヨスがテレビを点けた時も番組はニュースで、
テーブルの上に座ったセピヨスは食い入る様に画面を見つめました。

ニュースは、外国で戦争が始まったことを言っていました。

「シンラ」の協力を得た軍が政権を打倒し、
「クーデター」を起こしたのだと言いました。

そして、セピヨスはアナウンサーの背後に出た顔写真を見て衝撃を受けました。

「ピヨ・・・・!」

セピヨスは「シンラ」の名を知っていました。

顔写真の男も知っていました。

セピヨスは、ガブラスの家に来る前、
シンラに居たのです。

シンラのシャチョーと言う人に飼われていたのです。

テレビの写真の人です。

シャチョーはセピヨスに何不自由ない暮らしをさせてくれましたが、
一緒に遊んではくれませんでした。

お休みの日も、同じ部屋に居ても、遊んでくれることはありませんでした。

セピヨスはそれが淋しかったですが、
その時は周りに犬や猫や他に仲良くしてくれる動物が沢山居たので耐えられました。

耐えられなくなったのは、
その友達が次々姿を消して、
セピヨス自身も変な入れ物に入れられた時でした。

ビーカーの中で、
セピヨスは変な液体に漬けられました。

時間の経過と共に体は大きくなり、
真っ黒だった瞳は光る緑色に変わってしまいました。

セピヨスは目の前のガラスに映る自分の姿がショックで、
悲しくて、
誰も居ない時を見計らってビーカーをくちばしで割ると、
一目散に逃げ出しました。

そして、道路の真ん中で行き倒れている所をガブラスに拾われたのです。



「ピヨ~・・・・」

ガブラスはきっとこのニュースを見て、
お休みなのにお仕事に出かけたのです。

それは、お休みなのにいつまでも帰ってこれないほど大変な事だったのです。

きっとガブラスはシンラが嫌いなのです。
名前を聞いた途端にあんな怖い顔をするぐらい嫌いなのです。

だからセピヨスがシンラに居たと知ったら、
ガブラスはセピヨスの事も嫌いになるでしょう。

捨てられてしまうに違いありません。

セピヨスの翡翠色の目から、
大粒の涙がこぼれて落ちました。

よろよろと立ちあがって、
テーブルを降りたセピヨスは、
寝室へ向かいました。

思い切りジャンプをして、
ベッドに飛び乗ります。

ガブラスはセピヨスが勝手にベッドに乗っても何も言いませんでした。

毛布に潜り込んでも退けたりしませんでした。

一緒に眠ったベッドはとても温かったのに、
今のベッドは冷え切っていて、
セピヨスの胸の羽毛をまた、
大きな滴が伝って落ちました。

お腹が空いた事よりも、
ガブラスが居ない事よりも、
ガブラスに嫌われることが、
セピヨスには何よりも悲しい事でした。

涙は次々零れて落ちました。

ガブラスの枕の上に寝転がると、
少しだけガブラスのシャンプーの匂いがしました。



セピヨスはいつの間にか眠ってしまっていました。

朝日が顔に当たって目が覚めたセピヨスは起き上って、
リビングに出ました。

ガブラスは、帰っていませんでした。

セピヨスの瞳から、
また涙が溢れだしました。

昨日の夜、あんなに沢山泣いて、
枯れ果てると思うほど泣いたのに、
涙は後から後から出て来ました。

「ピ・・・ピヨ・・・ピヨッ・・・ピヨー!ピヨー!」

何度呼んでも、
ガブラスは帰って来ません。

嫌われてしまった。

捨てられてしまった。

「ピヨーッ!ピヨヨーッ!!ピヨー!!ピヨー!!」

悲しくて、苦しくて、
それでもセピヨスは何度も鳴きました。

何度も、何度も鳴きました。

ガチャガチャッ、
バタン!

「ピッ!?」

家中に響く様な大きな音に驚いて、
セピヨスは鳴き損ねました。

「生きてるか!?」

リビングのドアを開けたのは、
血相を変えたガブラスでした。

「ピ・・・ピヨ・・・。」
「生きてた・・・。」

呟いたガブラスは、
仕事の服の上着をソファに脱ぎ捨てると、
すぐにキッチンに立ちました。

「放置して悪かったな。今、食事を作るから。」
「ピヨ・・・。」

状況を飲み込めないまま頷いたセピヨスは、
なんとなくガブラスが入って来た方を見ました。

リビングから伸びた廊下の先の玄関には、
黒い革靴が乱雑に脱ぎ捨ててあって、
ソファには上着が投げられたまま袖を広げています。

几帳面なガブラスが靴を揃えないのも、
脱いだ服をハンガーに掛けないのも、
セピヨスは初めて見ました。

手早くセピヨスの食事を作ったガブラスはセピヨスをテーブルに乗せて、
ソファの上着を拾い上げると玄関に向かって脱ぎ捨てた靴を揃えました。

そして今度はクローゼットに向かいながら、
セピヨスを振り返りました。

「食べて良いぞ。」
「ピヨ・・・。」

返事をしたセピヨスは、
また溢れそうになった涙を慌てて堪えました。

ガブラスはセピヨスを嫌いになっていませんでした。

それに、良く考えたらガブラスがセピヨスを捨てる気なら家に置いて行ったりはしないでしょう。

ここは、ガブラスの家なのです。

「ピヨーッ!」

まだ鼻の奥がツーンと痛かったですが、
元気良く鳴いたセピヨスはほかほかと湯気の立つ朝食を猛然と食べ始めました。

一日ぶりのごはんはとても温かくてとても美味しくて、
セピヨスはとてもとても幸せでした。


ガブ「寝ようと思ったら枕が水浸しなんだが何か心当たりは無いかデカヒヨコ」←青筋

セピ「ピヨッ・・・(((( ;゚Д゚))) !!」

ガブ「あるんだな?俺に何か恨みでもあるのか?」←青筋×2

セピ「ピヨーッ!ピヨヨーッ!!」←必死

ガブ「・・・弁明は後で聞く。」←撤収


毎度毎度長くてすみません<(_ _)>

セピヨスはヒヨコ+αぐらいの知能しかありません。

ちょっと賢いヒヨコ。

これもエアリスの呪い(笑)

日記と更新予定~。PageTop日記と更新予定~。

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声フェチでオッサン好きのヘタレ。
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