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愛し子<4>

これにて完結でございます。

本当に、本当に本当に大変お待たせ致しまして申し訳ありませんでした<(_ _)>





彼はひどく冷めた目をしていた。

彼の表情が動く所など、見た事が無かった。

放っておけなかったのは、
それがどこかとても淋しそうに見えたからだ。


「外民の俺がここに居る事が目触りでは無いのか?」
「何故?君はここに居て然るべき才覚を持っているからここに居るのだろう?」
「・・・・・・・・・。」
「君だけでは無い。皆そうだ。君1人が目触りになる理由が無い。」

いつになく饒舌なザルガバースの答えに、
ガブラスはゆっくりと首を縦に振った。

彼が手にしていた本はいつからかページを繰られる事を忘れている。

「では私も問おう。」
「?」
「私は君の祖国を滅ぼした帝国の民だ。憎くは無いのか?」

真っ直ぐ、ガブラスの目を見た。

薙いだ湖面の色は僅かに伏せられ、
しかしすぐにザルガバースに向けられて。

「・・・貴方が直接手を下した訳ではない。」
「そうか。・・・同じようなものだよ、ガブラス。」
「?」
「友人である事に互いの立場など関係無いのだと私は思う。」


その言葉が彼の心にどう響いたのか、
ザルガバースには知る由もない。

しかし、少なくとも最近のガブラスはそれなりに帝国での生活を乗り切っている様だし、
同級の友人達に囲まれて過ごしている姿は見ていて微笑ましい。

問題は、彼を取り巻く環境にあった。

外民であるからなんだ。

政民であることがどれだけ偉いのか。

踏ん反り返る事ばかりに長けて剣の腕が一向に上達しない者に比べれば、
日夜鍛錬を欠かさず、生来持ち得た才覚を伸ばし維持する努力を怠らないガブラスの方が余程立派だとザルガバースは思う。

ザルガバースとてガブラスの才覚を羨んだことが無いと言えば嘘になる。

だが、彼は努力も忘れないのだ。

他人を妬むばかりの醜い欲望に彼が巻き込まれて良い理由など無い。




漸く得ることを許された安息に、
深い眠りに落ちたガブラスの額に手を当てたザルガバースは眉を寄せたまま溜息を吐いた。

ザルガバースと会話をしていた時点で既に限界だったのだろう。

否。

限界などとうに越していたのだ。

だが、高ぶる神経が意識を手放すことを許さなかったのだ。


彼が飲んだと言っていたポーションが功を奏したのか、
幸い熱は出ていないが、
目の下を黒く染める隈は見ていて痛々しかった。



数日後。

「寮長ーーーーーーーーーッ!!」

叫びながら全力で駆けて来た寮生にザルガバースは廊下を走るなと注意するべきか否か一瞬悩んで、
しかし彼の血相を見て止めた。

「どうした?」
「2年生数名が外出中に何者かに襲撃されて・・・・」
「何だと?」

知らせに来てくれた寮生と共にアカデミーの医務室に走る。

満身創痍で横たわる3人にザルガバースは絶句した。

「どうしたと言うのだ・・・!?」
「わかりません・・・」

漸く口を開けた一人の弱弱しい答えに眉根が未だ曾てない勢いで寄る。

アカデミー生が白昼堂々襲われて何一つ把握できないまま敗北を喫するなど、
あって良い話では無い。

しかも良く見れば彼らは揃って名家の出身で、
平素から外民の出であるガブラスを見下していた者達で。

ガブラスから得られなかった答えと、
彼らが襲撃を受けた理由が脳内で繋がったザルガバースは慄然とした。

3人が負った怪我は重いものの意識ははっきりしているし、
命に関わるものではないが、
しかし医療の素人であるザルガバースの目をしても完治するとは思えなかった。

それぞれが手や足の腱を切られているのだ。

つまり、彼らはもうアカデミーには居られない。

アカデミーを無事に卒業したからと言って着任できるほど公安総局もドラクロア研究所も甘くは無い。

寧ろその確率は低く、
帝国もその低確率の中からより良い人材を得る為に狭き門を広げる事はしないのだ。

不治の怪我を負った時点で彼らの希望は絶たれた。

それを不運と取るか、
当然の報いと取るか。

ザルガバースに答えは出せなかった。

ただ、ガブラスを甘く見ていた事だけは確かだったらしい。

深い溜息を吐いて、ザルガバースは天を仰いだ。


ザルとのやり取りを書いていると忘れてしまいそうですが、
うちのガブは負けず嫌いです。

売られた喧嘩は買う。

そして勝つ。

かと言って自ら喧嘩を売るような事をしてはならない。

ローゼンバーグの男児は代々そう教育されるみたいです。

その後ザルがガブを咎める様な事は無かったですが、
溜息を吐いたザルにガブは大層愛らしくにっこり笑んだのだと思います。


では、アンケートに御協力下さいましてありがとうございました!

良い経験をさせて頂きました(*^_^*)

2月14日~この人忘れていました~PageTop日記と更新予定~。

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