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行く年来る年

局長達の忘年会。


※本作品は2011年1月一杯フリーと致します。


本年は大変御世話になりました御礼・・・
と言うには余りに拙いものではございますが、
お気に召して頂けましたら御自由にお持ち帰り下さい。

・・・ってフリーもへったくれも著作権に関して一切言及したこと無かった・・・。←今気付いた


フリー期間は終了致しました。









「今年も終わったな!」
「明日から普通に出勤だがな。」

敢えて明るく言ったベルガに低い声で応じたのはギースだ。

年明けの三が日は休みを取るつもりだったが、
局内で風邪だ流感だと病欠が日を追うごとに増して、
暫くの間、全局員に通常休暇も有給休暇も全て返上しろとヴェインから通達が出たのは数日前の話だ。

実際どの局でも深刻な人手不足に陥っていて、
少しでも人員に余裕のある局は他局へ応援に行ったり忙しい。

「すまない、遅れた。」
「ガブラス!」

店に入って来た長身にドレイスが腰を浮かせて喜ぶ。

「どうだ?9局は。」
「辛うじて回ってはいるが、と言った所か。明日2局に何名か応援を出す。」
「悪いな。大丈夫なのか?」
「先週休んだ者達が復帰する予定だ。」

ガブラスが椅子に腰掛けると、
そこで仕事の話は終いとなった。

明日になれば否応なく膨大な量の仕事と顔を合わせる事になるが、
今日の分------引いては今年の分は終わったのだ。

無駄な足掻きとは分かっているが、
せめて年末気分は楽しみたい。


ギースが手を打ち合わせると、
店員が待ってましたとばかりに料理だ酒だと次々運んで来る。

結構な量だが、ジャッジ------もとい軍人はは身体が資本。
食べなければ身が保たないし、
飲まなければやっていられない。

宴席は、すぐに盛り上がった。



「おいベルガ、何か余興は無いか。」
「自分に無い物を他人に求めるな。」

酒が回って上機嫌なギースにベルガが即答をする。

「ドレイスとどつき漫才は?」
「俺に死ねと?」
「誰がいつお前を殺した。」

殺された記憶はございませんが、
死にそうな思いは何度かしております。

ドレイスに心の中で毒づいたベルガの気持ちを察したザルガバースが苦笑いをして、
空いていたグラスに酒を注ぐ。

食い下がるギースに溜息を吐いたベルガが紙ナプキンを幾つか適当に折って、
店員に借りたペンで何か書きこんで下端を握って突き出した。

「王様ゲーム。」
「良し。引いたら王様は手を上げろ。」

思い思いに即興のクジを引いたそれぞれが手の中の番号を確認する。

「おっ、私だ!」
「ベタだなあ・・・。」
「うるさいな。」

細長いプレッツェルを齧りながら呟いたベルガに、
Kと記された紙を引いたギースが文句を言って、
一瞬寄せた眉を緩ませると今度は口の端を歪めた。

殊更意地の悪そうな笑みに気付いたザルガバースが静かに目を逸らす。

こう言う顔をする時のギースはロクな事を言わない。

「1番と4番でプレッツェルゲームだ!」

宣言したギースにベルガとドレイスがプレッツェルと酒とを吹いて、
ザルガバースは一瞬間を置いてどんなゲームか思い出して深い溜息を吐いた。

ガブラスは空いた皿を取りに来た店員に皿を渡していた為、
話を聞いていなかった。

男4人に女1人のこの面子で、
上手い具合に男女ペアが組めれば言う事は無いが、
男同士でプレッツェルゲーム・・・なんて悲惨な事になる確率の方が高い事をこの不惑の年を迎えた局長は考えなかったのだろうか。

(・・・考えなかったんだな。)
(自分が王様だもんな。)
(絶対自分が当たらないと分かっていれば何だって言えるよな・・・)

(((ギースだもんな。)))

「さあクジを出せ。誰が1番と4番だ?」

ザルガバース、ベルガ、ドレイスの思惑が一致した所でギースがにやにやと笑いながらテーブルを指先で叩く。

グラスに残った酒を空けながらガブラスがクジをテーブルの上に出すと、
適当に書かれた4に全員が注視した。

ギースがその数字に見入っている僅かな間にベルガとドレイスがテーブルの下で互いに引いたクジを交換し、書かれた番号を確認する。

だが数字は2と3で、
ベルガが目の動きだけでザルガバースにクジをドレイスと交換する様指示すると、
今度はザルガバースとドレイスが慌ててテーブルの下で取引をする。

「おい、1番は誰だ?」
「わ、私だ!」

僅かに掻いた汗を拭いながらドレイスがたった今ザルガバースから受け取ったクジを掲げると、
ベルガとザルガバースが問答無用の拍手をした。

社会的地位も立場もある大の男同士が公衆の面前でプレッツェルゲームなんて悪夢は無事に回避されたのだ。
これを喝采せずに何を喝采しろと言うのだろう。

「なんだ、面白くないな。」
「悪趣味が過ぎるぞギース。」
「そうだぞギース。」

呟いたギースにベルガとザルガバースが取って付けた様な非難をしている間に、
酒のせいと言うには赤く染まり過ぎた頬をしたドレイスがプレッツェルの端を咥える。

緊張した面持ちの3人に見守られる中、
テーブルに手を突いて中腰になったガブラスは大した長さも無いプレッツェルの丁度半分付近を前歯で折ってすぐに席に戻った。

残り半分を口から生やしたまま耳まで赤くして動かなくなったドレイスと、
平然と口の中のプレッツェルを噛み砕いているガブラスとを見比べて、
ベルガとギースとザルガバースは腹の底から深い嘆息を吐いた。

「・・・なんて言うか、もっとこう・・・無いのか・・・!?」
「ムードとか色々さあ・・・。」
「ガブラスだしなあ・・・。」

それでもドレイスは幸せそうだから良しとすべきなのだろうか。

「私・・・今なら死んでも良い・・・・・。」

・・・良しとすべきらしい。





「また明日。」
「一度で良いからまた来週、とか言ってみたいものだ。」
「ははは。全局員の願いだな。」

ザルガバースの言葉に溜息交じりに呟いたギースをベルガが笑って、
振り返ればガブラスの首にドレイスがマフラーを巻いていた。

「いよっ!御両人!」
「!?」
「う゛っ・・・・」

ベルガがふざけて声をかけると、
驚いたドレイスが丁度結んだところだったマフラーを思い切り引っ張った。

首が締まったらしいガブラスにドレイスが慌てて謝る様を見ながらギースが大笑いをする。

「ああ、冷え込むと思ったら・・・。」

天を仰げば、暗い空から落ちて来るのは、白い、小さな塊で。

ザルガバースの言葉に揃って天を仰いだ局長達は、
顔に当たる雪に目を細めた。

去りゆく年に祈りを。

迎える年に願いを。

良い年であります様に-------------


まんまポッ○ーゲームだとアレなんで若干アレンジ入れてみました。

そもそも12の世界にポッ○ーは無いだろう。
いや、プレッツェルもあるとは思えないけど。


作中でドレイスがベルガを”お前”と言っていますが、
”卿”は仕事中のみの使用ってことで。

そんなわけで局長達の忘年会でした~。


今年1年・・・・実質半年ぐらい?
大好きなガブラスの事を好きなだけ書けて、
見に来て下さる方々とお話させて頂いて、
拙い作品に評価も頂けて、
沢山幸せな思いをさせて頂きました。

ロクなお返しも出来ない事が心苦しい限りですが、
本当にありがとうございました。

皆様も良いお年をお迎え下さいませね。

そして来年も変わらず生温かい目で見守って頂けると幸いでございます。

ガブラス万歳!

2010年大晦日
妄想フロンティア管理人:高槻幽炎

FF7インターナショナル版プレイ日記<19>PageTopFF12小ネタ。 あの時の兄と弟。

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