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冬の風物詩。

冬と言えば焼き芋!

ここどこヨ?とか色々あるけど気にしないで下さい。
多分公安総局の裏庭とかだよ!




「これぐらいあれば足るだろう。」
「ぶあっ・・・くしょァ!」

枯葉を集めて山と積んだベルガとガブラスと、
少し離れた所で派手なくしゃみをしたギースにドレイスが僅かに眉を寄せた。

帝国は比較的温暖な気候と雖も、
この季節は寒いのが当たり前である。

コートを羽織っていても屋外に居れば温かさなど無いに等しかった。


落葉樹の殆どが葉を落として丸裸になった姿を見て、
幼少時、この季節に良く焼き芋を口にした事を思い出したガブラスに喰い付いたのはドレイスだった。

焼き芋がどういったものなのか説明する所から始まったが、
聞く間にドレイスの想像の内では焼き芋が高級菓子並みの美食と化したらしい。

そしてそのドレイスからギースとベルガが話を聞いて、
なら今度非番の時にやってみよう!

・・・と、かなり盛り上がった状態でガブラスの所に話が帰って来た。

ザルガバースは焼き芋を知っていたらしく苦笑いをしていたが、
芋の調達を申し出てくれた事から5人でシフト表を確認し合ったのは先月の話。


「芋は?」
「もう来るんじゃないか?」

ガブラスの言葉に背後を振り仰いだドレイスの視界には、
大きな紙袋を抱えたザルガバースの姿が入った。

そこからは赤紫色の丸々とした芋が覗いている。

5人で食べるには結構な量に見受けられたが、
残ったら局員に分ければ良いのだ。

出した芋をガブラスとザルガバースが次々新聞紙で巻いてホイルで包んでは枯葉の間に感覚を開けて埋めて行く。

ベルガはギースを引き摺って追加用の枯葉用を集めて、
その中に鮮やかな黄を見つけたドレイスが嬉しそうに目を細めた。

銀杏の葉を一枚抜いて、そっと手で包む。

後でガブラスに渡そうと思った。

昼夜を問わず仕事に追われる中で、
公安総局員は季節を気にする暇もゆとりも無い。

今もガブラスは黙々と作業中で、
紅葉した葉の色を気を留める余裕は無さそうだった。

少しでも季節の移ろいを感じて貰えれば。

そして喜んでもらえれば。


支度が済んだと呼ばれたのはそれから間もなくだった。

「良し、私が火を点ける!」
「え?」

手を上げて、意気揚々と構えたドレイスに慌ててベルガが距離を取る。

丁度ドレイスの真正面に居る事に気付いたのだ。

放たれた炎----------と言うより火柱は枯葉に”激突”して地面を抉り、
跳ね返って、仰け反ったベルガの鼻先を掠めて行った。

「あっっぢーーー!?」
「あ、すまん。勢い余った。」
「そう言う問題か!!」

叫んだベルガにドレイスは真顔で謝罪をしたが、
ベルガの前髪の一部が焦げた上に背骨の限界に挑戦したものだから腰が嫌な音を立てた。

軽く受け流すには許される範疇を越えている気がする。

大体芋を焼く枯葉に火を点けるのにファイガって・・・!!

「早く焼けんものか。」
「1時間やそこらで焼き上がるものではないぞ。」

応じたガブラスにギースが目を瞠る。

「そんなにかかるのか?火力を上げれば・・・」
「芋が炭化して食用ではなくなるな。」

睨み合うベルガとドレイスの足元ではギースとガブラスが無事に火の点いた枯葉の山を枝で弄っていた。

如何せん今のファイガで枯葉の半分近くが吹き飛んでしまった。
周囲に散っている分を掻き集めても当初の量より幾らか足りない。

とそこへザルガバースが紙コップと水筒を持って来た。

順次紙コップを渡して、
湯気の立つコーヒーを注いで回る。

「焼き上がるまでに冷えよう。」
「お、気が利くな。」
「悪いな。」
「ありがとう。」
「サンキュー。」

殺気立っていたベルガもドレイスも温かさに気を抜いて、
誰からともなく火が全体的に回り出した枯葉の周囲に集まった。

「局長!何をしていらっしゃるんですか?」
「焼き芋。」
「はい?」

通りがかった局員に、ドレイスが先日ガブラスから授けて貰った知識を事細かに披露する。

興味を示した局員に休憩時にでも取りに来る様に言うと、
若い局員は喜んで仕事に戻って行った。

その様子を局長達が微笑ましく見守る。

が、別に隠れて焼いている訳ではないから通りがかる局員は彼だけでは無い。

結局通る局員全員に渡す事を約束してしまった為、
途中からは5人総出で慌ててもう二山ほど枯葉を積んで芋を突っ込んで火を点けて(今度はザルガバースがマッチで点けた)と忙しなくなった。

通常、局員は休憩をグループ単位で取る。

一グループ4~6人に2、3本程度としても、
通りがかった人数を考えると単純計算で20本では足りない。

「煙が上がっているから何事かと思えば。」
「わあ、焚き火ですか?」
「「焼き芋です。」」

重なったドレイスとベルガの声にヴェインが首を傾げ、
ラーサーが目を丸くする。

そして得意げなドレイスの焼き芋講釈を聞いた主君達(主にラーサー)がそこから動かなくなってしまった為、
ザルガバースが持って来た芋は全て枯葉の中に投入される次第となった。

ラーサーが焚き火に枯葉を追加する事に楽しみを見出したらしく、
指先や鼻の頭を砂汚れで黒くしながら笑う。

あちこち黒いのは局長達も同じ事で、
焚き火の温かさと焼けて来た芋の匂いに公安総局の裏庭にはいつになく穏やかな空気に包まれた。


ドレ「美味かった!」

ベル「美味かったな。」

ギー「庶民のおやつも侮れんな。」

ガブ「残らず捌けたな。」

ザル「時間があったらまたやるか。」

局員’s「ごちそうさまでーす♪」

ギー「おい、局員増えてないか?」

ラー「ねえ兄上、局の福利厚生の一環として冬季の恒例行事にしましょうよ。」

ヴェ「それも悪くないな。」

局長’s「(公安総局に福利厚生なんてあったんだ・・・。)」

演武会とか舞踏会とか強制参加のイベントは福利厚生扱いだよ!

局長’s「(有り難くない・・・)。」


帝国の事情はさて置いて。

自分達で準備して焼く事に醍醐味があると言うお話でした。

素朴な美味しさが良いですよね、焼き芋。
私は茶か牛乳と食べたい。

公安総局にもこんな日があったら良いな~。
と思う次第でございます。

日記~PageTop拍手御礼!

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