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ジャッジドレイスの災難<3>

<2>の続き。

戻らなかったね・・・。




”ガブラス”の部屋で、
何度か座った事のあるソファに腰掛けてドレイスはクローゼットの中を探る己の姿を見つめていた。

それはなんとも不思議な光景で、
そしてなんとも胸の高鳴る光景で。

(旦那様の着替えを用意する夫人みたいだ・・・)

先程は"ガブラス”がドレイスの部屋で着替えを用意した事はこの際目を瞑っておく。

”ガブラス”の部屋に2人揃ったのはしょうもない理由からだった。

結局風呂の時間までに元に戻れず、
かと言って互いに仕事で掻いた汗を放置して耐えられる性格では無かった。

仕事の合間にどうするか相談して、
互いに”自分の体”を洗う方向で話は落ち付いたが、
今日は偶々シフトが被っていて本当に良かったと思う。

この面倒な手間もドレイスがガブラスの裸を直視できない上に、
ガブラスにも自分の裸体を見られたくないと言う全てドレイスの都合からなるものだが、
ガブラスに否やは無かった。

当然である。



「卿が先に入るか?」
「え?いや、どちらでも。」
「ならば先に。」

促されて、
立ち上がったドレイスはいつも視界に入る壁の位置が違う事を敢えて無視した。

自分とは10cm以上上背に差がある”ガブラス”から見る世界は、
当たり前だが自分が見ている世界よりも高くて、広かった。

ガブラスが抱えている着替えの中に目隠しが入っている事に苦笑いをして浴室手前の洗面室に入ると、
ふと鏡に映った己の姿にドレイスは目を留め、
そして言葉を失った。

「脱ぐのは自分で?」
「ああ・・・。」

着替えをかごに置くガブラスに生返事をしながら黒いインナーを脱ぐ。

ハイネックから頭を抜いて、
鏡に映る徹底して鍛え込まれた肉体は、
ドレイスが希望して、切望して結局手に入らなかった姿だった。

見たくないものを見る様に、
支度をするガブラスに少しだけ視線を向けると、
インナー越しにも貧相な腕が目に入った。

勿論鍛えている。
その辺を歩いている女性や牛蒡の様な男達よりずっと逞しい。

だが周囲に溢れている公安総局員と比べたら。

否。

そもそも比べ物にならない。

鍛えても、鍛えても、腕力も体力も男性局員には叶わない現実が悔しくて、
技を磨き魔法を必死で覚えた。

だからこそ今、自分は局長を務めているのだ。

それでもこうして現実を突き付けられると直視し難い。

自分を劣等感の塊の様に感じた。


ふ、と不意に視界から鏡が奪われた。

実際は鏡が無くなったわけではなく、
ガブラスが目隠しをしてくれたのだ。

この絶妙なタイミングは意図的なのかそうでないのか。

それはドレイスには知れなかったが、
残りを脱がせたガブラスが手を取り浴室までエスコートをしてくれたのが嬉しかった。


「ガブラス。」
「何だ?」

椅子に腰掛け、
身体を流されながら口を開いたドレイスに、
ガブラスは短く応じる。

こんな状況でも温かい湯が心地良いのには笑えた。

「その・・・使い難くないか?私の身体は。」

使い易いわけが無い。

だが、ガブラス自身の感想を聞きたかった。

自虐癖でもあるのだろうかと自嘲気味に笑う。

「重宝している。」

思わぬ答えに閉ざされた視界の中でドレイスは光を見た気がした。

「・・・例えば?」
「フットワークが軽い。」
「・・・そうか。」
「ドレイス?」

覇気の無い声にガブラスが怪訝そうに名を呼ぶ。

「私は、・・・女に生まれた事が悔しくて歯痒くてならん。」
「何故?」

容易く返されてドレイスは一瞬泣きそうになった。

「・・・身体も、力も男に劣る。体力も戦闘力も・・・」
「だが小回りが利く。スピードが勝る分手数も多い。目端が利くのも心配りの細やかさも男には無い。」
「・・・高い所でも普通に手が届く。」
「低い場所の物を取るには向かない。」

振り仰いだドレイスに、
ガブラスは軽く肩を竦めた。

「あの装備で抽斗の一番下とか、泣けるぞ。」

実際、数十kgに及ぶ装備で半端な前傾姿勢はバランスを取りにくく、
結局しゃがんだり床に膝をつかなければならないのはドレイスも先程経験した。

上背の問題もあるがドレイスの装備は軽量素材を用いている為、
余りそう言った点で苦に思った記憶は無い。

「高い場所の物は踏み台を使えば良いだけの話だが低い所はそうもいかない。」
「・・・ああ、そうだな。」

真面目な声で言われて、
堪えきれずドレイスは笑い出した。

突然笑い出した同僚に驚いたらしいガブラスの手が僅かに止まって、
しかしすぐに動き出すと大麦色の髪を白い泡で埋め尽くした。


他人は他人、自分は自分。

優越感、劣等感は誰しもが持っている。

他人を羨み出せばキリが無いけれど、
自分だって他人に出来ない事が出来たり、
羨まれている事がある。

これはバッシュの基本的なスタンスですが、
双子だけあってガブも似た様なものは持っています。

但し他人に対してのみ。

自身はコンプレックスの塊だと思っている節がある。


他人が感じるコンプレックスが大した事無く見えるのと同様に、
自分にとってのコンプレックスが他人には然程問題無く見える事が多いもの。

ドレイスは平素自分が女性であることをあまり意識していませんが、
ふとした拍子に男性局員との差を感じる事があるのだと思います。

まあ公安総局は男性社会ですしね。

特にうちのドレイスは負けん気が強いので、
女に生まれた歯痒さを度々感じているのかと。

自分は自分。
他人は他人。

大事な事だと思う。


~後日談~

ギー「ガブラスの裸、見れば良かったのに。」

ドレ「見たかったとも!!」

ベル「痛ェ!!」←殴られた

ドレ「だがはしたない女だと思われたりしたら困るだろう?」

ザル(ドレイスがくねくねしてる・・・)

ベル「他人をいきなり殴るのははしたないと思われ゛ッ!!」←アッパー食らった



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