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貴方は私の為に何ひとつ捨ててはくれない

”貴方が愛しい5題”の5題目。

そして1月12日と言う事で、
勇者×武人にしてみました。

勇者は真顔で押せ押せ。







近付いて来る気配は敢えて誰のものか探らなくても知れた。

光の塊の様な、鬱陶しい程の存在感と威圧感は他の誰のものでも無い。

だが、ガブラスに来訪を拒む気は無かった。

意味が無いからだ。

「ガブラス。」
「・・・・・・・・・。」

領域内へ入って来ると同時に放たれた朗々とした声に、
僅かに視線を向けたガブラスは、
しかし興味無さそうに睫毛を地面に向けて伏せた。

ウォーリア・オブ・ライトは大して気に留めた様子は無く、
ただ狭い領域の端から端まで視線を一巡して最後にガブラスにそれを戻す。

燦然たる光を纏った男はゆっくりとガブラスに近付いて来た。

「こんな所で油を売っている暇はあるのか?」
「話がある。」
「生憎だな。俺には無い。」

憎まれ口を無表情で受け流したウォーリア・オブ・ライトは足を止めない。

「ガブラス。貴方は日の当たる場所へ来るべきだ。」

断定的な物言いにガブラスは眉を寄せた。

この男は何を言っているのだろう。

「・・・俺に秩序の戦士になれと?」

混沌の戦士である事を辞めたガブラスにとって、
カオスはもう神では無い。

だからと言って秩序に寝返る気も無かった。

神の為に戦う気そのものが無い。

が。

「戦士である必要性は無い。」
「何?」

言葉の意味がわからなかった。

秩序であれ混沌であれ、
この世界に喚ばれた者は皆戦士だ。

神の為に戦い、神の為に散る。

それはウォーリア・オブ・ライト然り、
ガブラス然り。

思いの外間の抜けた声にガブラスが自分で驚いている間に、
ウォーリア・オブ・ライトは目の前に立った。

充分大柄な部類に入るガブラスよりもウォーリア・オブ・ライトは更に上背がある。

全く、何を食べたらこんなに育つのだろう。

「私が貴方を望むのだ。」
「・・・・・待て。」
「貴方はこんな闇の底に居て良い人では無い。」
「待て。」
「私と共に来るべきだ。」
「待て!」

叫んで、ガブラスは首を振った。

目の前に差し伸べられた手を払い除けて、
眩しい程の勇者から離れて間合いを取る。

しかしウォーリア・オブ・ライトはガブラスが離れた分、
近付いて来た。

同じ様な事を何度か繰り返して、
大して広くも無い領域の端に設えられた巨大な玉座に足を取られたガブラスは、
よろめいて無機質な椅子に仰向けに倒れ込んだ。

起き上がる前にウォーリア・オブ・ライトに肩を押さえつけられる。

不自然な体勢は筋肉を歪ませ、骨を軋ませた。

痛みに眉を寄せながらガブラスが目を伏せる。

「-----------俺は光にはなれない。」
「何故そう思う。」

掠れた声は容易く張りのある言葉に掻き消されて。

「・・・光は、・・・俺には強過ぎる。」
「だが光に焦がれている。貴方は逃げているだけだ。」
「何とでも言え。俺はここから出る気は無い。」

頑として譲らないガブラスに、
勇者は眉を寄せた。

睨み返すガブラスの眼前にきつい面差が迫る。

「そこまで俺に拘る理由が見えん。ゴルベーザの方が余程秩序の戦士に向いているぞ。」
「分からない人だ。私が欲しいのは貴方であって戦力でも他の誰でも無い。」
「お前の要望に応えなければならない筋合いは無い。」

間隙無く重ねた言葉に辟易して、
溜息を吐いたガブラスが顔を背けると、
片手を放したウォーリア・オブ・ライトは無造作にその顎を掴んで己へ向けさせた。

互いの鼻が当たりそうなほどの至近距離にも、
ガブラスは逸らした視線を戻さない。

「ガブラス。」
「断る。」

取りつく島も無い。

ウォーリア・オブ・ライトは知っていた。

こうなったガブラスは梃子でも動かないと。

そして無理強いをする気も無かった。

「今日の所は引こう。」
「・・・・・・・。」

言葉と共に身を起こしたウォーリア・オブ・ライトに、
ガブラスが細い吐息を洩らす。

どこか安堵した様子に内心苦笑いをして、
ウォーリア・オブ・ライトは踵を返した。

「ガブラス。」
「?」

身を起こしたばかりのガブラスが顔を上げる。

領域の端で、振り返る事無くウォーリア・オブ・ライトは告げた。

「光は、貴方が思っているよりも優しいぞ。」

予想通り、応えは無かった。

今度は苦笑いを面に浮かべたウォーリア・オブ・ライトが領域を出ると、
平素の強さを失ったガブラスの声は混沌の果てを一瞬だけ満たして、
闇に吸い込まれる様に消えた。

「-----------光である限り、俺には強いのだ。」


勇者の対武人戦エンカウントボイスに突然燃え上がって書いた次第です。

武人は意固地になったが最後、
どうにもならないので勇者が折れました。

真っ向からアプローチをしてもフラグをへし折る武人にビックリ。

これを書いた時、一瞬勇者×武人でRがちらついたのですが、
イメージが固まる前に消滅。

あぁ~勿体無い・・・(ノД`)



日記~・・・。PageTop日記と更新予定~。

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