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10月拍手文

拍手文を入れ替えたので10月分を格納。

それぞれ意味の分からない恰好を強いられた局長達は並んで立って、
時折顔を見合わせていた。

職務中いきなり呼び出されたかと思ったら、
女官達に寄って集って装備を剥かれ、着替えをさせられて。

一応撮影は終わったが、帰る事も許されずになんなのかわからないまま互いの恰好を評価していると、
上機嫌なラーサーの手が漸く空いた。

「皆さんお疲れ様です。」
「あの、ラーサー様・・・これは一体?」

黒いサテン生地のマントに同じ素材を使った黒魔道師の様な帽子を被ったドレイスが恐る恐る意図を問うた。
裏地は目にも鮮やかな真紅で、爪も同じ色に塗られている。

そして小道具なのか、何故か庭掃除用の竹箒を持っていた。


「”ハロウィン”です。」
「・・・ハロ・・・ウィンですか?」

聞き慣れない言葉を問い返したガブラスはウルフの耳と尾を付けられている。
動く度に妙にリアルな尾がふさふさと揺れて鬱陶しそうであった。

ウルフの手のつもりなのだろうが、
愛らしくデフォルメされた爪と肉球付きのぬいぐるみの様な手袋も付けろと言われたが、
脳を総動員させて装着を拒否したのがほんの小1時間ほど前の話。

「遥か昔の西の-------ロザリアよりも西の大陸で行われていた儀式で、この季節に行われたそうです。」
「儀式・・・。」

呟いたザルガバースは顔を白く塗られて、
同じく白塗りの手は鋭い犬歯のマウスピースを抓んでいる。

嵌めたら喋りにくいのは兎も角、上手く口も閉じなくなるのだ。

彼もドレイス同様裏地の紅い黒いマントを巻き付けられていたが、
黒と白のツートンながら見慣れない服装に落ち着かない様であった。
ドレスシャツがどうにもいただけない。

女官の話によるとなる”件の古代の西の大陸のフォーマル衣装”らしい。


「この恰好もその儀式に必要なのですか?」
「そうですよ。皆さん、良く似合っていますね。」

局長達に視線を一巡させたラーサーが満足そうに笑う。

こんな統一感の無い恰好で行う儀式がどんなものか、彼らには想像もつかないのだろう。

ベルガは顔を青っぽい灰色に塗られ、傷を描かれ、頭の両側にはどうやったのかネジをつけているし、
ギースに至っては角を生やしてなんだか良くわからない生物と化している。


「あの・・・どんな儀式なのですか?」
「ん~・・・要約すると大人、若しくは年長者からお菓子を奪い取る儀式ですかね。」
「・・・・・・・・・・・。」

ラーサーの言葉に局長達の視線が一斉にギースに注がれた。
ギースは賺さず顔を逸らす。

「それで、お菓子を一番多く取れた人が勝ちです。ちなみに菓子は各種最高級の物を用意しました。」

既にギースの傍には菓子を詰め込んだ手提げ籠を持った女官が立っていた。

「まあギース1人では大変でしょうからザルガバースや他の皆さんにもやって貰いましょうか。」
「え・・・・!?」

今度は視線がザルガバースに集まり、手提げ籠を下げた女官が以下略。

指名された局長の顔から血の気が引いた。

単に菓子を与える与えないだけならば簡単だが、
勝敗が関わるとなると話は別だ。

公安総局局長達は皆、並居るライバルたちを押さえ、蹴落としてジャッジマスターの座を射止めた者達だ。

競争心は人一倍強くて当たり前。
闘争心も負けず嫌いも人並み外れて強く無ければその座には上がれないし、守れない。

「い・・・いやだがしかし菓子をこの場で均等に渡してしまえば。」
「ああ、そうだな。」
「あ、言い忘れてましたけれど、お菓子を死守して下さいね。そう言う儀式ですから。」

ですよね~・・・。

ラーサーに注意を受けた2人はがっかりと肩を落とした。

ちらりと他の局長達に視線を向けて、溜息を吐く。

どうやら菓子の中に好みのものがあるらしいドレイスは見るからに張り切っているし、
ベルガは既にガブラスを牽制している。

ガブラスは別段様子に変わりは無いが、
一番警戒するべきはこの公安総局最強の男だろう。


その格好とこれから行われる”儀式”を想像すると、
ウルフと言うより猟犬の方が言い得て妙な気がしたが、
賢明なる局長2人がそれを口にする事は無かった。

下手に言葉に出して刺激をしたりしたら被害や疲労が倍増する気がする。


「では年長者の皆さんは先に逃げて下さいね。残りの皆さんは僕が合図をしたらスタートです。」
「ラーサー様、あの・・・これはいつまでやるんでしょうか?」
「ん~・・・では今日一杯としましょうか。」

聞くんじゃなかった。
ザルガバースは思った。

”では”って言ったよこの子。
明らかに気紛れに決めた感が強い。

大体まだ昼にもなっていないのだ。
日付が変わるまであと何時間あるのか。

顔を見合わせて、
腹の底から溜息を吐いたギースとザルガバースは、
同じく年長者に分類された同僚達と共に菓子籠を手に駆け出した。


今回は話が続くので少し手を加えました。

ガブは辛うじて年少組に入ってます。
同い年の、ガブより少し生まれが早い局長は年長組。


拍手御礼。PageTopなんとなく。

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