FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

願いを<4> Twins

<3>の続き。

顔は同じだけれど・・・?





局へ戻る途中、何となく最短距離を通るのも味気ないと思ったドレイスは、
少しだけ遠回りをした。

「やあドレイス。」
「ああガブラ・・・・髭が。」
「やっぱり。」

角を曲がって来たジャッジガブラス------実際は彼の振りをした兄だが------の顔を見たドレイスは目を瞠った。

最近、”ガブラス”のトレードマークとなりつつあった顎髭が綺麗さっぱり消え失せていたのだ。

指摘されたガブラス-----もといバッシュはがっかりと肩を落とした。


どうにもならない所まで体調を崩したガブラスに代わって、
同じ顔をした双子の兄、バッシュが9局に勤める様になってから3ヶ月近くが過ぎた。

その事実を知る者は極限られた数だが、
9局の局員達ですら長が入れ替わった事に気付いていないのはバッシュが完璧に弟の振りをしているからだ。

共に暮らしていた時間より離れていた時間の方が長いのに、
見事なものだと思う。

しかし弟よりも愛嬌のある兄はこうして人目の無い時は惜しげも無く感情の起伏を見せる。

「寝ている間にノアに剃られてしまった。」
「ぷっ・・・・・」
「笑い事ではないぞドレイス。あれだけ伸ばすのにどれだけ時間を掛けたと・・・ふう。」

深い溜息を吐いたバッシュにドレイスは堪え切れず笑い出して、
息継ぎの合間に綺麗に剃られた顎を見て再度笑った。

「兎に角嫌がっていたからな。油断をした卿が悪い。」
「・・・まあ仕返しはしたから良いけどさ。」
「仕返し?病人にか?」
「手荒な事はしていないよ。」

驚いたドレイスにバッシュは軽く肩を竦めて、
廊下の向こうから誰か局員が歩いて来る気配に気付いて無表情になった。

”ガブラス”は表情も感情も起伏も余り表面化しない。

「局長!先の件ですが。」

ガブラスを見るなり小走りに寄って来た局員がドレイスに一礼して報告をする。

「すまないドレイス。また。」
「ああ。」

局員と共にバッシュが歩き去って、
局に戻ろうと思ったドレイスはしかし方向を変えた。


「ドレイス。」
「ザルガバース。”彼”は?」

ガブラスの部屋の近くで、馴染みの局長と擦れ違った。

ザルガバースは困った様に眉を寄せて、
軽い溜息を吐く。

「今は機嫌が悪い様だ。」
「・・・兄の仕返しか。」
「聞いたのか?」
「本人にな。具体的には知らないが・・・大丈夫なのか?」

ドレイスが呟くとザルガバースはちらりと部屋の方を振り返って、
ドレイスに視線を戻す。

「・・・まあ、擽られただけだからな。」
「は?」

ドレイスの間の抜けた声にザルガバースはもう一度溜息を吐いた。

どうやら”現場”に居合わせたらしい。

「・・・酸欠を起こしている弟を笑顔で擽るあれの気が知れん。」
「酸欠?」
「最後の方は声がおかしくなっていたから慌てた。」
「ガブラスが?」

疲れた様に頷くザルガバースにドレイスは苦笑いをした。

笑い転げるガブラスを見てみたかった気もするが、
それも程度によりけりである。

「様子を見に?」
「ああ。仕返しをしたなんて聞かされたら落ち付かない。」

ドレイスの返答にザルガバースは小さく溜息を吐いて局へと戻って行った。

その背を見送って、
名を名乗ってから彼の人が休んでいる部屋のドアをノックする。

返事に少しホッとしてドアを開けると、
私服のガブラスは机で書類の束を纏めているところだった。

どうやら今の今まで仕事をしていたらしい。

「あまり根を詰めると体に毒だぞ。」
「だが少しずつでも復帰に向けて馴らさねば。」
「それは少しじゃない。」

ガブラスの手から書類を取り上げると、
元々機嫌の良く無かった男は溜息を吐いて立ち上がった。

棚からティーセットを出す仕草は手慣れたもので、
ドレイスは彼の淹れてくれる茶が好きだった。

好きな人が淹れてくれる茶だと言うのもあるし、
実際ガブラスが淹れた茶は美味いのだ。

所作の整った動きを見ながらドレイスは先程会話をした彼の兄を思い出した。

同じ顔、同じ声。
何気ない動きや表情まで同じで、
バッシュが髭を剃った(正確には”剃られた”だが)事で一段と彼らから相違点が無くなって、
2人が並んだ所などを見るとなんとも不思議な光景で。

(・・・でも、やはり私はガブラスが好きだな。)

同じ顔だけれど。
同じ声だけれど。

バッシュも確かに話していて面白いし、優しい。
愛想が良い分、人受けも良い。

仕事に対する姿勢も真面目で、
”ジャッジガブラス”の高評価は今も変わらず続いている。

だが、それだけだ。

「ガブラス。」
「?」
「体調は?」

ドレイスの問いにガブラスは苦笑をした。

「卿らは口を開くとそればかりだな。」
「当たり前だ。どれだけ心配をしたと思っている。」

子供の様に泣く程心配したのだ。

それはガブラス本人には秘密だったが、
それでも心配を掛けた事はガブラスも分かっている。

出された茶を軽く飲んでガブラスをちらりと見上げると、
ガブラスは小さく首を傾げる。

それだけの動きが目を引き、気を惹く。

全部ひっくるめて、今、目の前に居るガブラスが好きなのだ。

「そうだガブラス。」
「?」
「今度、思い切り笑う卿を見せてくれ。」
「!」

ドレイスがにやりと笑うと、
兄に受けた仕返しを思い出したのかガブラスはきつく眉を寄せた。


ガブ「お前は加減と言うものを知らんのか。」

バシュ「ノアが悪い。」

ガブ「あれだけ言ったのに剃らないお前が悪い。」

バシュ「すごく気に入っていたんだよ?ひどいじゃないか。」

ガブ「だからどうした。”ガブラス”は髭など生やさない。」

バシュ「イメチェンだと思えば良いと思うよ。」

ガブ「するかそんなもの。次やったらダルマスカに強制送還するからな。」

バシュ「え~っ・・・・。」

で、ウォースラに更に送り返されるんだと思うよ。

双子の日常生活みたいなのを書きたかった。

日記~。PageTop日記と更新予定。

Comment

Commentの投稿

 管理人だけに表示する

TrackBack

http://gamecomic.blog27.fc2.com/tb.php/502-351c1abc

プロフィール

高槻幽炎

Author:高槻幽炎
声フェチでオッサン好きのヘタレ。
ビバガブラスw

カレンダー

06 | 2019/07 | 08
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

カテゴリ
月別アーカイブ
最新トラックバック
最新コメント
最新記事
ブロとも申請フォーム
QRコード

QR

リンク
投票所
RSSリンクの表示
検索フォーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。