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10月31日<1> ~追う者~

10月用拍手御礼文の続き。

局長達のハロウィン。

追う方と逃げる方は共に9名ずつ。





「ガブラス!取れたか?」
「・・・一網打尽だった。」
「おわあ!?」

駆け寄って来たドレイスに奪い取った菓子かごを見せたガブラスの周囲には何名かの局長達が伸びていた。
危うく踏みつけそうになったベルガが慌てて踏み止まる。

さっさとインナーに着替えて化粧も落とした3人は顔を見合わせて肩を竦める。

着替えてはならないなどとは言われなかった事を逆手に、
ゲームが開始されて先ず局長達が取った行動はロッカールームへ向かう事だった。

倒れている局長達もしっかり着替え済みである。

動き難い上に仮装したまま走り回るなど、
良い歳をした大人のやる事では無い。

「菓子、なんだった?」
「皆同じではないのか?」
「被っているのもあるが内容物はそれぞれ違う様だ。」

ガブラスの菓子かごを覗き込んだドレイスがとある菓子に釘付けになった。
そっとガブラスの様子を伺うと、
ガブラスはその菓子を取り出してドレイスに渡す。

「欲しければ。」
「本当か!?ありがとう!ずっと食べてみたかったのだ!」
「お待ち下さい。」

ドレイスが手を打ち合わせて喜んだ矢先、
文官の恰好をした男がどこからともなく現れた。

「・・・誰だ?」
「ラーサー様の御側で見た顔だな。」
「ガブラス様の仰る通りです。私の他、殿下の御付きが何名かゲームに不正が無いか見張らせて頂いております。」

ふーん・・・。

何となく頷いて、3人は思った。

たかがゲームに何故そこまでしなくてはならないのだろうか。

そしてベルガとドレイスは気付いた。
男が後ろ手に持っているものに。

(ベルガ。)

(ああ。あれ、カメラだ。)

(ガブラス用か。撮ったの、私も欲しいな・・・。)

(そうじゃないだろ。)

心の中でツッコんだにも関わらず、
ベルガはドレイスに睨まれてしまった。

「他局長への菓子の無償譲渡はルール違反となります。」
「交換なら問題ないのか?」
「ございません。」

男の答えに早速ドレイスとベルガが互いの戦利品の選別を始める。

ガブラスはその2人に自分が取ったかごを渡して一任すると男に向き合った。

「それはゲーム時間内のみ適用されるルールか?」
「はい。ゲーム終了後はどなたに差し上げても問題ありません。」
「他にルールは?」
「両者とも武器及び魔法の使用は認められません。」

当たり前である。

局長クラスが揃って武器だの魔法だのを安易に使ったら公安総局が吹っ飛ぶ。

「それと。」
「まだあるのか?」

ベルガの問いに男は姿勢を正した。

「この時間は勤務扱いとなりますが、入手された菓子は好きに召し上がられて構いません。」
「本当か!?」
「日付が変わるまで時間が長いですので皆様がお疲れになった場合を想定されたラーサー様の御配慮でございます。」

有り難い配慮・・・と言いたい所であるが、
良く考えたら食事を取る時間は設定されていないと言う事である。

しかも局に残した仕事が丸ごと明日に回される事は想像に難く無く、
明日は明日の仕事が山とある。

それでも菓子を奪われる為に追い回される年長組達よりは遥かにマシな扱いだと自分を慰めなければやってられる話では無かった。

一礼した男が完全に気を失っている局長に近付くと、
男と同じような恰好をした男達が矢張りどこからともなく現れて男を手伝いだした。

当たり前だが公安総局局長を庭に転がしたままにしておくわけにはいかない。

「手伝うか?」
「いえ、わたくしどもの仕事でございますのでお構い無く。」

きっぱりと断った男達はわらわらと局長達を運んで行った。

「折角だ味見をしてみないか?」
「いつになく楽しそうだな?」

何気なく言っただけなのに、ベルガはドレイスに襟首を掴まれた。

何!?俺いつ地雷踏んだ!?

焦るベルガに眉間に皺を寄せたドレイスが今にも殴りかかりそうな目つきで睨んで来る。

ガブラスはと言うと、律儀なのか何なのか、ドレイスが欲しがった菓子をドレイスの取ったかごに移していた。
そんなこと後で良いから助けて。

「当たり前だ!今回用意された菓子はどれもこれも一級品。ずっと気になっていて食べられなかったものも多々あるのだ!食べたくなって何が悪い!!」
「い・・・いや、悪くない。悪くないから放せ。」

なんとかドレイスを制して、ベルガは手探りで自分のかごの中から菓子を差し出した。

それは運良くドレイスが食べたがった菓子のうちの1つの様で、
すぐに手を放したドレイスが自分のかごの中を物色し始める。

「ガブラス、どれを食べたい?」
「いや、私はあまり菓子は好まない。好きな様に入れ替えてくれ。」
「・・・ではこの菓子の山、どうするんだ?」
「明日、局員に渡す。」

ガブラスの答えにドレイスは大きく目を見開いて、
かごの中身とガブラスとを見比べた。

ベルガにもその価値は良く分からないが、
それでも幾つか聞き覚えのある菓子の名もあったから
全く頓着の無いガブラスが信じられなかったのだろう。

「絶対美味しいから卿も食べてみるべきだ!」
「これだけ走らされているんだしな。甘いものは疲労回復に良いと聞くぞ?」

ドレイスを援護するベルガは純粋に小腹が減っただけである。

「これなんか然程甘く無いぞ。カシスだから酸味が強いと思う。」
「・・・・では少し頂く。」

ドレイスに選び出して貰った菓子の封を開けたガブラスがカシスのジャムをサンドしたクッキーの端を少し割って口に運んだ。

「美味いだろう?」
「・・・・・・・茶があると助かる。」

ガブラスが呟いた瞬間------------

再びどこからともなく文官姿の男達が現れ、
どこからともなく取り出したティーセットに紅茶を注いで3人に手渡し、
そしてどこかへと姿を消した。

「・・・・・・・・・・・・・。」
「ガブラス、言いたい事はわかる。」
「ラーサー様の御厚意だから。な?」

2人の言葉に、ガブラスは無言で頷いた。


どこからともなく現れる文官姿の男達の正体は確かにラーサーの御付きですが、
同時にガブラス見守り隊の隊員です(笑)

ちなみに飲み終わった紅茶はやっぱりどこからともなく現れた隊員達によって下げられました。


ベル「ところでそのクッキー、どうだった?」

ガブ「酸味は悪くない。が・・・。」

ベル「が?」

ガブ「その酸味と相殺させる為だろうがクッキーが甘過ぎる。」

ベル「ふーん・・・良し、カシスのは局員にやろう。」

ドレ「美味~い♪」←トレードしてもらった菓子を試食中

拍手御礼。PageTop拍手御礼。

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