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息抜き

FF12発売十周年記念SSその2
ヴェイン×ガブラス











槍対剣。
長さがあれば有利かと思ったが、意外とそうでもなかった。
相手を牽制する分には役に立つが、剣ほど小回りが利かないのだ。
そしてそれぞれの武器の特性を熟知している者を相手取っては、机上で戦略を組むばかりのヴェインが勝てる道理など、探しても見つかる訳が無かった。

無様に床に転がって、溜息を吐いた。
訓練場の床は石造りで、汗を掻いた肌に、無機物特有の冷たさが気持ち良い。

「ククッ・・・・・・矢張り破魔石抜きで卿に勝つのは無理か。」
「・・・・・その様な事は。僅差であったと思います。」

ガブラスの言葉を鼻で嗤って、ヴェインは差し出された手を借りて起き上がった。
胡坐を掻いて座ってみると、股関節の筋が伸びて気持ちが良かった。

「僅差になる様、手心を加えたからであろう?」
「それは・・・・・・・・・・・・・。」

ヴェインの意地の悪い問いに、ガブラスは口籠る。
ヴェインは笑った。
褒められた趣味ではないが、ヴェインは、この男を困らせるのが好きだった。

「・・・・・・・・・私は殿下達を御守りする為に在ります。その殿下に勝てぬ様では勤めは果たせません。」
「取って付けた様な言い訳だな。私が憎くは無いのか?」
「いいえ。」

ガブラスは即答をしたが、ヴェインは嘘だと思った。
ランディス共和国がアルケイディア帝国の猛攻に沈んだ時、ヴェインは八歳だった。
流石に事細かには覚えていないが、それでも、最期まで抵抗した小国を、無駄な足掻きをと嘲笑った憶えはあった。
ガブラスにとって、ヴェインは祖国を奪った男の息子で、更には一時的とは言え、地位も、権力も、存在価値までも取り上げた相手だ。
憎まない、恨まない理由がない。
殺しても飽き足らない筈だ。
それでも、ガブラスは決して恨み事を口にはしなかった。

「全く、復活させたは良いが何の役にも立たんな。」
「ですが元老院は帝国に必要です。」
「わかっている。だからこそ腹立たしいのだ。」

ヴェインは話題を切り替えた。
一部面子を入れ替えて元老院を再招集したは良いが、出て来るのは国民の威を借りた不満や文句ばかりで、顔を合わせるどころか、元老院の名を聞いただけで嫌気が差す。
兎に角、気分転換を図りたかったのだ。
それでガブラスの顔を見た途端、ベルガが暇を見てガブラスと組手や手合わせをしている話を思い出して、誘ってみたら存外に良い汗を掻けた気がしたのである。
汗と共に、嫌な気分も流れて落ちたのに違いない。

「----------------雰囲気が変わったな。」
「そう--------------でしょうか?」

ガブラスにしては、歯切れの悪い返事である。
ヴェインが、傍らで片膝立ちをしているガブラスに目を遣ると、困った様な顔をして言った。
最近、良く言われるのだと。

「仕方が無い。仕事に戻るか。ガブラス、手を貸してくれ。」
「はい。」

ヴェインを手を差し出すと、先に立ち上がったガブラスが握った。
膝を曲げた、前傾姿勢。
全く、ジャッジマスターともあろう者が、こうも無防備な姿を晒して良いものなのか。

ヴェインは思い切り、手を引き下ろした。

「!?」
「最後まで油断するものではないな、ガブラス。」
「ヴェ、ヴェイン様!?ッ----------------!!」

飛び込んで来た長身を何とか抱き止めて、そのまま上着の裾から手を潜り込ませると、ガブラスは呆然とし、我に返って慌てて、それから背を撓らせて、きつく目を閉じた。
汗を掻いた肌は、しっとりと指に吸い付く様で、まるで情事の後の様だった。
熱が、指先から全身へ拡がって行く。

「ふむ。仕事は今日はもう止めよう。気が乗らん。」
「し、しかしヴェイン様、それでッ、は、・・・・・・・・・・・」

何とか喋ろうとしている様だが、ヴェインが手を止めないものだから、声は裏返り、既に言葉も途切れ途切れで、息も乱れ始めている。
ヴェインはふと、アルシドが矢鱈ガブラスに付き纏う理由が分かった気がした。
あまりに真面目な堅物であるから、崩して乱したい衝動に駆られるのだ。
----------------尤も分かった所で、アルシドにくれてやるつもりは毛頭無い。

「私とて息を抜きたい時はある。元老院や父上に告げ口をしても構わんぞ。」
「その様な事は・・・・・・・ですが、その・・・・・・・」
「その、何だね?」

わざと耳元で囁くと、ガブラスは息を詰めて、ヴェインにしがみついた。
見なくても、顔が赤くなっているのが分かった。

「い、今は汚れております・・・・・ですから・・・・・・・。」
「ああ、そうだな。私も汗は流したい。」

ヴェインが手を止めて頷くと、ガブラスは安堵した様に身を起こし、上半身だけ寮棟の方角に振り向いた。
ヴェインがしっかりと腰に腕を回しているから、それ以上は動けなかったらしい。

「でしたら、私は一度自室に戻」
「皇帝宮の風呂ならば充分に広い。何も二人別々で入らねばならぬ理由など無かろう?」
「---------------------------。」

寮棟に向いたまま、ガブラスの動きと言葉が止まった。
どうせそんな事だろうと思って、ヴェインは鼻で嗤った。
ガブラスは、一旦ヴェインと別れる事で、外せない仕事が入った等の適当な口実を作って、逃げるつもりだったのだ。

「そうまで警戒せずとも手酷い事はしない。だが------------まあ、念の為、明日は休みを取っておいた方が良いだろう。」
「御言葉ですが、突然休んでは」
「平素から私も如何なものかと思っていたのだ。卿に頼ってばかりの今の公安総局の在り様をな?それでは卿に何かあったとき、局そのものが機能しなくなってしまうだろう?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

素知らぬ顔で退路を絶ってやると、ガブラスは俯いて、蚊の鳴く様な声で、分かりましたと言った。
漸く諦めた様だ。

ヴェインは口許を歪めて嗤った。


息抜きは大事です。
一名しか息抜き出来ていない様に見えますが、気のせいです。いつもの事です。

ガブ「あ。」

ヴェ「何だ?」

ガブ「私の様な下賤の出の者が皇帝宮の湯に入るなど、到底許される事ではございますまい。」←必死

ヴェ「私が許す。良し、問題解決だ。」

ガブ「(((( ;゚Д゚)))!? 」

ヴェ「何を言っても無駄な足掻きだぞ。」

ガブ「・・・・・・・・・・・・・・・そうですね。」

絶叫PageTop花咲く前

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