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生きる道

レダスとガブ。

バハムート戦役後だけれど全員生存前提でーすw














仕事に追われるレダスに、訪問者だと屋敷の者が告げに来たのは、昼を少し過ぎてからだった。
怖いもの知らずであるはずの無法者の緊張した面持ちを、不思議に思いながら通す様に言い付ける。

ややあって入って来た男に、レダスは目を見開いた。
細かな細工の入った鎧と、紋章が赤く染め抜かれた黒マント。
意匠は違うが、嘗てレダスも同じ物を纏っていた。
アルケイディア帝国に於いて、絶大且つ絶対的な権力を持つ公安総局の、長の証-----------------

兜を脱いだ下からは、大麦色の短髪と、気難しそうな面差が現れた。

「ここは久闊を叙するとでも言おうか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・ガブラス。」

漸く絞り出した名に、男は目を細めた。



ガブラスの用向きを聞いたレダスは、怒りに任せてテーブルを叩いた。
飛び跳ねたカップとソーサーが、いかにも華奢な音を立てて着地する。

「冗談じゃない!どうやって街の者に説明しろと?」
「勘違いをしてもらっては困るな。私は頼みに来たのではない。命を下しに来たのだ。」

ガブラスの返答に、レダスは引き攣った。
ガブラスは、バーフォンハイムが取り扱う物資ほぼ全てに掛かる税を、上げると宣った。
そんなふざけた話があるか。
息の荒いレダスを、ガブラスは冷静に見つめる。

バーフォンハイムは、既にそれなりの税を納めているのとは別に、レダスが個人的に上納金を渡す事で、帝国の圧力から逃れて来た。
帝国の手が入れば、港で働く者達は、根こそぎナルビナ監獄か旧市街へ送り込まれてしまうだろう。
皆、後ろ暗い過去を持つ者ばかりなのだ。

「無理だ。只でさえ今年は漁獲量が例年より少ない。」
「そちらの事情など知った事では無い。」
「そもそもはどこかの馬鹿がでかい戦艦ぶっ壊して膨大な量のミストを垂れ流しにしたからだろう!!」

激昂したレダスが思わず立ち上がると、見上げたガブラスは眉一本動かさずに淡々と告げた。

「その後始末をする為にギルが必要なのだ。」
「ふざけるな!そんな勝手な話があるか!!」
「吹き溜まりの街が帝国の庇護無しに存続出来るとでも?」
「---------------------------!!」

言葉に詰まったレダスを、ガブラスが鼻で嗤う。
情に篤いレダスが、自ら纏め上げたバーフォンハイムを見捨てる事が出来ない事を、ガブラスは百も承知で来たのだ。
レダスの判断次第では、バーフォンハイムはまた元の無法地帯に戻ってしまうだろう。
現に少し留守にしていた間に、街の者達の動きは見る見る不穏になったと聞く。
そして公安総局が動けば--------------------

きつく眉根を刻んで俯いたレダスに、ガブラスは平然と言い放った。

「理解して頂けた様で何よりだ。」
「くそっ!!」

口汚い言葉を叫んだレダスは、頭を抱えた。
俯いたまま、きつい眼差しでガブラスを睨み上げる。

「成程?あの戦を経て身も心も帝国の犬に成り下がったと言う訳か。」
「何とでも言い給え。帝国の支配から逃れたいのだったら他国に亡命するべきだったな。」
「フン。全くだ。」

だが、今更だ。
今やレダスの居場所は、バーフォンハイム以外、無い。

用向きの済んだガブラスは、さっさと腰を上げた。
しかしドアを目の前にした所で、不意に立ち止まった。

「ベルガが-----------------ジャッジベルガが、もしもジャッジゼクトが存命であるのならば、今一度酒を酌み交わしたいと言っていた。」
「何?」
「失礼。独り言が聞こえてしまったかね?」
「--------------------ベルガはゼクトを忘れていなかったのか。」
「良い加減見つからんのでな。最近になってジャッジゼクトの死亡報告書が出た。だからベルガも殆ど諦めている。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・待て。」

言うだけ言って、兜を被ったガブラスをレダスは呼び止めた。

「ジャッジゼクトも、生きていればさぞかしジャッジベルガに会いたがっただろうよ。俺はそう思う。」
「------------------そうか。慰めでも聞けば喜ぼう。」
「遊びに来る分にはいつでも歓迎するぜ?バーフォンハイムの懐は広いんだ。但し、厳つい鎧はお断りだがな。」
「ふっ、それも伝えておこう。」
「お前も覚えておけよ?」

軽く手を上げて返事の代わりとしたガブラスは、今度こそ部屋から出て行った。
閉まりかけたドアの隙間から、部下達が恐る恐る様子を窺っているのが見えた。

ソファに凭れ掛かったレダスは、薄汚れた天井を見上げる。

公安総局に居た頃は、良く同期であるベルガやドレイスと酒を飲んだ。
特にベルガとは懇意にしていて、同じ夢を、未来を思い描いていた。

当時は帝国こそが世の全てで、力を持ち、振るう事に何の疑問も抱いていなかった。
だがナブラディアで「力」の強大さを目の当たりにし、逃げる様に----------否、逃げ出したのだ。
帝国から。
自分の仕出かした現実から。

ずっと、ベルガを失望させたと思っていた。
裏切ったも同然だったのだ。
だが、ベルガは「ゼクト」を恨んでも憎んでも居なかった。
居なかったが故にガブラスに意思を託してくれた。
ガブラスもまた、それを尊重してくれた。
曾ての同僚として。
全く、朴念仁の癖に粋な計らいをしてくれたものだ。

「さあ、どうするかな--------------」

頭の後ろで手を組んだレダスは、どかりと椅子の背凭れに寄り掛かった。


ベルガさんとゼクトさんは仲が良かったんだと思います。
同期(多分)だし。タメだし。
アルティマニアにもベルガがレダスに心酔して・・・みたいな事、書いてあったし。

ガブラスさんには憎まれ役をやって貰いましたが、帝国が無茶を言っていると言うのは分かっていたから、ちょっとしたフォローを入れたかったんだと思われ。
ちなみに独断でしょう。

ベル「いやでも全く悪意を覚えなかったわけでもないぞ。逃げたって聞いた時は殺してやろうかと思った。」

ガブ「ほう?」

ベル「だが時間の経過と共にどうでも良くなったな。あいつと飲む酒は美味かったし。」

ガブ「そうか。」

ベル「そんなわけで今度の休みはバーフォンハイム行ってくる。」

ガブ「色々宜しく伝えておいてくれ。」

ベル「嫌だ。俺まで恨まれたくない。」

ガブ「ならば仕方無いか・・・。」←溜め息

たまにはベルガさんが楽しくても良いじゃない、と。


14/07/15日→一部訂正及び改変

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