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独占欲

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下がりのラーサー目線。




ラーサーが”それ”を目にしたのは偶々だった。

偶々、廊下の窓から裏庭を覗いて、
偶々、そこに心底惚れ込んでいる相手が歩いていて、
突然、その相手がいきなり庭木の茂る中へ引き摺りこまれた。

驚いて目を見開いて、しかしすぐにそれは細まる。

僅かに見えた服の袖付近から相手は帝国の者ではないとすぐにわかった。

何故なら。
今日、同じ柄の服を来た男がロザリアからラーサーを訪ねて来ていたからだ。


ラーサーと遊ぶと言うのは建前で、
男の、アルシドの本当の目的はガブラスにある事などラーサーはとうに見通していた。

国は違えど同じ情報を扱う者として、
最初は純粋に興味本位だったらしい。

しかし最近は興味本位を遥かに超えた頻度でアルシドは帝国を訪れていた。
その度にガブラスに接触をしては彼の仕事を遅らせている。

ガブラスにしてみればアルシドはラーサーの客人--------つまりは賓客だから無碍にもできずに居るのだろう。

厄介なのはロザリア自体もガブラスを引き抜こうとしている事だ。
アルシドがガブラスを口説き落とせばラーサーだけでなく帝国も大打撃を受ける。

歯噛みしたラーサーは駆け出した。

すれ違った中年の女官に行儀が悪いと窘められたが聞こえない振りをして。


(僕のガブラスだ・・・!)

寄るな。
触るな。

本当は誰にも近付いて貰いたくない。
誰とも話して貰いたくない。
どこか、誰も知らない場所に閉じ込めて自分だけのものであって欲しい。

しかしそれは帝国と、彼の立場を考えるとどうあっても無理な話で。

だったらせめて不用意に誰かに近付いて貰いたくない。

ただでさえ帝国内外には彼を望み、求める者は多いのだから。


ラーサーは幼い己が何より歯痒かった。
あと10年。
否、せめてあと5年歳を重ねていたら、もっとガブラスと踏み込んだ関係が持てたかもしれない。

兄の意向か、ガブラスはラーサーには公私を問わず、表面上の、所謂綺麗な話しか見せようとしなかった。

それはラーサーがまだ子供だからだ。

兄の様に帝国の表も裏も知り尽くしている話が出来るわけではない。

”公務”と言ってもやれ何とかのイベントに出席せよだの、
どこそこへ視察に出ろだの愛想を振りまくだけの内容ばかりで
何かの役に立っているとは思えない。

それなのに。
アルシドは最初からガブラスと対等に話が出来て、
いつだって対等に接する事が出来る。

時には共に飲みに出る事もあると言う。

ラーサーに出来ない事をいとも容易くしてのける。

考えただけで、腹の底に黒いものが澱むのを感じた。

(僕の、だ。アルシド。)



「ア~ル~シド!何してるんですか?」

息を整えて、落ちていたガブラスの兜を拾って敢えて明るく声を掛けると
アルシドは大仰に肩を震わせて、ゆっくりと振り向いた。

跪いたガブラスに戻る事を促して、残った友人を満面の笑みで見上げる。

「中々戻って来ないからどうしたのかと思いました。」
「そ・・・そうですか。」
「ねえアルシド。戦争は嫌ですよね?」
「・・・ええ。」

引き攣ったアルシドが小刻みに頷く。

ラーサーは本気だった。

ガブラスに手を出すなら、容赦はしない。
ガブラスを連れて行くつもりなら、ロザリアそのものを潰す。

ガブラスだけは、渡したくない。
誰にも。
絶対に。

それは物心ついてから現在に至るまで僅かたりともラーサーの心から離れた事は無い。
そしてこれからも。

もう1度にっこりと笑いかけたラーサーに、アルシドは天を仰いで降参のポーズを取った。


ラーサー様は物心つく前から父と兄は忙しくて母は居なくて・・・と言う設定なので、
好きな人が側に居てくれない淋しさを思い知っています。

だから側に居てくれる人を絶対に手放したくない。
ドレイスもそうだし、ガブラスは特に。

拍手御礼。PageTop日記と更新予定。

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