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希望は・・・。

ドレイスに婚約話が持ち上がりました。
砂糖を吐けるぐらい甘い。

なのに、ガブラスさんに他意はありません。

それがガブラスクオリティ。

メモに延々書いてあった話をそのまま載せたので長いです。

「ドレイスが婚約?」
「なんだ、聞いていないのか?今、ジャッジ一番の話題だぞ。相手はハイド家の次男坊だ。」
「名門ではないか。」

驚いたガブラスに、ベルガが更に驚く。
一緒に歩いていたザルガバースまで目を見開いていた。

言われてみればここ数日、9局も就業時間前にジャッジ達が寄って集って何やら話し込んでいた。
内容までは与り知らないが、熱心な事だと思っていたら
成程、ドレイスの事なら皆、真剣になるやもしれない。

局長の中で紅一点であるドレイスの人気は高いのだ。

「本人から何も聞いていないのか?」
「いや。何故俺が?」
「・・・・・・ああ、卿はその手の話は疎いのだったな。」
「?」

ベルガが思い切り深い溜息を吐いて、どこへともなく何とも言えない眼差しを送る。

ザルガバースにはそれがドレイスに対する同情だとわかったのだが、
ガブラスは相変わらず怪訝そうな顔をしたままだった。


ドレイスが9局を訪れたのはそれから数日経った夕方の事だった。
仕事が終わって一度帰宅したのか、私服姿だ。

「ガブラス。・・・ちょっと、良いか?」
「構わんが。少し待ってもらえるか?この話が終わってから、」
「ガブラス様!後は我々で出来ますから!
 偶には定時に上がられてゆっくりお休みください!」

部下に捲し立てられて、
しかも他のジャッジと3人がかりで執務室を追いだされたガブラスの背後に
ドレイスが軽く手を上げて礼の代わりをした。

ジャッジ達は矢鱈満足そうな雰囲気で2人を見送り、室内へと戻って行った。

「突然すまなかったな。」
「いや。ああ、婚約したのだったな。おめでとう。」
「!」
(いやいやいやいや今このタイミングでお前が言うか!?)←ベルガ
(有り得ん・・・・・・・!!)←ギース
(---------------。)←巻き込まれザルガバース

ガブラスも着替え、中庭に移動した2人は
茂みや巨木に隠れた同僚達の姿に気付いた様子は無い。

上から見ると天下のジャッジマスターが2人仲良く並んで歩いて、
その2人を隠れた3人のジャッジマスターが見守っている構図になるのだが---------
はっきり言って、異様である。

何故なら。

見守るジャッジマスター達は未だフル装備なのだ。

現に偶々窓から中庭を見たジャッジの数人かが先ずガブラスとドレイス---------
噂の2人の姿に目を奪われ、
次に隠れた3人の姿にギョッとし、
見なかった振りをして足早に廊下を通り抜けて行っていた。

「そう・・・なのだ。相手も優しい良い方でな・・・・・。
 まあ政略結婚だが自分でも良縁であると思う。」
「良かったな。」
「・・・・・・・・!」

いい加減痺れを切らしたベルガが飛び出しそうになるのを
ギースとザルガバースが必死で押さえて黙らせた。

ここでこの雰囲気をブチ壊したら後で間違いなくドレイスに殺される。
気を付けて下さい。

そのドレイスが不意に足を止め、並んで歩いていたガブラスも足を止めた。
何となく、向き合う。
・・・と言うより、ドレイスがガブラスの方へ向いたからガブラスもドレイスに向いただけの話である。

奇しくも場所は中庭のド真ん中。
他のジャッジ達は仕事に追われ、(隠れている3人以外は)人もいない。

庭師に整えられた木々の間を初秋の風が通り抜け、さらさらと葉が優しい音を奏でる。
しばらく、無言の時が流れた。

「だが・・・条件を出されたのだ。」
「条件?」
「・・・・・・。ジャッジなど、危ない仕事はこの際辞めてしまえ、と・・・。
 い、いや、そんな乱暴な言い方をされた訳ではないのだが!」

閑静な庭を、良く通る2人の声が風と共に抜けた。

隠れて見守っていたジャッジマスター達は顔を見合わせた。

ガブラスほどではないが、ドレイスも仕事人間だ。

ジャッジの肩書きに誇りを持って、日々勤め上げている姿に誰もが憧れている。

「この機を逃したら恐らく二度と結婚は出来ぬだろう。
 しかも相手は名門・・・両親も今回の話にかなり入れ込んでいるのだ・・・。」
「・・・・・・風が、出て来た。」
「え・・・?」
驚くドレイスの肩に、ガブラスは羽織っていた上着を脱いでそれを掛けた。

大きな上着は、ガブラスの匂いと温かさとをドレイスに感じさせてくれる。

物静かで、他意の無い優しさ。

仕事中の姿からは全く想像できないガブラスの本質に気付いた時、
ドレイスの心は引きこまれる様に傾いていった。

大麦色の髪と、同じ色をした睫毛に縁取られたブルーグレイの眼差しが
優しくドレイスを包んでくれている。

”この際だから全て心情を吐き出してしまえ。”
優しい眼差しはそう言っている様に見えた。

「私は・・・どうしたら良いのか、わからない。・・・もし、もしも卿ならばどうする?」
「?」
「仮に私と卿が結婚する、と言う話になったら、卿は私に辞めろと言うか?」
(ぃ良し!!言ったァァァァ!!)←ベルガ(ガッツポーズ付き)
(答えろガブラス!ここで逸らかしたら男じゃないぞ!!)←ギース(完全に面白がっている)
(・・・・・・・・・・・・。)←ザル(甘酸っぱすぎて鼻血が出そう)

顔を真っ赤にして答えを待つドレイスに、僅かの間を置いてガブラスは口を開いた。
ドレイスはガブラスの上着を強く握りしめて地面を見つめている。
それはほんの数秒だったが、
見守るジャッジマスター達にとっても長い時間に感じられたのは言うまでもない。

「言わない。」
「・・・・・・・・・!」
「自分も同じ職に就いているのに卿は辞めろだなんて勝手過ぎる。
 それに、女だから危なくて男なら良いと言う考え方も好きではない。
 絶対的な男女平等を謳うつもりは無いが。」

誠実すぎる答えに、ドレイスは泣きたい様な、嬉しい様な複雑な気持ちになった。

自分でもわかるほど情けない表情を浮かべてしまった顔を隠したくて、
俯いたら目の前にガブラスの胸がある。

額を押し付けてもガブラスは何も言わなかった。
無言のまま、ドレイスの背を優しく、軽く叩いてくれた。

少し冷たい手から、ガブラスの優しさが沁み込むような錯覚を覚える。
どうして、こんなに好きなのだろう。

(そのまま抱き締めろ!!)←ベルガ
(やれ!ガブラス!!)←ギース
(・・・・こいつら。)←ザル

しかし同僚達の願い(?)も空しく、ドレイスはガブラスから離れてしまった。

「ありがとうガブラス。おかげで気持ちの整理が付いた。」
「そうか。」
「--------------!」
(((------------!)))

短い返答。
だが予想だにしなかった優しい微笑みに、ドレイスも野次馬達も目を奪われた。
冷静冷酷冷徹の3冷が揃ったジャッジガブラスの思わぬ笑顔に言葉が出ない。

「あ・・そ・・そうだ、上着、ありがとう。」
「いや、構わない。邪魔で無いのなら着ていてくれ。部屋に戻るまでに冷えよう。」
返そうと脱ぎかけたドレイスを目線で制して、再度掛け直してくれる。

その時だった。
9局のジャッジが駆け寄って来るのがドレイスに視界に入った。
ほぼ同時に気付いたらしいガブラスが苦笑いと共に振り向いて、そちらに歩を進める。

ドレイスは思わず引き留めようと伸ばしてしまった手を握って、己の胸に引き寄せた。
思えば仕事中のガブラスを無理矢理引き摺りだしたのだ。
これ以上邪魔をする訳にはいかない。

「ドレイス、済まないが・・・。」
「あ・・ああ構わん。時間を取らせて悪かったな。」
「いや。」

何かトラブルでもあったのだろうか。
ガブラスは呼びに来たジャッジと共に行ってしまった。
寂しい気もするが、先程より気分は晴れている。

一度だけ振り向いたガブラスにドレイスは笑顔で手を振って、
踵を返す間にその表情が反転する。

「さて、全て聞いていたのだろう?」

地を這う様な声に3人が硬直した。
天下のジャッジマスターが揃いも揃って冷や汗を流しているなんて、珍しいにも程がある。

「き・・・気付いていたのか。」
「ああベルガ。あれだけガタガタやられて気付かぬわけが無いな?」

にっこりと笑うドレイスの笑顔は、先程のガブラスのものとは全く違う意味合いを現していた。

その後、ドレイスは婚約を解消し、
例の3人のジャッジマスターが暫くドレイスに頭が上がらなかったのはまた別の話。
ベルガさんは勿論殴られました。



勿論ガブラスも3人の存在に気付いていました。
が、ドレイスが何も言わないから良いのかと思っていた様です。

この2人の関係は周りがドキドキヒヤヒヤしてるらしい。

拍手御礼。PageTopお兄ちゃんといっしょ <4>

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