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マヨヒガ

マヨヒガ→迷ひ家(まよいが)。地方の伝承で、豪邸があり、食べ物が今作られたかの様に湯気を立てて並び、庭には鶏が遊び厩には馬がいななく。ただ、人の姿だけがない。
”家”と言いながら集落である。一種の理想郷?

迷ひ家に迷い込んだ者はそこの物を1つだけ持って帰る事が許される。
それは決して古びず、無くなる事もないとか。

・・・ってのが本来の意味で・す・が、ここでは言葉の響きのみを利用しています。
意味は見なかった方向で。



「・・・・・・・。」

一頻り周囲を見回したガブラスは、
思い切り深い溜息を吐いた。

空を見上げれば羽の生えた魚が空を飛び、
木は葉を地面に喰い込ませ、
根を天に向けて生えている。

ガブラスは夢の終わりを訪れた後、
己の領域へ戻ろうとしただけだ。

なのに出たのはこの違和感だらけの不可思議な世界で。

水から出た魚は悠々と羽ばたいている。
別段苦しそうではないし、
木も枯れるどころか瑞々しいばかりだ。

目に見える生き物の殆どがガブラスの知っているものとは全く違う生態らしい。

空は頭上にある。
建物は道の両脇に普通に並んで建っているし、
地面は石畳に覆われ、足元に広がっている。

だがその足元に視線を落とすと、
白い卵が風切り羽のない翼と足を生やし呑気に歩いていた。

では人は逆立ちでもして歩かなくてはならないのかとうんざりしたが、
時折見かける人間はガブラスの知る常識通りに歩いていた。

ただ、その服装や髪形は個々に違っていて、
派手で豪奢なドレスを揺らす女が居れば、
シャツにパンツと軽装な男が歩いている。

ガブラスの様に甲冑を纏った者が立っていれば、
ぴしりとスーツを決めた者が何かの店を覗いていた。

はっきり言って統一感が無い。

不快なのはその道行く者達の目が揃って虚ろな事だ。
親しげに会話をしている男女も、
互いの顔を見つめ合っている様に見えてその実焦点が合っていない。

「おや?どうかされましたか?」
「・・・・・・・・。」

優しい声色に視線を向けて見れば、
先程見掛けた派手なドレスの女が男を連れていつの間にか側に立っていた。

声をかけてきたのは男の方だ。

燕尾服にシルクハット、御丁寧に黒いステッキまで持った男はガブラスより幾らか背が低いが、
貴婦人の手を取りながら優雅に一礼する。

上品な笑みを浮かべ、
きっちりと整えられた髪は毛筋1本の乱れも無い。
ただ、やはり焦点は合っていない。

ここがどこなのか、
この得体の知れない男は知っているだろうか。

ガブラスが問おうとした瞬間、
どこかで人の悲鳴が聞こえた。

その声のもとへ向かおうとしたガブラスの手を男が掴む。

「放せ。」
「どちらへ?ここにいらっしゃれば良ろしい。」
「悲鳴が、」
「はて?そんなものが聞こえましたかな?」
「ここに住めば良いさ。」
「食べ物も飲み物もいらないのよ。」
「貴方もいらっしゃい。」
「さあおいで。」

服装も、髪形も年齢層も全く違う男女が周囲を取り囲み、
口々に喋る。
何とか聞き取れたのはそこまでで、
後は何を言っているのかわからなかった。

ただ、彼らはこの世界を気に入っているらしい。

雑音を生み出す者達はガブラスの腕を掴み、
足を押さえ、胴にしがみついた。

まるでここから逃すまいとする様に。
焦点を狂わせながら。
空虚な笑みを浮かべながら。

2、3人振り払ったが、
すぐに倍以上の人数に押さえつけられ完全に身動きが取れなくなった。

「なんなんだ貴様ら!」

怒鳴った直後、人の隙間から伸びて来た手がガブラスの腕を掴んだ。

まだ増えるのか。

うんざりしてそちらへ視線を向けたガブラスは驚いた。
そこにはガブラス同様眉間に皺を寄せた長身の男が立っていた。

長い銀髪の男はひどく不愉快そうな表情を浮かべ、
手近な人間を蹴飛ばし、襟首を掴み、振り払ってガブラスを中心とした人の塊を見る見る解体してゆく。

「何をしている。」
「・・・俺が聞きたい。何故貴様がここに居る。」

その前にここはどこなのか。

問おうとしたガブラスを手で制したセフィロスは、
ガブラスの手を掴んだまま歩き出した。

今の今までガブラスに集っていた者達は、
転倒したまま、或いはバランスを崩した体勢のままその様を見送っていた。

→<2>


まあパラレル言っても異世界の中の1つってことで。
今までの神の戦士のうちの誰かのフィールドだったと言うよりは、
その神の戦士達が創り出して集まって住みついたコミュニティみたいなイメージです。

拍手御礼。PageTopとある日の放課後。

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