FC2ブログ

Crocus

10周年記念SS第・・・・・さ・・・4段!危ない!もう忘れかけてる!

ヴァン×ガブラスです。
一生懸命なヴァン君可愛いね。
お疲れのガブラスさんも可愛いね。









決して、油断をしたわけでは無い。
無い--------------------が、相手が子供だからと、ついうっかりしていた部分はあるかもしれない。
今後は気を付けなくてはなるまい。
ガブラスは素直に反省した。

「顔を見るなり押し倒すのが君の挨拶なのかね?」
「そんなわけないよ。誰彼構わずやったら犯罪でしょ。」

ヴァンは、声を上げて笑った。
無論ヴァンの言う通りである。
だが、ガブラスの同意を得ずに飛び掛かって来るのは、犯罪では無いのだろうか。
ここが帝国であったなら、ジャッジマスターたるガブラスの一存で逮捕でも投獄でも何でも出来るが、生憎ガブラスが現在いるのはダルマスカで。

取り敢えず、ガブラスはヴァンを退かそうとした。
しかし小賢しい事に、この無邪気な少年は学習能力を無駄に発揮して、最近は中々脱出が出来なくなってきていた。

「ヴァン?退きなさい。」
「やーだよー。」

優しく言ったのが裏目に出たのだろうか。
殊更他人を馬鹿にする様な口調で返された。
それしきで一々頭に来たりはしないが、こう言う所を見ると、矢張りまだ子供だなと思う。
--------------互いの体勢に疑問を抱かなければ、の話ではあるが。

結局ガブラスは溜息を吐いて、目を瞑った。
本音を言えば手で顔を覆いたかったが、肘の関節を押さえられてしまっている為、動かせなかった。
生まれて三十六年。
それなりに人生経験は積んで来たつもりであったが、まさかこの歳になって遥か年下の子供に押し倒される日が来ようとは、想像もしていなかった。
----------------普通、想像しないだろう。

ガブラスは一瞬己の常識を疑ったが、矢張りどう考えても自分が間違っているとは思えなかった。
それとも、何者にも代えがたいほど本気で誰かを好きになったとしたら、ヴァンの様に、全身全霊を込めて己の気持ちを押し通したいと思う様になるのだろうか---------------
生憎、そこまで誰かに惚れ込んだ事の無い自分に、その答えはわからない。

まあ、現実逃避をしていても何の解決にもなるまい。
ガブラスは、矢張り少年を退かす事にした。

「ヴァン。」
「あのさ、あんた、今度いつ休み?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

全く、何がそんなに楽しいと言うのだろうか。
ヴァンは、如何にもわくわくした眼差しで、ガブラスの返答を待った。

「そんな事を聞きたくて、私を押さえ付けているのかね?」
「だってあんた、すぐどっか行っちゃうじゃん。ずっとつかまえてないとさ、いなくなっちゃうじゃん。」
「私は」
「兄さんみたいにさ?ある日突然会えなくなったらさ、・・・・・・・さみしいじゃん。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

だからこうやってつかまえてんの。
無邪気な少年は、そう言葉を締めて、無理に笑った。
そう言う事か。
ガブラスは、溜息を吐いた。

「--------------ヴァン、退かなくて良いから、もう少し下にずれてくれないか?」
「?この辺?」
「ああ。」

言われるまま、ヴァンがガブラスの腿の辺りまで下がると、ガブラスは腹筋を使って起き上がった。
ヴァンの背を抱えて、互いの体勢を維持する。

「!?」

目を丸くしているヴァンの額に、ガブラスが己の額を当てると、ヴァンは目を細めた。
額が熱く感じるのは、ヴァンの体温が高いせいだろうか?それとも己が低いのだろうか。

「私はどこにも行ったりはしないよ。」
「兄さんもそう言ってた。すぐに戻るって。」
「無論私も軍人だからな。危険を伴う任務もある。だが、ジャッジだったからこそダルマスカに関われた。」
「そうだけどさ、でもさ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

ヴァンは口を尖らせた。
その仕草が尚更子供じみて見えて、ガブラスは自嘲した。
貴重な休憩時間に、一体己は何をやっているのだろうか。

その時だった。
ふ、と唇に何かが触れて、ガブラスは我に返った。
真っ先に視界に入ったのは、小首を傾げたヴァンの顔だった。
何故目を伏せているのだろうと疑問に思って、今度は唇に鋭い痛みが走って、ガブラスは眉を寄せた。
噛まれたのだと気付いた時には、舌がガブラスの歯列を割っていた。

「ッ、ヴァ--------------------!?」

口が閉じれなければ、まともに喋る事も出来ない。
押し退けようとヴァンの背から手を放した瞬間、ヴァンは体重を掛けて来た。
何とか堪えようとはしたが、結局二人分の体重は支え切れず、仰向けに倒れたガブラスは、頭を床に強かに打った。
鈍い音と共に後頭部が痛んだが、それどころではない。人生の一大事である。
喋るどころか息すらまともに出来なくて、苦しさに涙が浮かぶ。

何とか顔を背ける事が出来たガブラスは、必死で息を整えた。
と、腹が外気に当たった後、ほんのりと熱を感じだ。
次は何だと見てみれば、今度はガブラスの上着を捲ったヴァンが、腹に触れている。
一斉に開いた全身の毛穴が、怖気に依るものなのか、嫌悪感故なのか、それとも別のものなのか、混乱を来たした脳では最早判別が付かず、それでも己の身に何が起きているのか、これから何が起ころうとしているのかだけは判った。

「ヴァン!止めなさい!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

耳元で怒鳴られたのだから相当にうるさいだろうに、ヴァンに気付いた様子は無かった。
目が、正気を失っている。
退けようとしたが、ざわざわと、擽ったい様な、腰から背筋を這い上がる独特の感覚に、思う様に力が入らない。
ガブラスは必死で考えた。
纏まらない思考回路の中で、最善策を見出そうとしたが、時間を掛けている余裕も無い。

まだまだ、子供だと思っていた。
無邪気な笑顔に、悪意の無い、奔放な性格。素直で、我儘で、それでも憎めないのは、子供だからだ。
そう、思い込んでいた。
しかし、ヴァンは十七歳なのだ。
ガブラスが十七歳だった時、故国が滅び、ガブラスは病身の母と共にアルケイディア帝国へ逃れた。
時代が違うと言われればそれまでだが、必要に迫られれば、それだけの事が出来る歳なのだ。
実際にヴァンは、幼馴染と共に、親の無い幼子達の面倒を見ながら暮らしている。
最早、”子供”と言う単語だけで括れる歳では無い。

意を決したガブラスは、ヴァンを押し退けようと足掻いていた手を離し、逆にヴァンを抱き込んだ。
腕でヴァンの視界を隠し、ヴァンの耳が己の心臓の辺りに当たる様にして、急いで息を整えたガブラスは、ヴァンの髪に顔を埋めた。

「ヴァン。私は君を不安にさせていたのだね。気が付いてやれなくて済まなかった。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「君は懸命に私に伝えようとしていたのに、私は向き合おうともしなかった。怖い思いをさせてしまった。」

ゆっくりと、染み込ませる様に、喋った。
肩や首筋を撫でる手は矢張り擽ったく、腰の辺りを疼かせたが、それでもガブラスは、平静を装って話しかけた。

忘れた振りをしていた。
強がって、仕事を詰め込んで、兄を恨んで、無かった事にしていた。
家族-----------------大切な存在を失った時の喪失感や哀しさは、ガブラスも痛いほど思い知っているのに。

「済まなかった。謝って許される話では無い。だが、どうか、君は君らしく在って欲しい。」

こんなのは、君じゃない。

ガブラスは、ヴァンを抱き締めた。
子供と言うほど幼くは無く、そして大人に数えられるほど成熟していない少年は、動きを止めた。

そして。

「--------------------ごめん、ガブラス。」
「良いんだ。君が謝る事は無い。」

くぐもった声は小さかったが、何故か久しぶりに聞いた気がして、ガブラスはヴァンの髪を丁寧に撫でた。


毎度のことながら、良い感じのタイトルが思い浮かばないので、花言葉から借りました。
クロッカスは、幾つか花言葉があるのですが、その中の、”私を信じて”と、”私を裏切らないで”、”切望”が今回の話に合っているかなー・・・・と大分適当に決めました。
後で良いのが思い浮かんだら変えます。いつもすみません。

ヴァン君は、ノリと勢いで生きているお年頃なので、暴走しても良いんじゃないかなー・・・とか適当に考えながら書いていたら、思いの外深刻な話になった上に大暴走して、収拾が付けられなくなって私がアワアワでした。
でも一番大変だったのは、ガブラスさんだったと思います。

うちのガブラスさんはまともにヴァンと向き合おうとはしていない事が気になっておりまして、いつまでもそれでは話が進まないし、ヴァンも可哀想なので、記念SSを機に、少々?進展して頂きました。
大人から見たら十七歳はまだ子供だけど、でも片手間にあしらって良い年齢ではないわけで。

ヴァン「じゃあ進展したって事で!」

ガブ「いや、それはそれ、これはこれだな。」

ヴァン「何で!?(((( ;゚Д゚))) 」

ガブ「簡単に正気を失う様ではまだまだ子供だ。」

ヴァン「ひどくない!?」

大人の矜持が中々外せないガブラスさん。

傲慢な恋PageTopガブスキー歴六年

Comment

Commentの投稿

 管理人だけに表示する

TrackBack

http://gamecomic.blog27.fc2.com/tb.php/2567-aab47430

プロフィール

高槻幽炎

Author:高槻幽炎
声フェチでオッサン好きのヘタレ。
ビバガブラスw

カレンダー

06 | 2019/07 | 08
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

カテゴリ
月別アーカイブ
最新トラックバック
最新コメント
最新記事
ブロとも申請フォーム
QRコード

QR

リンク
投票所
RSSリンクの表示
検索フォーム