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すきですきですきで好き<2>

ヴァン×ガブラス

ここで終わらせようかと思ったのですが、なんとなくもう少し続けようと思いました。
ヴァンは方向性がどうであれ、何事にも一生懸命な所が良いですね。

















ぱちりと目を開いて、ヴァンは呆けた。
寝転がっている自分に驚いて、ふかふかのベッドにも心当たりが無くて、壁にも天井も見た事のない柄で。
少しして、泣き疲れて寝てしまった事に思い至った。
それも立ったまま。

(ガブラス、呆れたよなあ・・・・・・・・。)

あれだけ子供扱いして欲しくないと言いながら、結局は幼子と大差ない有様だ。
情けないにもほどがある。

ふと脇を見ると、ガブラスがヴァンに背を向ける形で、ベッドに腰掛けていた。
俯いているが、寝ている様子は無い。
何か、読んでいる様だ。

ヴァンは、手を伸ばしてガブラスの上着の裾を掴んだ。
ぱたん、と音がして、ガブラスが読んでいたのが本だと分かる。

「起きたか?」
「うん。オレ、寝ちゃったんだ・・・。」
「突然倒れたから驚いた。」
「オレだって驚いたよ。まさか寝るなんて思わないもん。」

私のセリフだ。
そう言って、ガブラスはヴァンの方へ向いた。

「仕事は?」
「君が寝ている間に終わった。」
「オレ、そんなに寝てた?」
「一時間ほどではないかな。君が来た時点でもう終わる間際だったんだ。」

言いながら、ガブラスは寝乱れたヴァンの髪を軽く整えてくれた。
ヴァンは真っ直ぐにガブラスを見上げているのに、ガブラスはヴァンを見ようとはしない。

「オレさ、やっぱりあんたが好きなんだよ。」
「もっと世間を知った方が良い。君の世界は狭すぎる。」
「だから空賊になりたいって言ったら反対したじゃん。」
「反対はしていない。どの国に於いても空賊は犯罪者だと言ったんだ。」

所詮賊は賊だと、ガブラスは言った。
その言い草があまりに冷たくて、ヴァンは口を尖らせた。

「目が覚めたのなら帰りなさい。」
「やだ。」

即答をしたら目を眇められた。
特大の溜息と共に、どこかへ行こうとしたガブラスの手を掴むと、ガブラスは振り払おうとした。
しがみついて、全体重をかけて食い下がる。

「放しなさい。」
「やだ。」
「ヴァン。」
「やだ。やだ。やだ。何言われてもやだ。絶対やだ。」
「妙な所で頑固な子だな。」
「あんたに言われたくない。」

まだ寝惚けているのかもしれない。
放したらどこかに行ってしまいそうで、煙の様に消えてしまいそうで、ヴァンは怖かったのだ。
今なら傍に居てくれる。
ヴァンが放しさえしなければ、居てくれるのだ。

殺し殺される世界で生き抜いて来た手は、神経質そうで、綺麗な形をしていた。
到底、他人の血と命が染みついているとは思えない程に。
それでも、ヴァンはこの手が優しい事を知っていた。

「ヴァン。私は君の敵だ。」
「もう敵じゃない。」
「それでも、再び帝国がロザリア帝国と揉めれば、間違いなくダルマスカは戦場になる。私はまた君から大切なものを奪うかもしれない。今度は君自身を殺すかもしれない。」
「そんなことしない為の仲直りじゃないのかよ?」
「イヴァリースの長い歴史の中で、和解が覆された例が無かったでも言うのかね?」

幾ら君でもそれぐらいは分かるだろう。
ガブラスはそう言って、もう一度溜息を吐いた。
しかしヴァンは放さない。

「---------------ヴァン?」
「やだって言っただろ。」
「そうじゃない。」
「やだ。絶対やだ。」
「話を聞きなさい。」

困らせている。
分かっている。
そんな事、ヴァンにだって分かっている。
でも、今放したら、二度と近付けなくなる気がした。
そう思ったらまたひどく怖くなって、ヴァンは必死でしがみいた。

「なんだっていいよ。この先何が起きたって、どうなったって、オレにできる事は高が知れてる。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「でもさ、未来がどうなるか分からないから怖いなんて言ってたらさ、何もできないんだよ。オレだって父さんと母さんが死ぬなんて思ってなかった。兄さんまでいなくなるなんて考えもしなかった。ずっと家族四人で平和に暮らして行くんだって思ってた。でも実際はそんなこと無くて、それでもオレは生きてる。なんとかやってる。戦争は国同士がするもんだろ?あんたと敵対する事になったって、オレはあんたを好きになった事は後悔しない。絶対しない。自分の心に嘘ついて知らんぷりした方が絶対後で悔しいって。あんたは気のせいだって言うけどさ、オレが違うって思ったら違うんだよ。あんたは信じてくれないかもしれないけどさ-----------------オレはあんたにだったら殺されたって構わない。」

ガブラスは何度か口を挟もうとしたが、ヴァンは懸命に捲し立てた。
途中で話の腰を折られてしまったら、心も折れてしまいそうだった。
兎に角必死だった。
ガブラスが漸く喋ったのは、ヴァンの息が続かなくなって、黙るしかなくなってからだった。

「-----------君はそれが本気だと?」
「おうよ。いつだって本気だよ。あんたは信じないけどさ。」
「・・・・・・・信じるわけにはいかない。」

分かり切ってはいたが、それでも本人から改めて答えを突き付けられると、胸が締め付けられる様に痛んだ。
しかし怯んではいられない。
ヴァンの気持ちだって本物なのだ。
物事を深く考えるのが苦手なヴァンが悩んで考えて苦しんで、それでも変わらなかった結論なのだから。

「あんたの立場はわかってる。あんたが聞く耳持たないのも。だから、オレは食い下がる。あんたが諦めるまで。」
「私と根比べか?気の長い話だ。」
「だってあんたしかいないんだもん。あんた以外いないんだもん。」

ガブラスはまた溜息を吐いた。
溜息にも軽かったり重かったり多少の種類はあるが、今回は特大の溜息だった。
がっくりと項垂れてさえいる。

「だから世を知り、見識を広めなさいと言っているんだ。」
「知ってもあんたが一番良いに決まってる。」
「どうして断言できる?根拠を言え。」
「じゃあ何であんたは違うって言い切れるんだよ。それだって根拠は無いだろ?世間見たって世界渡り歩いたってあんた以上のヒュムはいないかもしれないじゃないか。」

その間に時間が経って、互いに歳を取ったり、今も前線に立つガブラスの身に何かあったら取り返しがつかないではないか。
水掛け論になるのは分かっていたが、ヴァンはもう嫌だったのだ。
聞いてもらえないのも、信じてもらえないのも。

また、涙が出そうになった。
泣いたら堂々巡りだと歯を食いしばって、こぼれ落ちそうな一粒を耐える。
必死なヴァンを余所に、ガブラスはやはり全然関係の無い方を向いたままだった。
向いたまま、空いている手で、ヴァンの頭を軽く何度か叩いた。

「全く、往生際の悪い事だ。」
「だって諦めたら終わりじゃん。」
「終わらせてしまえ。」
「絶対やだ。」

ガブラスが黙り込んだ。
きっと、呆れたに違いない。
ついでに諦めてはくれまいか。
ヴァンは食い下がった。

「じゃあさ、オレが世間知るまでで良いからさ、好きでいさせてよ。」
「交換条件のつもりか?私にメリットが無い。」
「ダルマスカの情報回す。」
「ダウンタウンの孤児風情が何の役に立つ?」
「ダウンタウンの孤児なめんなよ。王宮に忍び込んだ事だってあるんだぞ。ドラクロア研究所にも入ったし、バハムートも落とした。」
「---------そうだったな。結構な大罪だ。一度、逮捕しておいた方が後世の為やも知れん。」

尤も、今、ガブラスを捕まえているのはヴァンである。
だからガブラスは鼻で笑ったのだろう。
ヴァンも、なんだか可笑しくなって、声を上げて笑った。


ヴァンはアホの子(褒め言葉)ですが、世間の事は他の同年代の子らより良く知っているイメージです。
孤児が自力で生きて行くって、相当大変な事だと思うのです。
無論周囲の大人が手助けをしてくれたりもあるのでしょうが、自分も大変な時に他所の子に構っていられる余裕はあるかなあと思うと、やっぱり無理があるのではないかと。
まあフィクションに対して何をマジに考えているの、と突っ込まれるとぐうの音も出ないわけですが。

ガブにとって、ヴァンは純粋で一生懸命な子なので、時々出るダークな部分に戸惑っている間に押し倒されてアワアワする寸法です。
そして冷静沈着だと思っていたガブが慌てる様の意外性に萌えたヴァンが余計張り切る悪循環。

ガブ「いやいやいやいや。」

ヴァン「何で?何が?」

ガブ「世間を知っているのならば、尚更私に入れ込む理由が分からん。」

ヴァン「・・・・・・・・・・なんだろう、ギャップ萌え?」

ガブ「?」

ヴァン「そうやって分かんないだろ?そう言う所が可愛いんだよ、あんた。」

ガブ「(二周り近く年下に可愛いとか言われた・・・・・orz)」

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