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夢見るお年頃

ヴァン×ガブラス
一旦書いてみたら楽しいカプである事を知りました。

十年待ったらどうなるかな?











「見てろよ!十年後にはオレ、あんたより背ェ高くなってるから!」
「はいはい。頑張れよ。」

如何にも適当な返事にも挫けず、片手を腰に当てたヴァンは、コップに入ったナンナの乳を一気飲みした。
食事も魚中心のものに変え、意識して体を動かす様にもなった辺り、本気なのだろう。
だから、もしかしたら十年も経てば本当にガブラスを抜いているかもしれない。
それはそれで楽しみな様な、癪な様な、複雑な心持だった。

「・・・・・・・・・・・・・・・あれ?十年?」
「ん?」

空になったコップを景気良くテーブルに置いた所で、ヴァンが首を傾げた。
勢いでコップに残った雫がテーブルに飛び散って、苦笑いを浮かべたガブラスは拭き取る。
予想はしていたから布巾を既に持っていたのだ。

ヴァンはコップとガブラスを何度も見比べて、更に首を傾げた。
つられてガブラスも首を傾げる。

「あんた、十年したら幾つになるっけ?」
「四十六歳だな。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

問われるままに答えると、ヴァンが目を見開いたまま、止まった。
比喩でも何でもなく、本当に動きがぴたりと止まったのだ。
どこか壊れたのか----------------ガブラスは内心危惧した。
それぐらい、唐突の事だったのだ。

「よ・・・・・・・・四十六歳!?マジで!?」
「今年三十六歳だからな。」
「うわあマジだ!」

ヴァンは頭を抱えて悲鳴を上げた。
ガブラスは何事かと思った。

現在の年齢に十を加算するだけなのだから、計算自体は難しくあるまい。
お世辞にもヴァンの計算能力は高いとは思えないが、十七歳にもなれば、普通に生活しているだけでも身に付いているであろう知識である。

「四十六なんて、もうヨイヨイじゃんか!」
「まあ------------そうだな。流石に隠居しているかな・・・・・・隠居していたいな・・・・・・。」

最悪任務で命を落とす可能性もあるが、運良く生き残っていれば、隠居していて良い歳ではないだろうか。
公安総局でもギースが四十を越えているが、口を開けば老後の話ばかりだ。
流石に四十を過ぎると、激務はきついのかもしれない。

「なに落ち着いてるんだよ!?残ってなかったらどうするんだよ!?」

怒鳴られて、己の将来について考え込んでいたガブラスは、我に返った。

「残っていなかったら?何が?」
「性欲だよ!セ・イ・ヨ・ク!」
「-------------------------。」

今度はガブラスが止まった。
まず、聞き間違えかと思った。
次に、ヴァンが言葉の選択肢を誤ったのかと思った。
腰に手を当てて憤慨する幼稚な姿と、その口から放たれた言葉がどうにも噛み合わなくて、今度は新手の冗句なのではと思った。
--------------いずれにせよ、信じられなかった上に、ガブラスの頭が受け入れられなかった訳である。

「それじゃ幾ら身長追い越したって意味ないじゃん!」

抱えた頭を左右に振りながら、ヴァンは叫んだ。
どうやら本気であるらしい。
ガブラスは考えた。
必死で考えた。
平素の仕事でもここまで頭を使わないだろうと思うぐらい、フル回転させて考えた。
考えに考えて、考え抜いた末に口から出たのは-------------------実に間の抜けた言葉であった。

「君は------------------下世話な話になるが、君は、私と性行為をしたいと言う事かね?」
「何を今更!?」

物凄く驚かれた事に、ガブラスも大層驚いた。

「だから身長抜きたいって言ってるんだろ?あんたよりチビでガリじゃカッコがつかないじゃんよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それはつまり、君は私を抱きたいと思っていると言う解釈で合っているかね?」
「何を今更。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

真顔で答えられた。
つまり、ヴァンは、真面目に本気でガブラスと事に及びたいのだ。

ガブラスの顔から血の気が引いた。
ダウンタウンを走り回る子供等と大差ないと思っていた少年が、まるで別人に見えた。
思わずヴァンと距離を取る。
直後、己はとんでもない失敗をした事に気付いた。
敢えて離れた事で、ヴァンの中の何かに火を点けてしまった様だった。
にやりと笑った少年が、大股で近付いて来る。

「バカだなあ、あんた。」
「よ、寄るな。」
「だめだよ、そのセリフ。逆効果だぜ?」

ヴァンの口許に緩く浮かんだ笑みが、ガブラスの総身に鳥肌を立たせた。
近付いてはいけない。
近寄らせてはいけない。
それは、人生の半分以上に及ぶ軍人生活で身に付いた、本能だった。
他人よりも鋭いそれが、外れた事が未だ嘗て無いのである。

下がり続けた背が、壁に当たった。
それは、退路が無くなったと言う事だった。
ヴァンの笑みが、一層深くなる。
ガブラスは腹を括った。
こうなったら、ヴァンを気絶させてでもこの場を切り抜けるしかない。
親子ほども年の離れた子供に手を上げるのは正直気が乗らないが、背に腹は代えられまい。
ガブラスが密かに身構えた時--------------------

「局長!局長ォッ!」
「「!?」」

切羽詰まった様子の声に、ガブラスとヴァンは同時に出入り口のドアに目を向けた。
慌ただしくドアがノックされて、ガブラスがすぐさま応じると、息を乱した局員が駆けこんで来た。

「すぐ本国へお戻りください!一大事でございます!」
「どうした?」
「ラ----------------あっ、いえっ、それが--------------」

ヴァンの存在に気付いた局員が、開きかけた口を瞬時で閉じる。
余人に聞かせて良い内容では無いようだ。

「分かった。すぐに戻る。」
「宜しくお願いします!」
「なんだよ、あんた、今日休みじゃないのかよ!?」
「すまんな。仕事が入った。」
「はあ!?休みって仕事しない日だろ!?」

怒鳴る声を無視して、ガブラスは早歩きで先を行くジャッジを追った。
ヴァンの事も知っているジャッジは、心配げに振り返った。

「あの・・・・・・・・・・・・宜しいのですか?」
「構うな。次に会う時には元に戻っている。」

手短に応じて、ガブラスは部下と飛空艇発着場へ急いだ。


蛇足になりますが、ダルマスカでのお話です。
ガブが仕事でダルマスカに滞在中の、オフの日。
なので、飛空艇発着場はダルマスカ騎士団専用の発着場です・・・と言う設定。
どうにもヴァンが帝国まで遊びに行って---------と言う光景が思い浮かばないので、局長に来て頂きました。

ガブ「それで?一体何事だ?」

局員「それがですね・・・・・・・ラーサー様がヴェイン様と大喧嘩をなさいまして・・・・・・。」

ガブ「兄弟喧嘩とはお珍しいな。」

局員「いえ、ヴェイン様は大層お困りの御様子でして、兄弟喧嘩ともまた違う様な・・・・・・・。」

ガブ「・・・・・・・・・それで私にラーサー様の機嫌を取れと言う事か。」

局員「平たく言うとそう言う事だと思います。」

ガブ「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

早く隠居したい三十六歳。

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