FC2ブログ

ひとの感触

突然夜中に目が覚めた時に思い浮かんだネタを、奇跡的に朝まで覚えていたのです。

大樹×武人













邪念の権化として生まれた身は、人の在る限り、滅ぶ事は無い。
五百年の樹齢を持つ大木は、エクスデスに並外れた巨体を与えてくれた。
それらは強みだと思っていた。
しかし-----------------------


芝生の生い茂った庭に腰掛けたガブラスは、時折吹き抜ける風に目を細めた。
下がった眦は優しげなのに、僅かに寄っている眉根と、引き結ばれた口許がそれを帳消しにしている。
その容貌は、厳格な彼の性分をそのままに表しているが、エクスデスは嫌いではなかった。

「良い所だな。」
「そう----------------だろうか。」

張りのある声は、それでも優しくて、彼の機嫌が良い事を教えてくれた。
エクスデスは、見慣れた景色をゆっくりと見回す。
芝生の緑と空の青。そして、城。それだけの、何の面白味も無い風景だ。

エクスデスは手を伸ばしかけて、暫し動きを止めた末に引っ込めた。
柔らかな大麦色の髪に、触れてみたいと思った。
しかし、頭を潰してしまう気がして、触れるのが怖くなった。
鎧や兜を纏っていれば、まだ平気だったかもしれぬ。
だが、今日のガブラスはインナーのみの軽装で、どこに触れても壊してしまいそうで。

無論職業軍人として常日頃から鍛錬を怠らぬガブラスの事であるから、そこまで軟(やわ)では無いとは思う。
それでも。
エクスデスにしてみれば、人間と言う生き物は、人間だと言うだけで脆弱なのだ。

「・・・・・・・・・・・・・・・・鎧はどうした?」
「修理中だ。戦えぬ時に気張っても仕方がないからな。骨休めに来た。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうか。」

そう言って、ガブラスはごろりと寝転んだ。
すぐ足下に頭が来て、エクスデスは見下ろす。
コスモスの小僧共が寝転ぶと、芝生を潰されたと腹立たしく思うのに、不思議とガブラスには何も感じなかった。
寧ろ、芝生の明るい緑色に濃い金の髪色が映えて、美しいとすら思った。

「邪魔か?」
「いや。気が済むまで居れば良い。」

即答した。
エクスデスの居城は、彼が休める場所なのだ。
それは、この限られた世界の中では貴重に違いない。そう思った。
ならば、それを守ろうと。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ガブラス。」
「何だ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

話しかけると、ガブラスはエクスデスを見上げた。
矢張り、触れてみたいと思った。
しかし。
己から声を掛けたのに、エクスデスはそれきり何も言えず、ただ、ガブラスを見下ろした。

「どうした?」

ガブラスが、問う。
エクスデスを見上げる眼差しが、優しい。
だからこそ、壊してしまった時の事を考えると恐ろしい。
でも。
-------------------触れてみたいのだ。

「・・・・・・・・・・・・・・・・私が触れたら、お主は壊れてしまうだろうか?」
「何?」

ガブラスは、驚いた様だった。
それは余りに馬鹿らしい問いに対してなのか、それともエクスデスが下らぬ事で真剣に悩んでいる事に対してなのかは分からない。
だが、やがて小さく笑んだガブラスは、エクスデスに向かって手を伸ばした。
背を少し浮かせるほど伸ばして、エクスデスの手を掴む。
そして、ゆっくりと引っ張った。
エクスデスは、少しずつ身を屈める。
それは樹木を本質とするエクスデスには難儀な事ではあったが、不思議と、折れてしまう事への危惧も、苦しくも無かった。

引っ張られるまま、エクスデスの手が、ガブラスの頬に触れた。
掌を、ほんのりと温かい熱が拡がってゆく。

「ほら、壊れんよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・ああ。壊れていない。」

エクスデスは、頬から手を移動し、念願の髪の毛に触れてみた。
濃い色のそれは思っていたよりは硬かったが、それでも心地良い手触りで、エクスデスは暫く無心で触った。
くすぐったいのか、ガブラスは目を細めていた。

「まるで割れ物になった気分だ。」
「?」
「何が楽しいんだ?」
「・・・・・・・・・・・・・分からん。」

何が、と問われても、エクスデスには答えられない。
しかし、満たされた気分だった。

気が済んだエクスデスは、手を引いた。
体を起こそうとして、初めて動けない事に気が付いた。

「今度はどうした?」
「・・・・・・・・・・・・・・起きれぬ。」
「何だと?」

ガブラスが飛び起きた。
髪の毛に抜けた芝生の葉が付いていたが、そんな事に構わず、すぐさま立ち上がった。
抱きついて来たと思ったのはエクスデスの勘違いで、ガブラスは腰の後ろと胸に手を当てて、ゆっくり力を込めた。
起こそうとしてくれているのだ。

「これで戻れそうか?」
「分からん。」

そもそも、ここまで身を屈めた事自体無かったのだ。
軽く前傾姿勢になれる事は分かっていたが、物事には限度と言う物がある様だ。

少しずつではあるが、幸いにも体勢は元に戻った。
普段と変わらぬ姿勢に直って、二人揃って安堵の息を吐く。

「すまん。俺が要らぬ事をしたからだ。」
「お主のせいではない。私が望んだのだ。」

俯いたガブラスの頬に、今度は自分から触れてみた。
それは先程と変わらずに温かく、エクスデスは、いつまでも触れていたいと思った。


大樹さんは元から魔物なので、人間は脆弱ですぐに死ぬ生き物としか知らないと思うのです。
書きながら、木だから火器厳禁だねーと思ったのは内緒です。
そこから派生して、秩序の5&9&10(DFF前提。DdFFなら10と12が入れ替わって、8の銃士参入)が次元城でバーベキュー(もしくはキャンプファイヤー)やろうとして大樹にすっごく怒られて、秩序1&4が菓子折り持って謝りに行ったりとか楽しそうな想像もしました。

この話を書く上で、大樹さんはどこまで体を曲げられるんだろう?と一応検証してみる事にしまして。
敗北シーンが多分一番曲げているだろうと踏んで、久しぶりにDdFF出しましたとも。ええ。
結論→意外と曲がってた。

大樹「人とは柔らかい生き物なのだな。」

武人「男より女の方が柔らかいな。」

大樹「・・・・・・・・・・・触った瞬間に破裂するとか?」

武人「いや、流石にそこまでは・・・・・・・うーん、触れてみれば良いとも気安く言えんしなあ・・・・・・。」

書いて気付いたけど、この二人の会話はツッコミ不在でした。

すきですきですきで好き<1>PageTop結構違った。

Comment

Commentの投稿

 管理人だけに表示する

TrackBack

http://gamecomic.blog27.fc2.com/tb.php/2548-4ee39056

プロフィール

高槻幽炎

Author:高槻幽炎
声フェチでオッサン好きのヘタレ。
ビバガブラスw

カレンダー

10 | 2019/11 | 12
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリ
月別アーカイブ
最新トラックバック
最新コメント
最新記事
ブロとも申請フォーム
QRコード

QR

リンク
投票所
RSSリンクの表示
検索フォーム