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油断

五周年記念リクエストにお応えしまして。
ヴァン×ガブラスです。
景様、大変お待たせいたしました!

尚、当SSはリクエスト作品ですので、誠に勝手ながらリクエストされました御本人様以外のお持ち帰りは禁止させて頂きます。




















ガブラスは困惑していた。
途方に暮れてもいた。
己の事なのにどうしたら良いか分からず、どうする事も出来ず、結局、為す術無くソファに寝転がっているしかない。
最悪である。
相手に殺意があったなら、既に胸の一つでも刺されているだろう。

(---------------否。殺意があれば、まだ対応のしようがあるか。)

殺し返せば良いのだ。殺される前に。
しかし、相手が殺意も悪意も抱いていないからこそ、ガブラスは困っているのだった。
そして結局、ガブラスは溜息を吐いた。

「あ、ほらまた。」
「何だ。」
「そうやってすぐ溜息吐いてごまかす。あんたの悪い癖だぜ?」

それはすまんな。
ガブラスは力なく応じた。
腹の上に陣取ったヴァンは、何故か腕組みをして踏ん反り返っていた。


ガブラスがバッシュの部屋でうたた寝をしたのは、今日がオフで、うとうとしていた時はバッシュが居て、誰か来ても精々がアズラスぐらいだろうと高を括っていたからだ。
日頃の激務に疲れていたのもあって、ソファに寄り掛かったらすぐに眠気が差したのは、覚えている。
苦笑したバッシュが、ブランケットを掛けてくれたのも辛うじて記憶に残っていて、しかし何者かの気配を感じて目が覚めた時にはもう遅かった。
寝惚けた視界には、覗き込んで来るヴァンの顔があった。
反射的に飛び起きた拍子に互いの額がぶつかって、二人仲良く悶絶したが、先に立ち直ったのはヴァンだった。
改めて起き上がる前に、ヴァンは身軽に乗って来た。

「スエゼン食わぬは男のハジって言ってた。」
「---------------誰が?」
「父さん。母さんにお玉で殴られてたけど。」
「君の両親は既に他界していると言っていなかったかね?」
「ずいぶん前だよ。オレが小さい頃の話。」

それは妻に殴られても仕方が無いかもしれない。
幼い子供に教えて良い言葉では無い。

「バルフレアも言ってたし、有名な言葉なんだな。」
「有名-----------ではあるのだろうな。それで?意味は分かって使っているのか?」
「バルフレアはチャンスは生かせって意味だって言ってた。」
「-----------------。」

あの空賊めが。
ガブラスは、心の中で女好きの空賊を殴り飛ばした。
今度会ったら実際殴ってやりたい所である。

「だから、チャンスだと思うんだ、オレ。」
「-----------この体勢がか?」
「うん。あんた普段は全然スキがないしさ、なんか怖いから近寄るのもおっかなびっくりなんだけどな。」

今日は怖くない。
そう言って、気ままな少年は、にへらと相好を崩した。
うっかり一瞬和んでしまったが、未だ嘗て彼に気構えられていたとは思いもしなかったガブラスとしては、知らぬうちに怖い思いをさせていたのかと、些か不憫には感じた。
が、しかし。それはそれ、これはこれだろう。
緊張感が無いからと言ってマウントを許した覚えはないし、二十年近くも歳の離れた子供に好き勝手をさせるのも、”大人”としての矜持が許さない。
依って、ガブラスはヴァンを退かす事にした。

仰向けだった体を横倒しにしようとした途端、バランスを崩したヴァンはガブラスの肩に掴まって体勢を整えた。
ガブラスはと言うと、上から体重を乗せられて、一瞬変わった体の向きがまた仰向けに戻っただけだ。

「こら。退きなさい。」
「やだ。」

即答である。
重いとか、多少苦しいのも手伝って、ガブラスは腹の底から溜め息を吐いた。

「そんなに吐いたら体中の空気がなくなっちゃうな。」
「そう思うのならば退いてくれないかね?」
「ヤだ。オレ、このままがいい。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

何が悲しくて男に跨がれなくてはならないのか。
考えたら本当に悲しくなって、ついでに虚しくなったガブラスは、ヴァンごとソファから落ちる事にした。
すぐ脇にあるローテーブルにぶつかるだろうが、固定されているわけでは無いから、まさか壊したり怪我をしたりはするまい。

ガブラスは、楽しげなヴァンを見上げながら、行動に移る事にした。
片足を座面から降ろして、ソファに沿わせる。
次に、ソファの側面でその足を支えるのと同時に、力一杯上半身を捻った。

「わわっ!?」

あー。
間の抜けた声と共に、ヴァンは落ちた。
上手い具合にずれたローテーブルとソファの間に嵌まって、怪我はしなかった様だ。

今度は、ガブラスがヴァンの上に乗った。

「形勢逆転だな?」
「-----------そんなコトないもん。」
「!」

不満げに口を尖らせたヴァンは、両手足でガブラスに抱き着いて来た。
流石に上半身だけでは大人と大差無い体重は支えきれず、ガブラスはヴァンを潰す破目になった。

「ヴァン。良い加減に」
「ちぇーっ。やっぱジャッジマスターだよなあ。不意討ちでも勝てないんだもんなあ・・・。」

ガブラスの言葉を遮って、ヴァンはガブラスの肩口に顔を埋めたまま、ぽつりと呟いた。

素人の中では、ヴァンも強い部類に入るだろう。
聞けばライセンスをコンプリートしているそうだし、仲間が居たとはいえ、バハムートを陥としたのも伊達ではあるまい。
しかしガブラスの様な玄人と比べると、やはり素人の域は出ないのである。

それきりヴァンは黙り込んで、しがみつかれたままの時間が暫し流れた。
ガブラスが床に腕を置くと、ヴァンは力を緩めてくれて、少しだけ上半身を起こしたガブラスは、色素の薄い癖毛を撫でてやった。

ヴァンが生まれた頃、ガブラスは既に帝国でアカデミーに在籍していた。
その以前から------------祖国が滅亡する前から軍人としての教育は受けていて、ガブラスが剣を手に生きてきた時間は、ヴァンの生まれてから現在に至る人生そのものよりも長いのだ。
踏んで来た場数も、そして潜り抜けて来た死線の数も、互いの間には埋め難い差があって、それは余りに開きがありすぎて、これから先も埋まる事は無いだろうと思うと、ヴァンが悔しく思う気持ちも分かった。
どんなに乞い願っても、届かぬものはあるのだ。

「・・・・・・・・ガブラス、どいてくれる?」
「ああ。」

気落ちした声に応じて、ガブラスは身を起こした。
ヴァンは腹筋だけで起き上がって、そのままの勢いで、丁度立ち上がろうとしていたガブラスに飛び付いて来た。

「!?」
「あんた、強いのかチョロいのか良くわかんないなあ。」

中途半端な姿勢が災いした。
またしても、ガブラスはヴァンの下敷きになっていた。
良く分からないのは、ガブラスの方である。
天真爛漫と思いきや、小賢しい真似もしてくる。
恐らく、本人は深く考えていないのだろう。
場当たり的な勢いで、思い付いた事を行動に移しているだけなのかもしれない。
---------------だからこそ、先が読み難いのだ。

「これなら逃げられないよな?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

再びマウントポジションを取ったヴァンの、得意満面な顔が腹立たしかった。
先程利用させてもらったソファは二人の足下にあり、今、ガブラスの周囲にあるのは絨毯の敷かれた床だけだ。

ヴァンは、鼻歌交じりにガブラスの上着のボタンを外し始めた。
それが何を意図しての事なのか、気付いたガブラスが慌てる。

「何をしている。止しなさい。」
「チャンスは活かせってバルフレアが言ってた。これ、チャンスだよな?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

何故か爽やかに言われて、ガブラスは引き攣った。
真っ向から聞かれても、ガブラスには答え様がない。

きっちり留めていたのが幸いしたのか、ヴァンはボタンを外すのに苦心している様だった。
それでも二つ目のボタンが外されてしまい、ガブラスは焦る。
ブリッジをしてヴァンを落とすか。
漸く思い付いた脱出法を試みるべく、ガブラスが逆手で床に手を突いた時だった。

「何やってんだお前ら?」
「「!?」」

思わぬ方向から、声がかかった。
ほぼ同時に気の抜けた声の方へ顔を向けると、丸めた紙束で肩を軽く叩いているアズラスが居た。

「格闘ごっこか?お前も休みなのに大変だな。」

どうやらアズラスの目には、ガブラスが子守をしている様に見えたらしい。

「なんで今入ってくるわけ!?いいトコだったのに!」
「はあ?」

ヴァンが怒鳴った。
アズラスに気を取られている隙に、ガブラスは急いでヴァンの下から抜け出て、服装を整える。
それを目を剥いて睨み付けたヴァンを無視して、素知らぬ顔をしたガブラスは、茶器をしまってある棚に向かった。
兎に角、ヴァンと距離を取りたかった。

「やっと休憩時間なんだ。アーシェ様が中々見つからなくてよ。あの方は何だってあんなに隠れるのが上手いんだろうな。」
「それは御苦労な事だ。茶でも飲んで行け。」
「おう。実はそれが目当てで来た。」

快活に笑ったアズラスを横目に、ガブラスは湯を沸かす。
不機嫌も極みに達したヴァンの事は、気にしない事にした。
それでも帰らない辺り、茶は飲んで行く様だ。

「おい小僧、ソファの周り、片付けろよ。テーブルが向き変わってるぞ。」
「なんでオレが!」
「散らかしたのはお前だろうが。」

茶が入る前にやれとアズラスが言うと、ヴァンはわざと大きな足音を立てながら歩いて、ローテーブルを掴んだ。
不服でも言う事を聞く辺りはやはり子供で、ガブラスは妙に可笑しくなって、二人に背を向けて笑った。


やはり二十近く歳が離れていると、ガブラスさんもタジタジの模様。
まあ、ちょっと早めに子供が出来ていれば、ヴァンぐらいの歳の子が居てもおかしくないですからね。
ヒュムの平均寿命を考えたら、普通に結婚して子供がいる歳なのかもしれないですし。十九歳は。

実はアズラスさんにはヴァンとガブの間で何があったのかバレていて、後でガブは嫌なら情けも容赦もするなと怒られました。
ヴァンは言っても聞かないから、ガブがどうにかするしかないだろと言う冷静な判断です。
ヴァンが嫌いでも嫌なわけでもないけれど、親子ほど年の離れた子供に好き勝手されるのも受け入れ難くて悩む36歳。
溜息吐きまくり。

・・・・・・と言う微妙な距離感の話になりましたが、如何でしたでしょうか?
お気に召されません様でしたら書き直しますので、何なりとお申し付け下さい。


バル「詰めが甘いな。」

ヴァン「がんばったんだけどなあ。」

バル「そう言う時はだな?要らん事喋ってないで、ノリと勢いと雰囲気に任せて一気にい-------ってェ!!」

ガブ「貴様は子供に何を入れ知恵しとるんだ。」

バル「だからっていきなり拳骨は無いだろうよ!?」

ガブ「シドの眼前に突き出すぞ。」

バル「あ、それは勘弁してくれ。」

ヴァン「オレ、子供じゃないよ?」

ガブ「大人の庇護無しに生きて行ける様になるまでは子供だ。」

バル「あんたそんなマジツッコミしなくても・・・・」

ガブ「シド。」

バル「俺帰るわ。じゃあな、ヴァン。」

ヴァン「えーっ!?もっと教えてくれよー!・・・・あーあ、行っちゃった・・・。」

ガブ「お前も何でもかんでも真に受けるな。」

ヴァン「オレ、もっと勉強して上手くやれる様になるから!」

ガブ「・・・・・・・・・何をどう上手くやれる様になる気なんだ?私の話を聞いていたか?」

ヴァン「オレだって男だもん!がんばる!」

ガブ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

仕分けたのと、ヴァンガブ話他&ワンシーンSS。PageTop負けず嫌い

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