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絶対の守護者<5>

ベルガ×ガブラス

すごくすごく今更なのですが、時系列はバハムート戦後の捏造大爆発です・・・・・・・。
バハムート戦後ばかり書いて来たので、自分の中でそれが当たり前になっていて注意書き忘れてたです・・・・・・・。











いまだかつて、今日ほど兜の存在をありがたいと思った日は無かっただろう。
ベルガは、誰も居ない廊下の片隅で漸く兜を脱いで、手で顔を煽いだ。
窓硝子に薄く映る己の野卑な顔は耳まで赤く、軽く溜息を吐いたベルガは、結局窓を開けた。

九局の局員達に、ガブラスが今日はもう戻れないと伝える時が一番危険だった。
予想通り事の次第を次々問われ(まるで詰問だった)、疑いの眼差しに晒され(全く信用されていない事が良く分かった)、
それでも何度も繰り返し繰り返し同じ言葉を重ねて続けて、漸く納得をしてもらった。
矢張り、局員達もガブラスの復帰は早すぎると感じていた様だ。
ガブラスを頂点とした九局の団結力を羨むべきか、それとも余りの過保護ぶりを危惧すべきなのか、生憎ベルガには分からなかった。


ガブラスが復帰したのは、それから五日ほど経ってからだった。
朝の局長会議で久し振りに姿を見て、つい脚を見つめてしまったベルガに、ガブラスは小さく頷いた。
その後じろりと睨まれたのは、休養が長引いた最終的な責任は、ベルガにあると言う事だろう。
後で謝ろう。
ベルガは素直にそう思った。


ベルガは、更に一週間待ってから、ガブラスを組手に誘った。
本当はもっと早く誘いたかったが、全快した事を確認したかったのだ。
廊下でギースと立ち話をしていたガブラスは、ベルガの誘いにすぐに頷いてくれた。

「良し。やっとか。誰とやっても手応えが無くてつまらないんだ。」
「お前、局員壊すなよ?只でさえ足りないのだからな。」
「失礼な。壊していない。」
「どうだか。お前と組手をやった奴は軒並み傷だらけだろうが。」
「それはあいつらが弱すぎるんだ。」
「おい、聞いたかガブラス。これだけ自己中心的で良くジャッジマスターが勤まるものだとは思わんか?」
「卿に言われたくは無い。」

ギースとの軽口の応酬に、ガブラスが少しだけ笑った。
ギースが目を丸くする。
ベルガも相当驚いた。
平素の切れ者且つ堅物な印象からは、おおよそ想像も付かない様な、優しい表情だった。
こんな顔も出来るのか------------
ベルガが密かに感心していると、真面目な顔になったギースが、ガブラスに向き直った。

「ガブラス。」
「?」
「その顔のままアカデミー行って愛想振り撒いて来い。今なら入局志願者が増える気がする。」
「ブッ・・・・・・・・!」

表情を崩さないギースに、ベルガは思わず吹いた。
確かに先の掃討作戦でジャッジの数が大分減ってしまった今、公安総局は死ぬほど忙しい。
過日のガブラスが無理を押して復帰を早めたのは、そんな背景があったからだ。
(結局無理が祟ったりなんだりで余計寝込む破目になったが)

「顔?」
「馬鹿。真顔に戻るな。」
「?何の話だ?」

ガブラスは、ベルガに向かって不思議そうに首を傾げた。
ベルガは本気で分かっていないガブラスと、大人気なく口を尖らせたギースに、声を上げて笑った。


ガブラスと組手をするのは、最早何度目か数える事すら止めていた。
それぐらい挑み続けて来た。
別に、何か変わったわけではない。
突然ベルガが強くなったわけでも、ガブラスが弱体化したわけでもないだろう。
事実、ガブラスの立ち回りは見事だったし、渾身の一撃をいとも容易く避けられて、面白くない思いもした。
しかし、今日のベルガは、ジャッジ最強の男と対等に渡り合っていた。
信じられないが、ガブラスに手を抜いている様子も無い。
思い切り体を動かせる事が楽しくて、徐々にガブラスを追い詰めている手応えが嬉しくて------------------


目を覚ますと、心配げなガブラスの顔が視界に入った。
起き上がろうとしたが、傍らに片膝立ちで座るガブラスに肩を軽く押さえられたので、素直に諦めた。
少し経つと、次で決めると仕掛けた時に、顎に掌底を食らったのを思い出した。
そのまま失神した様だ。

「倒れた時に頭を打っている。まだ動かない方が良い。」
「頭より顎の方が痛いんだがな。」
「---------すまなかった。手を抜く余裕が無かった。」
「それはつまり普段は手加減をしていると言う事か?」
「そうではない。危うく首を折ったかと・・・・・・・。」

ガブラスは目を伏せた。
どうやら気を失っている間に相当心配をかけた様だ。
頭を打ったのでは揺り起す事も出来ず、気を揉んだのだろう。

「そんな殊勝な面も出来るのか。」
「?なんだ?」

ぼそりと呟いた言葉は、ガブラスには聞こえなかったらしい。
小さく首を傾げたガブラスに、下らない悪戯心が沸いた。
もう一度、限り無く小さな声で、意味の無い言葉を呟く。
矢張り聞き取れなかったガブラスが、予想通りベルガの口許に耳を寄せてきたから、無防備な頬に、わざと音を鳴らしてキスをしてやった。
ガブラスは半端な姿勢のまま、固まった。
ざまを見ろ。
ベルガは内心ほくそ笑んだ。
結局勝てはしなかったが、不意を衝けた事でベルガの自尊心は満たされた。

「・・・・・・・・頭を冷やした方が良い様だな?」
「おっ、おい、ブリザドは勘弁してくれ。」

おもむろにガブラスの周囲を取り巻き始めた冷気に、ベルガは慌てた。
この優秀なジャッジマスター殿は、初級魔法ぐらいなら詠唱しなくても発動させてしまうのだ。
焦りながら、まるで今のやり取りが寸劇の様だと思ったら可笑しくて、ベルガは吹き出した。
意表を突かれたのか、ガブラスが小さく首を傾げる。

「ああでも久しぶりに楽しかった。」
「楽しかった?」

不思議そうに聞いて来たガブラスに、ベルガは頷いた。
有り難い事に、突き刺す様な冷気は消えてくれた。
密かに安堵したベルガは、笑みを残したまま、起き上がったガブラスの頬に手を当てた。

今まで、ガブラスに勝つ事が全てだった。
単なる意地だったのが、いつしか矜持に関わる問題になって、やがて勝たなければ生きている価値は無いのだと思い込む様になった。
勝てなければ、死ぬしかないのだと。
今思えば強迫観念に駆られていたのだ。
それは人造破魔石に手を出す事すら躊躇わせず、その結果、ベルガが手に入れたのは力を使い果たした人造破魔石の脱け殻と、その周囲の爛れた肌だけだった。
結局、ガブラスに勝てはしなかったのだ。
笑う他無いだろう。
命まで賭けて、この様である。

しかし今この時。
爽快な目覚めを得た様な気分だった。
矢張り負けたのは悔しいし、次こそ勝ちたい気持ちは変わらずにある。
傍らのガブラスを、ベルガは見上げた。

「おい。勝ち逃げするなよ?」
「その前に、卿も死ぬなよ。」
「死なんよ。それにな、卿は止めろって言っただろう?」

ガブラスの頭を抱え込む様に、もう一度キスをする。
ガブラスは困った様に笑って、ベルガの背を軽く叩いてくれた。


本物?のベルガさんの人となりが良く分からないので、勝手に自分で作り出してしまった感が否めませんが、どうやらギースの相方(漫才的な意味で)と言う事で落ち着いた感じがします。
良くも悪くもダンスィ(典型的な小学生男子と聞いてイメージされる様な男子と言う解釈で合っているのか・・・)タイプ。

後日談みたいなものを書こうかと思ったのですが、キリが無さそうなので一旦終わりにします。
気が向いたら何か書くです。

ベル「さーさっさとシャワー浴びるぞー。」

ガブ「ああ。疲れたから早く寝たい。」

ベル「何言っているんだ?寝かせないぞ?」

ガブ「え?」

ベル「完治したんだろ?」

ガブ「え?・・・・・ああ、酒か。何かつまむものはあったかな・・・」

ベル「違うっつの。お前、明日は夜勤だろ?つまり昼間は暇なわけだ。良かったな。少々夜更かしをしても差し支えないじゃないか。」

ガブ「・・・・・・・・・・・!暇じゃ無い。忙しい。無理だ。」

ベル「大丈夫大丈夫。お前が頑丈なのは知ってるから。」

ガブ「大丈夫じゃない。掴むな。放せ。」

ベル「大丈夫だって。」

ガブ「大丈夫じゃないと言っただろう。放せ。おい、放せよ。」

そしてフェードアウト。


車替えたったPageTop攫いたい話の続き

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