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虜囚<3>+

虜囚の零れ話。
猛者→武人。













「なっ------------------ガブラス!何をしている!」
「ああ、お帰り。」

思わずガーランドが怒鳴ったのにも関わらず、ガブラスは平然と応じて歩いて来た。
どうやら神殿内の散策をしていた様だ。
ガーランドは些か拍子抜けをして、それでも渋面を作って(兜越しであるから、ガブラスが分かるかどうか、甚だ疑問ではあるが)同志が目の前に到達するのを待った。

「休んでいろと言った筈だぞ。」
「今日は気分が良いんだ。」
「わしの話を聞け!」

ガーランドはもう一度怒鳴った。
ガブラスは面白く無さそうに口を引き結ぶ。
そんな、死人に毛が生えた程度の顔色で、何の調子が良いと言うのだ。

ガブラスが、漸く起きられるようになったのは、ほんの数日前だった。
カオスの厳命を受けて皇帝の居城からガブラスを救い出したのはそれから更に何日も前で、その時、ガーランドはもう駄目だと思った。
助け起こしたガブラスは息も絶え絶えで、所々に負った怪我は重く、特に枷の嵌まっていた部分は皮膚が変色するほどの重傷だった。
仮に命は繋いでも、あの腕ではもう剣は振れまいと、そう感じたのだ。
戦えなければこの世界に在る意味が無い。
途轍も無い怒りと、喪失感がガーランドを襲った。

それでも一縷の望みを賭けてポーションを振り掛けたら、腕の傷は何とかなった。
が、その後も難題は続いた。
先ず、ガーランドに他人を介抱した経験は無く、かと言って誰かに相談出来る内容でも無く、見よう見真似で手当てをしようとした。
しかしガブラスは意識が無い筈にも関わらず、触れただけでひどく暴れ、押さえていては手当てが出来ず、時にはガーランドも傷を作った。
最悪だった。
もしもガブラスの意識が戻るのがもう二、三日遅かったら、ガーランドはガブラスを手に掛けていたかもしれない。

目が覚めてからは大人しく手当てを受けてくれたが、ガーランドが手を伸ばしただけで、ガブラスは気構えた。
ガーランドは、それが少し悲しかった。
ガブラスもその度に申し訳なさそうに目を伏せて、己を否定するかの様に首を左右に振った。
傷は大分良くなった。体調も少しずつだが整って来ている。
だが、心の傷は、いつ、どうしたら癒えるのだろう?


「部屋に戻れガブラス。」
「もう平気だ。」
「戻れ。」

ガーランドは有無を言わさず奥を指差す。

カオスは皇帝の所業に怒り狂った。
本当は、自ら皇帝を捕縛し、処刑する気だったのだ。
それをガーランドは押さえて宥めて、自分が動くと言ってカオスを留めた。
皇帝に対する怒りはガーランドも持っていたが、カオスが動けば大事にしかならない。
だから、神の怒りを代行するつもりだったのだ。
(結局神竜が仲裁に入って、皇帝の身柄は神竜預かりとなり、それに対してカオスがまた激怒して、ガーランドが機嫌を取る羽目になり、本当に大変だった)


「ガーランド、私は」
「戻れ。聞く耳は持たん。」

ガーランドは、もう一度奥を指し示した。
ガブラスは何かを言いかけたが、結局口を噤んで踵を返した。
ガーランドは見送りもしない。

どんなに愛しく思っても、どんなに大切に慈しんでも、ガブラスの心は神に在り、神もまた忠実な戦士を手放す気は無いのだ。
ならば、せめて気取られてはなるまい。
ガブラスにはカオスの命を受けて動いているのだと思われていた方が、ガーランドとしても幸いなのだ。
それで良いのだ。
振り向いて貰えないのなら------------------


もうひと押しで武人を落とせそうなのに、わかってない猛者。

これにて「虜囚」は終わりです。
暴君は隙を見てはセクハラをして、高笑いしながら消えるイメージですが、今回思い切ってみた次第です。

勘違いに気付くまでは、暴君がイミテーションに武人の世話をさせる設定でしたが、武人の現役時代にイミテーションは居ない事に気付いて書き直しーの考え直しーので若干涙目でしたが、自業自得だよね、と。
で、世話するイミテーションが勇者と義士とか、オリジナルは絶対に暴君の言う事を聞かない面子を敢えて揃えて、そこに気付いた武人が「悪趣味な・・・・」と嫌な顔をする話でした。
Upする前に気付いて良かった・・・。

さて、作中で神竜が出張っていますが、これは武人がそれほど重要であるわけではなく、戦士同士の仲間割れで神竜の計画にヒビが入っては困るので、にょろにょろ出て来た次第です。

神竜「まあガブラスが駄目になったら他を呼ぶだけだしな。」

混沌「駄目!ガブラスは駄目!わし、絶対手放さんもん!」

武人「ちょ、苦し・・・・・・・!」

神竜「おーい、ガブラスが死ぬぞー。抱え込むのは結構だがお前の腕で首締まっとるぞー。」

武人「結構じゃない・・・・・・・・!」

混沌「ガブラスは駄目だからね!」

武人「苦・・・・・しいと言っているだろうがーっ!!」

混沌「!?」

神竜「おー、振り返りざまの地裂斬か。やるなあ。」

武人「貴様も良い加減にしろよ(;゚皿゚)」

本年もお世話になりました。PageTopケーキを食べる日&ワンシーンSS

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