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絶対の守護者<1>

アンケートに頂戴しましたベルガ×ガブラスです。
大分遅くなってしまいましたが、取り敢えずベルガさんとガブラスさんに歩み寄って頂く所から始めようと思いました。
最初に血腥い描写が入っております。苦手な方は御注意下さい。

















もう、指一本動かなかった。
どこもかしこも血にまみれて、最早どこから出血しているのかすら分からない程で。

各地のモンスター達が凶悪化したのは、帝国がいたずらにミストを撒き散らしたからだ。
分かっている。
だからこそ、事態の沈静化にジャッジが投入されたのだ。

「・・・・・・・・ッ」

ベルガは倒れたまま、目だけでゆっくりと周囲を見回した。
視界に入るのは、魔物達の死骸。
動かない局員。
そして、ゆっくりと足を引き摺りながら近付いてくる同僚だった。

「ガブ・・・・・ラス。」
「良かった・・・卿は助かったのだな・・・」

やはりと言うべきか。
ベルガが辛うじて生き残ったのだから、ガブラスが死ぬわけはないと思った。
しかしガブラスも満身創痍で、ベルガの傍らに膝を着くと、そのまま座り込んだ。
良く見ると、足跡が赤い。
脚に酷い怪我を負っているのだ。

「おい・・・・・・」
「卿は若い。生きなさい。」
「なんだと?おい、待て・・・・止めろ、止めろガブラス!」

ベルガの制止も虚しく、ケアルを詠唱したガブラスは、ベルガの一番重い傷に手を当てた。

「止めろ!!」

力の限りに叫ぶ。
しかし腹に力が入らず、掠れた情けない声になってしまった。
せめて押し退けようと、痛みを堪えながら腕を伸ばす。
重りでも仕込まれているのかの様に重たいそれは、震えながらガブラスに触れただけで終わった。

止めろ。
止めてくれ。
ケアルを唱える余力があるのなら、自分に使え。
その出血ではお前の方が危ないだろうが。
畜生、勝ち逃げをするつもりか。

怒鳴り付けたい気持ちとは裏腹に、口はまともな言葉を紡がない。

「くそっ・・・この馬鹿・・・・!」

精一杯絞り出した声で毒づいたベルガに、ガブラスは微かに笑んで---------------------


「!!」
「!?ジャ、ジャッジベルガ!良かった、お目覚めになられたのですね?」

どこだここは。
ベルガは目だけで周囲を窺った。
真っ白い天井。
薬品の匂い。

起き上がろうとして、身動きが取れない事に気付いた。
手が、足が、自分のものとは思えないぐらいに重たいのだ。
もう一度起き上がろうとして、ベルガは目を瞠った。

ガブラスはどうした。
自分が救出されたのなら、あの男は?

「-----------------!!」
「!?いけませんジャッジベルガ!動けるお体ではありません!!」

飛び起きようとした途端、近くに居た何者かに押さえ付けられた。
払い除けようとして、朧気だった記憶が鮮明になって来た。
ベルガにケアルをかけて、その後はどうした。

必死に記憶を手繰り寄せながら、ベルガの総身は怒りに包まれた。
何が若いからだ。
三歳しか違わんのに。
畜生、あの馬鹿野郎が。

「ジャッジベルガ!落ち着いて下さい!ここは安全です!帝国です!ドラクロア研究所です!」
「------------------。」

先程から全体重をかける様に押さえ付けていたのは、ドラクロア研究所の研究員だった。
大して動いていないのに、ひどく苦しくて、しかし堪えたベルガは研究員の腕を叩いた。

「--------------------悪かったな。もう暴れんよ。」
「そうですか・・・少々お待ち下さい。今、局の方を・・・」
「待ってくれ。その前に教えてくれ。助かったのは?」

ベルガの予想は惨憺たる有り様で、沈み込んだ研究員の表情はそれを裏付けしていた。

「・・・・・生きて戻られたのは三割ほどです。」
「それだけか・・・・・・・・。」
「そのうち、ジャッジを続けられるのは、恐らく-----------」

言葉を止めた研究員に、ベルガはきつく目を閉じた。
殆ど居ないのだ。

圧倒的な技術力と軍事力で、この世を統べた気になっていた。
それがどうだ。
どんなに粋がった所で、所詮は単なるヒュムである事に変わりは無く、脆弱な種族は数を増やした魔物達にあっさり敗れた。

「ジャッジギースもお怪我をされましたが、もう復帰されています。」
「ああ・・・・・・。」

何となく、ギースは軽傷で済みそうな気はしていた。
局員の損失は大きいだろうが、悪運は強い男だ。

「それと・・・・ジャッジガブラスは・・・・・・・別室にてお休み頂いております。」
「------------そうか、無事なのか。あれから何日経った?」
「四日です。」
「分かった。」

ベルガは今度こそ起き上がった。
血相を変えた研究員がもう一度押さえに来ようとして、手で制したベルガは大きく伸びをした。
まだ体は多少痛むが、動かすのに差し支えは無さそうだ。
先程は、散々寝た上での起き抜けだったから、体がついてこなかっただけの様だった。

「まだ動いては・・・・!」
「お前と話している間に良くなった。さて・・・と、ガブラスはどこで寝ている?」

冗談抜きで一発殴らないと気が済まない。
否、一発では足りない気がする。
ついでにもう二、三発殴らせて貰おうか-------------------

「お待ち下さい!」

ベルガがベッドから降りようとすると、研究員は数を増やして押さえに来た。
ベルガは構わずに靴を履く。

「ジャッジベルガ!お待ち下さい!」
「なんだよ?俺はガブラスに用があるんだ。」
「無理です!!ジャッジガブラスにはお会いになれません!!」
「-------------どう言う事だ?」

食い下がる研究員に、ベルガは動きを止めた。

「まだお目覚めになられていないのです・・・。傷は塞ぎましたが、出血がひどく・・・・・・こちらに運び込まれた時点で殆ど息が」
「・・・・・・・・・・!!」

言葉の途中で、ベルガは力任せに研究員達を振り払った。
怒りで目の前が赤くなった。
ふざけやがって。
他人に構うから、そんな事になるのだ。
あのケアルを己に使っていれば-----------------

尚も縋り付いて来る男達を無視して、ベルガは廊下に出た。
手早く左右を見回して、迷わず左の廊下を進んだ。
恐らく、ガブラスに付いているのはシドに違いない。
ならば向かうのは彼の研究室だ。
あそこならば立ち入れるヒュムが限られている上に、必要なものも大概揃っている。

追い縋る研究室達を引き連れて(ベルガとしては放っておいてくれても全く構わなかったが)、ベルガは研究室の前に着いた。
忘れようも無い暗証番号を打ち込んだ直後、扉はいとも容易く開いた。

「ジャッジベルガ、どうか・・・・・・!!」
「騒がしい。何事だ?」

何の気なしに顔を覗かせたのは、思った通りの見慣れた顔だった。
懇願して来る研究員を無視して、ベルガは奥に目をやった。

「シド。ガブラスは?」
「お前か。起きるなりやかましい男だな。目を覚ましたら呼んでやるから今は出て行け。」
「いつ目覚める?」
「さあな。目覚める保証も無い。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

黙り込んだベルガを、シドは怪訝そうに見上げた。
ガブラスとは犬猿の仲であるベルガ(尤もベルガが一方的に嫌っているだけだが)が、ガブラスの身を案じるとも思えず、意図が見えないのだろう。

「分かった。覚ましたら教えてくれ。」
「次はもっと静かに来いよ。」

年寄りの軽口に片手を上げて応じたベルガは、泣きそうな研究員達を横目に研究室を出て、今度は自分の部屋へ向かった。
目が覚めて動けるようになったのだから、取り敢えずヴェインに報告しようと思った。


眠り続けた体はガチガチに凝っていて、今更の様にその事に気付いたベルガは、シャワーを浴びながら軽くストレッチをした。
重りの様だった手足も、取り敢えず思う通り動く。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・良し。」

シャワールームから出たベルガは、全身を雑に拭いて、服に袖を通すと、ヴェインの執務室に向かうべく、部屋を出た。


鬼/塚/ち/ひ/ろさんの名曲、「私/と/ワ/ル/ツを」を聞いていたら思い浮かんだので、当初、タイトルも曲名から・・・と思いましたが、どうしてもベルガさんとワルツが繋がらなかったので、別のにしました。
踊れるとは思うんですけどね。政民貴族様だし。

音楽を聞いていたら閃いた事は今までにも結構ありましたが、それで思い付いた話や、キャラクターの立ち廻り方が本来のキャラクターから逸脱したものでは無いか、最近不安を覚える様になりました。
でもネタを作る上で音楽は捨て難いし・・・とジレンマに陥っております。
自分では分からないんだよなあ・・・orz

シドとベルガは軽口を叩き合う仲だと良いと思いました。
それを温かく(それとなく)見守るヴェイン様と、面白がって観察するヴェーネスと。
そんな感じで仲良しだったら良いな、と。

どんどろどろどろPageTop典型的な・・・&ワンシーンSS

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