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願いを 番外編

もにゃんがガブの子飼いだったと言う設定を唐突に思い出し、これまた唐突に書きたくなった番外編。
但し、そんな設定だった気がする・・・と言ううろ覚え前提。
アルティマニア見ろって話でござる。















「失礼します。局入口に閣下を訪ねて来たバンガ族がおりますが、如何致しましょう?」
「分かった。会おう。」

ぴしりと敬礼した局員に応じて、ジャッジガブラス--------------------バッシュは頷いた。


体の酷使が過ぎて生死の間を彷徨った弟に代わって、バッシュが公安総局に勤める様になってそれなりに時間が経った。
同じ容姿に生まれたおかげか、事情を知る者たち以外に正体を気取られる事も無く、多岐に渡る勤めに日々励んでいる次第である。
最近はノアの体調も落ち着いて来た事が、バッシュの機嫌を底上げしていた。

(バンガ族が公安総局に何の用だろうな。)

バッシュは内心呟いた。
アルケイディア人はヒュム至上主義とでも言おうか、そんな気質があって、他種族を見下す傾向がある。
今のジャッジはそうでも無かったが、中には露骨に不快がる局員も居たりして、軽く眉を寄せたバッシュは足早に局入口へ向かった。


「ジャッジガブラス!あんた今まで何やってたんだよ!?あッくそっ!なんなんだてめェら!邪魔済んなッ!!」
「・・・・・・・・・・?」

顔を見るなり、古傷だらけのバンガは跳び付かんばかりに駆け寄ってきた。
しかし立番の局員に制されて、唾を飛ばしながら文句を垂れる。

一方バッシュは何をやっていたと問われても答えようがない。
まさか弟と摩り替って仕事していました、なんて言えるわけが無いし、どこかで見た様な気もするが、バッシュはこの目の前の息巻くバンガを知らないのだ。

「なあ頼むよ。なんか仕事回してくれよ。このままじゃみんな飢え死にしちまうよ。」
「あー・・・と・・・・・・・・誰だったかな・・・」
「なんだとぅ!?あんたオレを見捨てるのか!?ふざけんな!!オレがどんだけ・・・畜生!離しやがれ!!」

うっかり呟いた言葉を聞かれてしまったらしい。
バンガ族はきょろりと良く動く目を大きく見開いて、派手に暴れた。
局員が大人しくしろ、などと怒りながら押さえ付ける。

濁声を聞きながら、局員に促されたバッシュは結局局内に戻った。
弟に聞いてみないとあの気性の荒いバンガが何者なのか分からないし、誰彼構わず救済するほどバッシュは人格者では無い。
バッシュは暫し考え込んで、思い出す事を諦めると局員寮に足を向けた。


「---------------------と言う事があったんだ。ノア、分かるかい?」
「・・・・・・・・・恐らくバッガモナンだな。俺の子飼いだ。」
「子飼いって・・・あの気性が情報収集に向いているとは思えないけれど。」
「全く、面倒を起こしてくれたな。」
「何がだよ?」

溜息を吐いたノアに、バッシュは口を尖らせた。
ミゲロと違い、然程頭が良いとも思えなかったあのバンガ族がどれほど重要だと言うのだろうか。
あんな柄の悪い生き物が弟に近付くのは、兄として許し難いのだ。
未だ病身のノアに何かあっては洒落では済まない。

「あれは仕事柄、各国を転々とする事が多いんだ。必定それぞれの国の現状を目にするわけで、俺はそれを買っていたんだよ。」
「仕事柄って?」
「賞金稼ぎだ。確かバルフレアを追い回していた筈だからお前も知っているんじゃないか?」
「----------------------------------あ。言われてみれば・・・」

バルフレアを追い回していたバンガ族が居た気がする。
確か数人で行動していた・・・のでは無かっただろうか。

呑気なバッシュに、ノアは今度は大きな溜息を吐いた。

「分かった。今度は俺が会う。」
「具合は?そもそももう来ないと思うよ?どうやって会うんだい?」
「熱はここ三、四日出ていない。来ないのなら呼び付ければ良いだけの話だ。」

きっぱりと言い切ったノアに、バッシュは目を眇めた。
バッシュとしては三、四日程度では足りないのだ。
一週間以上熱が出なければ少し散歩に出るぐらいなら構わないかもしれないが、あのバンガ族と会ったせいでまた具合が悪くなってしまったら、心配で仕事どころではなくなってしまう。
気の優しい弟は、そこの所が分かっているのだろうか。


結局バッシュは一般ジャッジに扮して弟に付いて行く事にした。
ノアは固辞したがバッシュも決して譲らず、一切口を出さない事を条件として、ノアが渋々折れた。

久方ぶりに見るノアの鎧姿は、美しかった。
痩せた体に重たくは無いだろうか等とバッシュの心配は尽きないが、毅然と正面を見据える面差は確かに公安総局で頂点を極めた男のそれで、密かに安堵したその時だった。

「ッざけんなこの野郎!!放しやがれ!!こちとらてめェらジャッジの世話になる様な謂れァねえッ!!」
「黙れ!局長閣下が貴様をお呼びなのだ!さっさと来い!」
「閣下をお待たせするな!」

荒い言葉で息巻くバンガ族が、複数人のジャッジに引き摺られて来た。
数日前に会った時と同じく古傷だらけのバンガ族は、ノアの--------------ジャッジガブラスの姿に気付くと、またもや大きく目を見開いて、数秒経ってから一層激しく暴れた。

「覚えもねえオレに今更何の用だよクソッタレ!!もうオレの事なんかどうでも」
「先日は悪かったな、バッガモナン。」
「---------------------------------------。」
「故あってな。それで?仕事を望むのだな?」
「あ・・・・そ・・・そうだよ。オレだけじゃなくて、他の連中も困ってんだよ。この前あんたらが賞金首ごっそり捕まえちまっただろ?おかげで商売上がったりなんだよ。なあ、頼むよ。」

天下のジャッジマスターを目の前に、この口の利き様である。
しかし窘めようとしたジャッジを制したノアは、ゆっくりと頷いた。

「分かった。丁度誂え向きの仕事がある。報酬は弾むぞ?」
「マジか!?やる!それやる!!くれ!!」

途端に機嫌を良くしたバッガモナンは嬉々として手を差し出した。
ノアが詳細が書いてあるであろう紙を手渡すと、バッガモナンは目を細めてその手をじっと見つめ、次いで顔を上げた。

「随分痩せたな。」
「この所忙しくてな。心配には及ばん。」
「・・・・・・・だといいけどよ。」

受け取りながらぼそりと言ったバッガモナンに、バッシュは応えたくて堪らなくなった。
良いわけが無い。
こんな長時間重たい鎧を纏った上に外の風に当たっていたら、明日は高熱が出るに違いない。
しかし弟の約束があるから、必死で口を噤む。

「じゃあ行って来るぜ!」
「武運を。」
「あんたのその言葉で百人力だな!」

先程とは打って変わって颯爽と去って行くバンガ族の背を見送って、漸くノアは局内へ戻った。
他の局員の目も無くなった所で、バッシュは足早に部屋へ連れて行く。
そして部屋に入るなりドアに鍵を掛けて、大急ぎで鎧を脱がせると、ノアは大きな溜息を吐いてソファに座り込んだ。

「ノア。調子に乗り過ぎだ。」
「あれはあれで使えるんだ。お前が思っている程悪い奴ではない。」
「だとしても、」
「ああ、久方ぶりにそれを着たな。」

バッシュが架台に戻している最中の鎧に目をやったノアは、穏やかに笑んだ。
もっと文句を言ってやりたかったが、そんな顔をされて何が言えよう。
それでも腰に手を当てて溜息を吐いたバッシュに、ノアは苦笑いを浮かべながら悪かった、と言った。


もにゃんがジャッジガブラスに忘れられてガボーン!!ってなるのを書きたかっただけです。
実際もにゃんとガブがここまで仲良かったかは知りませんが、ガブは性根は優しい人なのできっと子飼いにも優しかったんだと。
あと兄と和解した分、険が取れたので人当たりが良くなったと言う私設定も。

バシュ「ちょっと甘やかし過ぎじゃない?ああ言うのはすぐ調子に乗るよ?」

ガブ「甘やかしてなどいないさ。報酬を弾むと言っただろう?武運を、とも。」

バシュ「言っていたね。」

ガブ「つまりはそう言う仕事だ。」

バシュ「なんだ、そう言う事かw」

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