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青イ鳥<7>

おっしまーい。


幸せは見つけるものかな。
捕まえるものかな。
それとも呼び込むものかな。

青イ鳥はどこにいるのかな。
貴方は見つけられた?











リクエストをするのを忘れていたが、それでもガブラスはゴルベーザ好みの夕食を作ってくれて、食後に茶まで出してくれて、皿を洗い終えた所で右手に缶ビール、左手にグラスをそれぞれ二つずつを持ちながら向かいの椅子に座った。

「それで?」
「・・・・・・・・・・・・。」

グラスとビールをゴルベーザの前に置いたガブラスは促した。
が、改めて面と向かって問われると、どう説明したものか分からくなってしまった。
結果的に無言になったゴルベーザの目の前で、缶を開けたガブラスはグラスに金色の液体を注いだ。

「---------------------------私が別の部屋を探すから。」
「随分話が飛んだな。俺は理由を聞きたいと言った筈だが?」
「・・・・・・・・・・・・・。」

端的に言われて、ゴルベーザは再度言葉に詰まった。
ちらりと様子を伺うと、ガブラスは平然とビールを飲んでいた。
ゴルベーザの視線に気付いたのか、自分の缶の中身をゴルベーザのグラスに注ぐ。
酒が入った方が言い易いかもしれない。
溜息を飲み込んだゴルベーザは、グラスの中身を一気に呷った。

「・・・・・・・・・・・お前は良い男で良い友だと思う。」
「お前にそこまで評価してもらえるとは光栄だ。」

それで?
ガブラスは目線で問うて来る。
今度はゴルベーザが二本目を開けて、互いのグラスに注いだ。

「それでは---------------------友のままでは私の気が済まなくなったのだ。だから、これ以上は共に暮らさぬ方がお前の為だ。」
「?」

瞬いたガブラスに、ゴルベーザは苦笑した。
以前からガブラスは疎いと思う面があったが、案の定遠回しな物言いでは通じないらしい。
ゴルベーザはもうどうでも良くなった。
どう言い繕ってもガブラスの友情を裏切る事には変わりないのだし、真っ向から告白した所でこの鈍感ぶりでは理解してもらえない可能性の方が高い。

腰を上げたゴルベーザを、ガブラスは不思議そうに見上げた。
テーブルに手を突いて、身を屈めて、互いの鼻先が触れ合いそうなほど顔を近付けても、端正な顔立ちは相変わらず怪訝な表情を浮かべたままで。
ゴルベーザが唇を重ねた時、恐らく何が起こったのか分からなかったのだろう。
ゴルベーザが離れて数秒経ってからガブラスは突然立ち上がって、座って、今度は空になった缶を手に取って、暫し動きを止めた後に缶を置いた。
どうやら静かに混乱している様だ。

「-------------------------友人にこの様な感情を持たれるなど、苦痛でしかあるまい?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

ゴルベーザの問いに漸く我に返ったらしいガブラスは、きつく眉を寄せた後に俯いた。

ゴルベーザとて友で在りたかったのだ。
趣味の話をして、時には馬鹿話をする時もあって、最近ではセシルの事も共通の話題になった。
互いが忙しい時は、どちらかが家事全般を受け持つのがいつの間にか暗黙の了解になっていた。
好き嫌いの多いガブラスを諭して不貞腐れられてしまった事もあった。
ガブラスと過ごした日々のどれもが宝物の様に大切で、同時にそれらは毒の様にゴルベーザを蝕み、苛む。

「だから------------------------------------」

だから、もう辞めようと思ったのだ。
側に居る事を。
共に暮らす事を。
仕事も辞めようと思う。
今度はセシルの大学の近くにでも就職先と住処を探そうか。
そうすれば兄弟水入らずで暮らせる。
もうセシルに寂しい思いをさせずに済む。

黙り込んだガブラスを見ると、テーブルの上で握られた手が小刻みに震えていた。

「ガブラス?どうし--------------------」

言葉は最後まで言えなかった。
テーブルを叩いたガブラスが突然立ち上がったのだ。
呆然と見上げるゴルベーザを、ガブラスは睨み付けて-----------------

「何を勝手な事を!そうやって自己完結して、どこに俺の意思が介在していると!?」
「・・・・・・・・・・・・すまん。」

面食らったゴルベーザは謝罪した。
ガブラスは、激昂していた。
ここまで激しく怒ったガブラスは、初めて見たかもしれない。
(それでもセシルを呼ぶの呼ばないので怒らせた時の方が余程怖かったが)

「要するに逃げ出すのだろう?俺から。現実から!思い込みで!子供でもあるまいに!!」
「・・・・・・・・・・・・・ではどうしろと言うのだ?お前の為なんだぞ?」
「だから、俺の気持ちを知りもしないで何が俺の為だ!!勝手に決めるな!反吐が出るわ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

怒ったガブラスの舌鋒に容赦は無い。
ガブラスは黙り込んだゴルベーザの胸倉を掴んだ。
ぐい、と引き寄せられて、端正な顔立ちが眼前に迫った。

「ガブラス・・・・・・・・。」
「正直驚きはしたがな、だからと言って貴様が思っている程不快では無かった。俺だって貴様の事は嫌いでは無いんだ。」
「・・・・・・・・・・・・・・それは、好意的に受け取って良いのか?」
「知らん。」

期待を持った途端突き離されて、ゴルベーザは些か面食らった。

「ただ、貴様が出て行くと言った時、少なからず俺は衝撃を受けた。今も共に在りたいと思う。傍に居て欲しい。ええと・・・あと何だ?」
「良い。もう良い、ガブラス。」

結局、ガブラスは未だ混乱しているのだ。
それでもゴルベーザを必要だと言ってくれた。
それで、それだけで充分だった。
苦笑いを浮かべたゴルベーザは、そっとガブラスの頭を抱き寄せて、滲んだ視界を誤魔化す為に目を閉じた。


はい!そんなわけで「青イ鳥」はこれにて終了したわけでございます。
が。
なんだろうな、延々書いて来たのに二人が同じ目線に立った所で終わりかい、と。
今一つスッキリしないので後日談的なものを用意したいなと思います。
時間がかかるかもしれませんが・・・。

ゴル兄さんは簡単に泣く様な子?ではありませんが、彼の生い立ちを考えると、誰かに必要とされただけですごく嬉しいんじゃないかな、と。

うちの武人受けでは珍しくもない年下攻めですが、魔人×武人に限って言えば、武人に"年下に甘い”スキルが発動せず、逆に年下である魔人が年上の武人を甘やかしている希少なカプでございましてな。
書いていて大変楽しゅうございましたw

お久しぶりですよ、とPageTopトリックなんとか&ワンシーンSS

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