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陽の射す窓、月照らす空<1>

勢い余ってやっちゃった!
ウォースラ×ガブラスだよ!
正気だよ!













傍目には、良く似た兄弟だと思う。
双子なのだから当たり前だと言われればそれまでだが、それは外見の話だ。
性分も全く違う様でいて、同じだと思う事もある。
ふとした仕草。何て事の無い表情。
兄が良く笑う一方、弟は渋面ばかりだが、どちらも気は優しい。

(そんなものなのかな・・・・・。)

内心で呟いて、ウォースラは良く冷えたグラスを手に取った。

ウォースラの知る範囲に双子は彼らしかいないから他と比べ様も無いが、双子だからと言って何もかもが同じだとは限らず、それでも只の兄弟よりは似通っている点は多い気がする。
何とも不思議な存在である。

「日が落ちたら砂海亭へ行こうよ。ウォースラもさ。」
「俺は良い。兄弟水入らずを邪魔したら悪いだろ。」
「何も悪い事なんてないさ。そうだろう?ノア。」

兄の問いに弟はグラスを口に当てたまま頷いて、小さくなった氷をがりりと噛んだ。

それにしても大人しい男である。
ウォースラの聞き知る”ジャッジガブラス”は並外れた切れ者で、身一つで帝国の頂点付近まで伸し上がった実力者だ。
それだけ”出来たヒュム”ならば、さぞかし立派な人となりをしているのだろう-------------------と思いきや、信じられない事にガブラスは主体性が大層薄い男だった。
否。
”ガブラス”と言うよりも”ノア"がと言った方が正しかろう。

兄に言われるまま、兄の決めるままに頷くだけの弟。
双子とはそう言うものなのだろうか。
それとも彼らが特殊なのだろうか。
ウォースラには分からなかった。



そして日は落ちた。
バッシュが片付けていた手をはたと止めた。

「あ、いけない。ノア?後から行くから先にウォースラと行っていてくれないかい?野暮用が入っていたんだった。」
「分かった。」
「頼むね?ウォースラ。」
「へいへい。」

ウォースラは適当に応じた。
三十も半ばを過ぎた男をどう頼まれたら良いのだ。
場所は分かっているのだし、放っておけば勝手に行くのではなかろうか。
----------------------------とは言え客人は客人。丁重に扱わねばダルマスカ男の名が廃る。

一足先に片付け終えたウォースラは、ガブラスを一瞥すると顎でドアを指し示した。
大人しい男はやはり何一つ逆らわず、ただ静かに頷いた。


「帝国はどうだ?何か変わったか?」
「変わりつつある------------------と言った所だな。おかげで死ぬほど忙しくなった。」
「それは知ってる。」

大の男二人が並んで、しかも無言で歩くなど気味が悪い。
世間話のつもりで振った話題に、ガブラスは溜息と共に返して来た。
そしてウォースラがいとも簡単に応じると、ガブラスは器用にも片眉を跳ね上げた。
ガブラスが今ダルマスカに滞在しているのも、仕事絡みだ。
元々あった仕事に外交も上乗せされたガブラスは、ダルマスカに限らずロザリアやビュエルバとの間も飛び回っているらしい。

(使い勝手が良いとこうなるって典型的な見本だな・・・・)

弟と同じく使い勝手の良いバッシュに対して同じ仕打ちをしない様、ウォースラは自戒した。
--------------------------既に遅いかもしれないが。

砂海亭は思っていたよりも混んでいなかった。
それでも店員達は酒や料理を手に店内を所狭しと動き回っている。

「いらっしゃい!あら将軍。お隣は-----------------まあ!髪を切ったんですか?髭まで剃られて。どうなさったんです?」
「バッシュじゃない。あれの身内だ。後で来る。」
「あらまあ嫌だ私ったら。三名様ですね。空いている席に好きに座って下さいな。」

軽やかに笑って、中年の女店員は厨房へと行った。
好きに選べと言われても選択肢は大して無い。
それでも窓際に四人掛けのテーブルを見付けたウォースラが指差すと、ガブラスは一つ頷いた。

「何を飲む?それともバッシュを待つか?」

ウォースラの斜向かいに腰掛けたガブラスは、ぼんやりと外を眺めていた。
しかしウォースラの問いには緩く首を振って、出してやったメニューを覗き込む。
そして辛目の酒を選んで、また窓に視線を向けた。

「?何か気になるものでも?」

既に飲みたい酒が決まっているウォースラも一緒になって窓の外を見る。
通りすがりの地元民が歩いているぐらいで、目新しいものなど何も無かった。
結局ウォースラはメニューに視線を戻した。

「-------------------------------い国だな。」
「あん?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

ウォースラは顔を上げた。
ガブラスが何か言ったが、良く聞き取れなかった。
目を伏せたガブラスは暫く何かに思いを馳せている様だった。
それでもガブラスはどこか遠くを見ながら、もう一度口を開く。

「良い国だ。国は民に優しく、民は国を慕っている。バッシュがこの国を選んだ気持ちが分かるよ。」
「当たり前だろう?俺が生まれ育った国だぞ。良いに決まっている。」
「----------------------------------そうか。そうだな。」

ウォースラが胸を張ると、ガブラスは目を瞠って、次いで微かに笑んだ。
一瞬だけだったが、その笑みがあまりに優しくて、そしてひどく寂しげで、何故かウォースラは目が離せなくなった。

「遅くなった。待たせたかい?」
「!」
「いや。思ったより早いぐらいだ。」

能天気な声にウォースラは我に返った。
無表情で応じた弟にバッシュは明るい笑みを浮かべて、ウォースラの向かいに座った。


なんだか良く分からないタイトルですが、少し考えて思い浮かんだものにしました。

私の中でバッシュは太陽、ガブは月のイメージです。
・・・と言うか、バッシュがお日様ならガブは月かな、と。

ダルマスカは身分差意識が薄そうなイメージです。
流石に騎士団は上下関係がしっかりしているでしょうが、王族が平気で市街地を歩いていて、見掛けた市民が「あら王女様」とか普通に声を掛けて来るとか。

ランディスは共和国なのでダルマスカとは国の成り立ち自体が違うでしょうが、ダルマスカ同様民と国と民の仲が良かったんじゃないかな、と漠然としたイメージがあります。
私の中のランディスは山間で土地が貧しく、農作物は民が辛うじて暮らしていけるほどしか採れないけれど、その代わり織物や工芸品の生産が盛んで、建造物よりも自然の方が遥かに多い。

騎士団員も地域密着型でお休みの日は畑仕事に精を出したり、近所の子供に剣術教えたりとか・・・そんな感じです。
・・・・・・・・・・・・今はもう跡形も無いんだろうけれど。

自由だーッ!!とワンシーンSSPageTop御無沙汰です!

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