FC2ブログ

君と2人で <後>

ドレイス×ガブラス

君と2人で<前>の続き。
前後に分けた癖にまだ長い。

偶にはドレイスが幸せだって良いじゃない!!ってお話。
・・・”偶には”ってのが気の毒すぎる・・・・・・(ノД`)。

「そうだ、ガブラス。踊ろう。」
「・・・は?」
「舞踏会なのだ。踊らずに帰れば局員達に呆れられるぞ。」

驚いているガブラスの手を掴んで、ホールを目指す。
背後でガブラスが何やら言っていたが構わずホールに出て、ドレイスは漸く振り返った。
わざとらしく小首を傾げ、笑みを浮かべる。

数居る局長達の中でも特に有名な2人の登場は、当たり前だが周囲の注目を集めた。

衆目の中、ガブラスが空いている左手で目元を覆い、深い溜息を吐く。

しかし掴まれたままだった手をドレイスの手の中でくるりと反転させると
目線の高さに掲げ、優雅に一礼した。

その流れる様な動きに唖然としているドレイスの腰の後ろに左手を回し、
繋いだままの右手は離されて肩に乗せられる。

ぐっ、と引き寄せられて端正な顔立ちが眼前まで迫った。
首筋から香水の優しい匂いがする。

これは夢ではないのか。
しかし、一気に全身が熱くなる感覚も、
呼吸に合わせて僅かに上下するガブラスの肩も、
夢と言うには生々し過ぎる。

ドレイスは、生まれてきて良かった、と本当に思った。


「ドレイス。」
「ああ・・・ありがとう。」

差し出されたシャンパングラスを受け取る。
ドレイスが乾いた喉を潤すと、ガブラスもグラスを口に当てた。

1曲踊り終えて。
ダンスホールから離脱するなり、どこかへ行ってしまったガブラスに
己の我儘が彼を怒らせてしまったのかとドレイスは情けない気持ちになったが、
少しして戻って来たガブラスの手には前述の通り、グラスが2つあった。

アルコールと共にガブラスの何気ない優しさが全身に染み渡る様だ。

「ガブラス、」
「ガブラス!ここに居たか。局員が卿を呼んでいるぞ。急ぎらしい。」

”また踊ってくれないか。”
それだけの言葉は人波を掻き分けて来たベルガの声に阻まれ、出る事は叶わなかった。

頷いたガブラスがドレイスとベルガに目礼して踵を返す。
ドレイスは持っていたグラスをベルガに押し付け、足早にホール出口へ向かうガブラスを追った。


履き慣れないヒールは歩き難い事甚だしかった。
ひらひらと足に纏わりつくドレスもそれに拍車をかける。

何とか追いついた時には、既にガブラスの自室が近かった。

「ガブラス!」
「ドレイス・・・・?」
「今日は舞踏会に出て終わりでは無かったのか!?」

思わず問い詰める様な言い方になってしまったが、
ドレイスにそんな事を構っている余裕は無い。

「・・・俺もその予定だったが、抱えていた案件に急に動きがあったのだ。今を逃せば機は失われる。」
「しかし・・・・。」

”卿が動かなければならないのか”

その問いは無理矢理胸に収めた。
ガブラスが動かなくて済む話なら局員が一々呼びに来る理由が無い。

「・・・・・よし!」
「!?」
「着替え、手伝おう。その方が早く済むだろう?」

いきなり己の両頬を叩いたドレイスにガブラスは驚いた様だったが、
割り切ったドレイスの申し出には素直に頷いた。


初めて入るガブラスの部屋は、隅から隅まで整然としていて
ガブラスの几帳面な性格を見事に反映したものだったが、
生憎ドレイスにそれを観察するだけの余裕は無かった。

インナーに着替えたガブラスはフォーマルより幾らか見慣れた姿になった。
上下2つに分かれた胴を前後合わせて紐で留めて、
ガブラスが腕の防具を嵌めている間にドレイスは足の防具を嵌めてゆく。

床に膝をついての作業はドレスが皺になるとか、足が見えてしまうとか、
政民貴族の婦女子にあるまじき姿勢であったが構っている暇は無い。
土台、”お上品”に振る舞わなければならないのならジャッジなど勤まるわけがなかった。

革の手袋を嵌め、幾度か握ったり開いたりしてフィット具合を確かめている手に手甲を渡す。
それをセットして、最後に兜を渡すとガブラスは僅かにそれを見つめ、しかし脇に抱えた。
ドレイスはてっきりすぐに被ると思ったのだが、姿見の前で全身を確認したガブラスがドレイスを振り返る。

「ありがとうドレイス。」
「いや・・・・行ってらっしゃい、ガブラス。」
「ああ。・・・・・ドレイス。」

不意に話しかけられて、今更のようにドレスの皺を直していたドレイスは顔を上げた。

「済まなかったな。」
「?」
「ドレス。折角似合っているのに皺にしてしまった。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・!」

不意打ちだった。
意味を理解するまでに時間を要して、漸く我に返った時には
ガブラスは既に扉の外へ出ていて。

「ガ・・・ガブラス!」

慌てて追って、呼びかける。
ガブラスは顔だけ振り向いて、続く言葉を待った。

「また・・・また、踊ってくれるか?」
「・・・・・、俺で良ければ。」

それだけ答えて。
正面を向いたガブラスは兜を被り、重々しい足音と共にジャッジ専用ターミナルへ向かって行った。


これで”幸せ”って言うか!?・・・とお思いの方、”うちのドレイス”にしてはかなり幸せな話です。

いつも狙った様に肝心な所で邪魔をする黒ラーサー様は今回ばかりは”御挨拶”に追われて
ガブラス達の事を気に留める余裕がありませんでした。
皇子様ですからね。
で、後からギースあたりに”2人にこんな事があったよ”なんて報告を受けて白いハンカチを噛み締めるかと。

しかしこれだけ良い雰囲気になってもガブラスの中のドレイスは”懇意にしている同僚”止まりで、
ザルガバースと余り評価が変わらないと言う。それがガブラスクオリティ。

お兄ちゃんといっしょ <3>PageTop誰にでもある日常。

Comment

Commentの投稿

 管理人だけに表示する

TrackBack

http://gamecomic.blog27.fc2.com/tb.php/23-27e6c554

プロフィール

高槻幽炎

Author:高槻幽炎
声フェチでオッサン好きのヘタレ。
ビバガブラスw

カレンダー

06 | 2019/07 | 08
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

カテゴリ
月別アーカイブ
最新トラックバック
最新コメント
最新記事
ブロとも申請フォーム
QRコード

QR

リンク
投票所
RSSリンクの表示
検索フォーム