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願いを<7>後 Vann

後編どす~。










「小僧。」
「ヴァンだ--------------------おい、あんた何やってんだよ?」

立ち上がったガブラスに呼ばれ、視線を向けたヴァンは唖然とした。
ガブラスは、ヴァンにナイフの柄を向けていた。

瞬間、ウォースラとバッシュが身構える気配がした。

「どうしても納得が行かんのなら恨みを晴らせば良い。」
「何言って-----------------」
「ノア!」

咎める様なバッシュの声を無視したガブラスは、ナイフの柄をヴァンに差し出す。

「こいつらは納得してもお前の理解の及ぶ世界では無かろう。」
「止めなさい、ノア。」
「お前にはその権利がある。」
「権利・・・・・・・・・・。」
「駄目だよヴァン!」

止めるバッシュの声とパンネロの声がどこか遠くに聞こえる。
ヴァンはガブラスの差し出すナイフをじっと見つめた。

「ヴァン、駄目だ。それを手にしてはいけない。」
「ガブラス!何を考えているんだお前も!」
「止めてヴァン!ガブラスさんもお願いだから!」

口々に聞こえる制止の声。
鈍く光る刃の切れ味は見るからに鋭そうで、触れただけで指が落ちてしまいそうだ。

「ヴァン。」
「・・・・・・・・・。」

初めて名を呼ばれたヴァンは、ゆっくりとガブラスを見上げた。
表情の無い顔は、ただヴァンを見据えている。
ヴァンは、恐る恐る手を伸ばした。

「駄目だヴァン。それを手に取ったら、戻れなくなる。」
「分かっているのか!?今ガブラスに手を出せばまた帝国と戦争になるんだぞ!?」
「止めてヴァン!お願いだよ!!」

バッシュとウォースラの言葉に、パンネロの悲鳴じみた声にヴァンは弾かれた様に手を引いた。
しかしガブラスはその手を掴み、柄を握らせると切っ先を己の胸に当てた。

「ノア!!」
「さあ、兄の無念を晴らせ。」
「兄さんの・・・・。」

切っ先から目が離せなかった。
柄を力を込めて握り直す。
その拍子に直接刃を掴んでいたガブラスの手が切れたらしく、血が刃を伝った。

やがてそれはヴァンの手にも流れ着いて、生温かい感触と共に肘に至った時、我に返ったヴァンは慌てて手を離した。
直後、ヴァンを押し退けたバッシュがガブラスの手を掴むなりナイフを捨てさせ、ケアルの詠唱を始める。
よろめいたヴァンを抱き留めたのはパンネロで、見れば彼女は声を出さずに泣いていた。

「良く耐えたな、小僧。」
「ヴァンだって言ってんだろ。」

安堵した様子のウォースラに乱暴に髪を掻き混ぜられたヴァンが口を尖らすと、直後に頬に衝撃を感じた。
同時に破裂音にも似た音が部屋中に響いて、何事かと目を瞠れば平手を振り抜いたパンネロがきつい眼差しでヴァンを睨み付けていた。
それにはヴァンに限らず他の面々も驚いた様で、全員が唖然とした様子でパンネロに衆目していた。

「バカッ!」
「パンネロ・・・・。」
「ヴァンのバカッ!ガブラスさんもバカよッ!!」

叫ぶなりパンネロは部屋を飛び出して行ってしまった。
呆気に取られていると、今度は背後から”痛い”と言う分かり易い悲鳴が聞こえてヴァンが振り返った。

「へ?」
「おいおい・・・。」

そこにはバッシュに思い切り頬の片側を抓られているガブラスが居た。
ウォースラは溜息を吐いている。

「パンネロの言うとおりだよね?ノア。」
「・・・・・・・・・。」
「ここでお前がヴァンに討たれて何になるんだい?」

バッシュは穏やかな笑みを浮かべているが、優しげな声とは裏腹に怒っているらしい。
しかしガブラスは返事もせず、露骨にバッシュから目を逸らした。
それが気に障ったのか、片眉を跳ね上げたバッシュはもう一方の頬も抓った。

「いッ・・・・・・!」
「復讐が何を齎すか、分からないわけでは無いだろう?」
「・・・・・・・・・・・。」
「ノア?お・へ・ん・じ・は?」

弟の顔を覗き込んだバッシュは、一言ずつ区切って問うて、結局見兼ねたウォースラが引き剥がすまでガブラスは頬を抓られたままだった。

「ほらヴァン、何ボケっとしてんだ。あの娘を追いかけてやれよ。」
「え?あ・・・う・・うん。そうだな。行って来る。」

余りの展開に動く事も忘れてしまったヴァンを、ウォースラが促した。
慌てて部屋を出たものの、扉が閉まりかけた時に聞こえて来た声にヴァンの足は止まった。

「それであの少年の気が晴れるなら構わなかろう。」
「馬鹿言え。お前に恨みを抱えている奴なんて五万と居るだろうが。一々その相手に殺されてやるのかよ。」
「仇討ちは正当な理由になる。帝国だって納得する。」
「だからと言って大人しく討たれてあげる理由にはなりません。」

バッシュがもう一度ガブラスの頬を抓ろうとして、身構えたガブラスとの間に再度ウォースラが割って入った所でドアは閉まった。

「覚悟・・・・か・・・・。」

ヴァンは呟いた。

レックスが決めた覚悟。
それはガブラスが肚に括ったものとも、バッシュが胸に秘めたものとも違うのだろう。
勿論ヴァンの中に出来たものとも。
否。ヴァンは覚悟などしてはいなかった。
ガブラスに指摘されて初めて気が付いたが、覚悟したつもりが何も出来てはいなかったのだ。
だが、それは結果として良かった。

ヴァンの覚悟は、今、決まったのだから。


ストーリー中にヴァン、割り切ってたじゃんと言われると身も蓋も無いのですが、でも実際にガブラスを目の前にしたらやっぱりもの思う所があるだろう、と。

大灯台やバハムートでも対峙しましたが、あの時はお互い忙しかった(笑)のでそれどころではなかったと言う事で。
落ち着いてからガブラスに会って、直接話を聞いてみたらたった一人の肉親がその辺の雑魚扱いだったら割り切ってたって怒るだろう。
只でさえ十七歳なんて多感なお年頃。そして不安定なお年頃ですからね!

その後和解した話を書きたい今日この頃。


ヴァン「はいっ!(挙手)覚悟が決まったから真面目に空賊目指したいと思いまッス!」

バシュ「良いんじゃないかな~。」

ウォス「良いわけ無いだろ。ダルマスカでも空賊は取り締まり対象だっつの。」

バシュ「ウォースラって意外と真面目だよね。」

ウォス「お前は弟以外は全く興味無いよな。意外でもなんでもなく。」

折れた・・・とワンシーンSSPageTop声だけ

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