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子守

ちびノアシリーーーーーズ。
すみません間違えました。悲喜劇シリーズです。
自分で名付けたシリーズ名すらうろ覚えとか・・・!


イチャコラしたベルガ×ガブラスを目指したら、なんでかこうなったベルガとちびノア。
勿論全く微塵もイチャコラしてませんよ、と。












ジャッジガブラスが、ドクターシドに依る通りすがりの人体実験に巻き込まれ、小さな子供になってしまった事は局内では既に知らぬ者は居ない程有名な話になっていた。
それでも局外には全く漏れていないのだから、流石は公安総局である、とここは胸を張るべきだろうか。
まあ言うに言えないのは確かだ。
エトーリアの気紛れでジャッジマスターが実害を被ったなど、恥以外の何者でもないのだから。

そして。

ベルガは腕を組んで事の一部始終を見守っていた。

今日は子供になったガブラスの検診日・・・らしい。
何せ未だ嘗て子供にしてしまう魔法なんて無かったわけだから、偶発的とはいえヒュム史上初の試みをモロに食らったガブラスの体に異変が起きないか定期的に検査する必要性がある-------------------と言うのがドラクロア研究所の言い分だが、直訳すれば「折角だから観察してみたい」であろう。
「実験してみたい」よりは幾らか良心的であるから、ドラクロア研究所としても一応の罪悪感はあるらしい。

ダルマスカの騎士団用飛空艇で送られて来た小さいガブラスを出迎える任に充てられたのは、偶々ベルガの手が空いていたからに違いない。
共に出迎えたラーサーやらドレイスやらが浮かれているのもまあ許そう。
通りがかったザルガバースがにこにこしながら子供ガブラスの頭を撫でて行った光景も微笑ましかったが、問題はその後だ。

「見た目はゴリラみたいで怖いかもしれないが、突然暴れ出したりはしないから安心しろ。」

オイこらドレイス。
なんだその言い草は。

「生憎僕もドレイスも今日は忙しくて・・・ローゼンバーグ将軍が迎えに来るまでベルガと一緒に居てもらえますか?」

ナンデスカ、ソレ。
そんな話、全く聞いていませんが。
出迎えて終わりじゃないんですか?

ベルガは愕然とした。

勘弁してくれ。
自慢ではないが、ベルガは子供の面倒など見た事が無い。
好きでもない。寧ろ嫌いだ。
只でさえ上司やら血の気の多い同僚やらが猫可愛がりしている様な子供など、恐ろしくて近寄るのも願い下げだと言うのに。

「そう言う訳だから、しっかりやれよ?」
「お願いしますね?」
「・・・・・・・・・・・はい。」

とは言うものの。
ドレイスは兎も角、主家の一員であるラーサーに頼まれては断れない。
近くに居た局員が如何ともし難い、要するに微妙な表情を浮かべたのはベルガに対してだろうか?それとも?

何れにせよ、ベルガは肺の空気を全て出し切るほど深い深い溜息を吐いた。


それにしても、小さいガブラス----------------------ノアは実に大人しい子供であった。
ドラクロアで検査を受けている間も殆ど口を開かず、ただ黙々と研究員の指示に従って、検査そのものは瞬く間に終わった。
唯一、採血の時だけはひどく不安げな表情を浮かべたが、それでも泣いたり騒いだりはしなかった。

検査が終われば迎えはすぐに来る筈であった。
-----------------------------予定では。
しかし予定は未定とは良く言ったもので、ダルマスカから迎えの時間をずらしてくれ、と連絡が入ったのは予定していた時間の三十分ほど前だった。
つまり、ベルガの子守の時間はまだまだ続くと言う事だ。

先程は偶々手が空いていたが、それだけの話で暇なわけではない。
迎えが遅くなればなるほど、ベルガの残業する時間は増える。

冗談じゃない。
ベルガは周囲を見回した。
その辺の、暇そうな局員にノアを任せようと思ったのだ。

何度か巡らせた視線を、ふとベルガは下ろした。
勝手にどこかへ行くでも無く、ノアは静かに立っている。
つい先ほどまでは興味深げにあちこち見ていたのだが、今は俯いていた。
目ぼしいものが無くて飽きたのだろうか。
それとも床に何か落ちているのだろうか。

ベルガがもう少し視線を下げると、床には特に変わった様子は見受けられなかった。
もう一度誰か探そうと顔を上げかけた瞬間だった。
床にぽつり、と水滴が落ちたのが見えた。

もう一度床を見る。
水滴は二粒、三粒と数を増やしていた。

「おい?」
「・・・・・・・・・・・・。」

声をかけてもノアは床を見つめたまま動かない。
しゃがんだベルガは思い切り身を屈めてノアの顔を覗き込んだ。

「---------------------!」

ノアは、無言で泣いていた。
大きな瞳から、負けないぐらい大きな涙がぽろぽろと零れている。

「おい?どうした?どこか痛いのか?手当してもらうか?」
「・・・・・・・・・・・・・。」

流石に焦って矢継ぎ早に問う。
しかしノアは相変わらず涙を次々こぼしながら無言で首を振るばかりだ。

「取り敢えず研究所に戻って---------------。」

ノアの手を掴んで歩き出しかけたベルガは、しかし足を止めた。
あれだけ大人しかったノアが抗っているのだ。
懸命に足を踏ん張って、連れて行かれまいと。

ベルガは吐きかけた溜息を際どい所で耐えて、もう一度ノアの前にしゃがんだ。

「なあ。どうしたって言うんだよ。言わなければ分からんだろうが。痛いのか?痒いのか?それとも腹が減ったのか?」

後は何がある?眠いとか?疲れたとか?帝国に居るのが嫌なのか。それ以前にベルガと居るのが嫌なのか。
頭の中で可能性の候補を幾つも上げるが、ノアは相変わらず物も言わずに泣いたままで。

小さな子供の何が困るって、話が、意味が通じているかどうか良く分からない所だ。
大人が当たり前の様に使っている言葉が分からなかったり、突然理不尽な事を叫んで泣き出したりもする。
そんな珍奇な生物なぞベルガには完全にお手上げで、これだったら敵に囲まれていた方が余程気が楽だ。
何せ敵は言葉も意味も必要としない。只、倒して屠るだけだから。

本格的に誰かに任せるしか無いか。
諦観の溜息を吐いて、ベルガがもう一度周囲を見ようとした時だった。

「ぼくのこと、わすれちゃったのかなあ・・・。」
「あ?」

幼子特有の高い声が、ぽつりと呟いた。
何を言っているのか分からなくて、もう一度目線をノアに合わせる。

「とうさま、おしごといそがしいから・・・。」
「----------------------。」

ベルガは理解した。
何故突然ノアが泣き出したのか。
少し考えれば分かる事だった。
幼子がたった一人で余所の国に預けられて、そのまま放置されれば不安に駆られて当然である。

苦笑いを浮かべたベルガは、ノアの頭を軽く叩いた。

「あのな。」
「?」
「ローゼンバーグが忙しいのはお前も分かっているな?」
「はい。」

ベルガの問いに、涙声だがノアはきちんと返事をする。

「大丈夫だって。連絡があったわけだし、お前はローゼンバーグが忙しいってきちんと分かっている。」
「・・・・・・?」
「考えてもみろ。どうでも良かったら連絡寄越すか?送迎だってその辺の騎士団員に任せれば良いのにローゼンバーグは自分でやっているだろうが。」
「?」

どうも意味が通じていないらしい。
もっと噛んで砕かないと分からないのか。
子供とはなんと面倒な生き物なのだろう。

「つまりだな、ええと・・・お前の親父は、お前の面倒は自分で見たいんだよ。他の誰でも良いんじゃなくてな。何故なら自分がお前の親で、お前は自分の子供だからだ。」

厳密に言えば親子では無く兄弟だが、今のノアの中ではローゼンバーグは親なのだから嘘は言っていない。
しかしこれ以上どう言ったら良いのか、ベルガには分からない。
頼むから理解してくれ。
そう願うばかりである。

「大事なんだよ。お前が大事だから、誰かに任せたくない。分かるか?」
「はい。」
「だったら泣くな。そんな情けない顔で会ったらローゼンバーグに余計な心配を掛けるぞ。」

そしてベルガはラーサーやドレイスに無駄に吊るし上げられる可能性に晒される。
高確率で。

しかし最後の一言が効いたのか、表情を引き締めたノアは袖で涙を拭った。
その面差は嘗てのガブラスを彷彿とさせて、確かにあの切れ者と同一人物であるとベルガは妙な所で感心した。

それにしても”あのガブラス”の幼年時代が腰抜けと紙一重なぐらい気弱だとは。
ヒュムとは分からないものである。


立ち上がったベルガはノアを手招きした。
廊下のど真ん中で立ち尽くしていても邪魔になるだけだ。
取り敢えず、局員の休憩室にでも連れて行くか。
あそこなら飲食物がある。

ベルガと共に歩き出したノアは、ベルガのマントの端の方を小さく握った。
あまりに控え目な自己主張に、苦笑いを浮かべたベルガはノアの頭を撫でてやる。
ノアは驚いた様だったが、ベルガを見上げると嬉しげな笑みを浮かべた。

ちょっと撫でてやっただけでこれだ。
単純すぎる思考回路を、ベルガは鼻で嗤った。


ちびノア------------と言うか、子供時代のガブは良くも悪くも空気の読める子だったので、この人(ベルガ)は子供が嫌いっぽい。自分の面倒見るのも嫌々?じゃあお利口さんにしていないと怒られちゃうかなあ・・・とか子供なりに色々考えたんだと思います。
元々大人しそうなイメージですけどね。
居るのか居ないのかわからないぐらい。

対してバッシュは子供時代からバイタリティに富んでいたので、お兄ちゃんに引っ張って貰えないと動けない弟だったら私が萌えます。

今回どうにもノアがネガティブなのはバッシュが居ないからと言う設定。
いつも一緒に居て心身のバランスを取っていた兄が不在の為、不安定になったらしいです。
普段は父バッシュが一緒なので辛うじて安定している模様。

ベル「お前、甘やかし過ぎ。」

ウォス「同感だな。」

バシュ「親として?兄として??」

ベル&ウォス「「両方。」」

バシュ「そうかなあ。自分では控えているつもりなんだけどなあ。」

ベルガ「どの辺をどう控えているのか御教授願いたいものだな。」

ウォス「止めておけ。日が暮れても終わらんぞ。」

13/04/02日一部追加。

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