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あたりまえ

FF12。
時系列は・・・特に指定無いです。
本編スタート前・・・とか?(適当)

局長大好きハウゼン君。












数日前から降り続く雨は幾らか勢いを弱めたが、それでもどんよりと重く垂れ下がった雲は分厚く、到底晴れ間など望めない黒さだった。
そんな中、公安総局の出入口で大判のタオルを抱えたハウゼンは同僚達と只管に外を見つめていた。
少し前までは立番の局員と世間話を交わしていたのだが、それもいつまでも続くものでも無い。

「お戻りになられたぞ!」
「!」

小声の同僚に応じたハウゼンがタオルを広げる。
僅かな間を置いて、全身から水を滴らせたハウゼン達の長が数名の部下を連れて足早に局内に入って来た。

「お疲れ様でございました。後は我々が引き継ぎますので、どうぞお召し替えを。」
「うむ。」

労いの言葉と共にタオルを差し出す。
待機していた他の局員が全身濡れ鼠になった同僚達にタオルを渡しているのを視界の端に捉えながら、ハウゼンが頭を下げると、タオルを受け取ったガブラスは小さく頷いた。

「御苦労。」
「はっ。」

張りのある低音にハウゼンはもう一度頭を下げる。
声をかけて貰えた事が嬉しくて、ついつい口元が緩んでしまったが、意識して真面目な表情を作ったハウゼンが顔を上げると、ガブラスは鎧の水気を拭き取りながら待機組の局員と何やら話し込んでいた。

途端にハウゼンは不安になった。
いつまでも濡れたままでは風邪を引いてしまうかもしれない。
早くシャワーを浴びて着替えて欲しいのだが、上司の話の腰を折る訳にも行かない。
どうしたものか思案に暮れていると、ガブラスと話していた古株の局員から声がかかった。

「ハウゼン。」
「はっ、はいっ!?」

我に返ったハウゼンの声は引っ繰り返った。
先輩局員は苦笑いともなんとも言えない表情を浮かべて、局員寮を顎で指し示す。

「局長を手伝って差し上げろ。」
「はっ!」

背筋を伸ばしたハウゼンは敬礼で応じた。


粗方拭いたとはいえ、水気を含んだ鎧もマントも重たいだろうに、それでもガブラスの歩く姿は颯爽として美しかった。
数歩分後から付き従いながら、ハウゼンは見惚れた。
そんな部下の様子に毛ほども気付かぬガブラスは、ちらりと窓の外に視線を向けて、小さく溜息を吐く。

「こうも雨が続くと気が滅入るな。」
「はい。」

肯定的な返事をしたが、その実ハウゼンは天気など大して気に留めてはいなかった。
雨が降ろうが雪になろうがガブラスの凛とした気高さに変わりは無く、貫録に満ち溢れた姿はどの局長と比べても各段に上だ。
その様な立派な男が己の長で、ハウゼンはその手伝いが出来る。
他に何を求めよと言うのだ。


すっかり心浮かれていたハウゼンは立ち止まったガブラスに気付かず、危うく追い越す所であった。
ガブラスの部屋に着いたのだ。

「入れ。」
「し、失礼します。」

意味も無く緊張して、促されるまま両開きのドアを潜る。
ガブラスの部屋に入るのは初めてだ。
局長級の部屋なのだからさぞかし立派な作りをしているのだろうと思ったが、室内は予想外にシンプルだった。
否。確かに作りは立派だ。
ハウゼンの部屋とは比べ物にならないぐらいに広いし、調度品の重厚感も桁が違う。
だが煌びやかな飾りなどどこにも無く、必要なもののみが置いてあるだけで。

「失礼します!」
「頼む。」

背筋を伸ばしたハウゼンは、ガブラスが鎧を脱ぐのを手伝い始めた。

ハウゼンの纏うそれとは全く意匠の違う防具は、凝った作りの剣共々ジャッジマスターの証だ。
局長に昇格した時に皇帝から下賜されるそれらは全て一点もので、同じ鎧を纏った局長は居ない。
一見同じものに見える紋章入りのマントもそれぞれに合わせた丈で誂えられていて、それだけジャッジマスターは他とは一線を画した存在なのだ。

それなのにガブラスは局員達と同じ様に現場に立ってくれる。
局長の立場で、局員達と同じ目線で居てくれる。
面倒も、汚れる事も厭わずに。
ハウゼンは、それが嬉しかった。

鎧を脱いだガブラスは、シャワールームに消えた。

ふと視線を落とすと、鎧の内側にはまだ水滴が残っていた。
ハウゼンは、架台に掛けられていた布で一つ一つ丁寧に拭き始めた。
少しでも水気が残っていたら、錆の原因となってしまう。
あれだけ雨に打たれたのだからどの道整備は必要になるだろうが、今、手入れをしておくかどうかでその後の手間のかかり具合がどれほど違うかは、ハウゼンも良く知っていた。


「すまんな、ハウゼン。」
「いっ、いえっ!」

全体の三分の一ほど拭き終えた所で、ガブラスが戻って来た。
名を呼んで貰えた嬉しさを隠しながら顔を上げると、濡れ髪にタオルを掛けたガブラスは、新しいインナースーツを身に纏っていた。
ハウゼンは暫し呆けた。
黒いインナーは支給品で、ハウゼンも同じ物を着ている。
だが鎧姿のガブラスしか知らなかったハウゼンにとって、それ以外の恰好をしたガブラスは余りに目新しかった。
インナー越しにも徹底的に、しかし無駄なく鍛え込まれている事が見て取れる体躯は、見事としか言い様が無い。

なんとも間の抜けた表情を浮かべている己にハウゼンが気付いたのは、拭き終えた防具をガブラスが手に取った時だった。
一応纏う順に拭いていったが、急がねばガブラスがいつまでも装備できない。
ハウゼンは必死になって再度拭き始めた。


「手間を掛けたな。」
「とんでもございません。」

再び労いの言葉を掛けられて、背筋を伸ばしたハウゼンは敬礼をした。
息吐く間もなく拭き続けて最後の手甲を拭き終えた時、ハウゼンは酸欠を起こす一歩手前だったが、ガブラスが鎧を纏うのも手伝ったハウゼンは甚く満足していたのだ。

明日も明後日も、その次の日もそのまた次の日も、ハウゼンはガブラスの為に全力を尽くすだろう。
それが、ハウゼンの当たり前なのだから。


私の中でハウゼン君が局長が大好き過ぎて若干不憫・・・と言うかアホの子になりつつあります。
局長もハウゼンの一生懸命さを買って補佐役とかにそのうち昇格させてくれたら良いと思います。


ハウ「やべェ・・・俺、マジで局長大好き過ぎる・・・!!」

同僚「俺はお前がいつ道を踏み外すかと思うと気が気じゃ無くてたまらんよ。」

ハウ「ん?道ってどの?俺は方向音痴じゃないぞ別に。」

同僚「そうかそうか。そのまま真っ直ぐ迷わず脇目を振らずに育てよ。」

ハウ「はあ?俺もう成人してるんだぞ?これ以上育たないだろ・・・」

13/09/24日一部手直し

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