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願いを<6> Basch

実に久しぶりに続きを書いた気がします。
まあ続きと言っても突然話が過去に戻ったり飛んだり来たりと滅茶苦茶なのですが。

ザルガバースと双子。











仕事を終えてバッシュが自室-------------と言っても実際は弟の部屋だが------------に戻ると、中は静かに大騒ぎになっていた。
矛盾している様だが、聞こえたのが矢継ぎ早の囁き声だから間違いではない。

「駄目だガブラス。まだ早い。」
「早くない。」
「駄目だ。もう少し休まねばいずれすぐに体調を崩すぞ。」
「そんな事は無い。」
「・・・・・・・・・・・・・。」

淡々と、だが緊迫感を伴った言い合いをしているのは、ベッドを出ようとするノアと、それを懸命に押さえるザルガバースだ。

「どうしたんだい?」
「おお戻ったかローゼンバーグ。どうもこうもない。卿からも説得してくれ。」
「要らん。失せろ。」
「ええと・・・話が見えないのだけれど?」

いきなり説得しろと言われても意味が分からない。
吐き捨てる様な声にバッシュは弟が相当に機嫌を損ねている事を知って、手早く纏っていた鎧を外すと弟のベッドの縁に腰掛けた。
安堵の息を吐いたザルガバースがノアから離れる。

「どうしたの?ノア。」
「どうも。」

憮然と応じた弟に肩を竦めたバッシュはザルガバースを見上げた。
こうなるとこの頑固者は梃子でも口を開かないのだ。

「それが・・・大分体調が戻ったから体を動かしたいと言い出して・・・。」
「へえ。」

事情を問われたのだと正確に解したザルガバースの説明に、些か間の抜けた声を上げたバッシュは、視線を弟に移した。
ノアはそっぽを向いたままで、引き結んだ口は微動だにしない。

「あ、そう。じゃあこうしようか。私と組手をして、勝てたら好きにして良いよ。」
「ローゼンバーグ!?」
「だってほら、それなら望み通りノアは体を動かせるし、自分がどの程度回復しているのかも分かるだろう?」

バッシュの提案にザルガバースの声が引っ繰り返った。
しかしバッシュは構わずにベッドから立ち上がると、ノアも無言で立ち上がった。

「止せガブラス!無謀だ!」
「・・・・・・・・・・・。」

今度はノアを止めに入ったザルガバースを、弟は無言で押し退けて、バッシュの前に立った。
バッシュは苦い笑みを浮かべた。
元々然程大柄では無かったが、ノアは寝込んでいる間に一段と痩せた。
当然と言えば当然だろう。
療養中だと言うのに偏食は変わらず、しかもほぼ寝たきりの生活では腹が空く訳も無く、必然的に食べる量が減った。
バッシュに限らずドレイスやザルガバースもあの手この手で食べさせようとしたが、偏屈且つ強情なノアは頑として受け付けず、結局根負けしたのはバッシュ達だった。

「ノア?止めるなら今だよ?」
「うるさい。」

うろたえるザルガバースを尊重して一応諫言してみたが、弟の返答は明快だった。

「本当に聞かないね。」

困った様に笑ったバッシュを、ノアは睨み付けて来た。



勝敗は一瞬で決まった。物音も殆ど無い。
当たり前だった。
環境こそ変わったが現役のバッシュと、休養を続けるノアでは端から勝負になるわけがなかった。

弟を組み伏せ、腕を捻り上げたバッシュは片眉を跳ね上げた。

「どうしようね?あまり言う事を聞かない様だったら関節でも抜いておこうか。皆忙しいのにお前を四六時中見張ってくれなんて言えないものね?」
「ぐッ-------------------------!」
「ま、待てローゼンバーグ!」

言うなりバッシュが掴んだままの腕を更に捻り上げた。
ノアの噛み殺し損ねた悲鳴に、ザルガバースが慌ててバッシュを止めに入る。
しかしバッシュは放さなかった。
ノアの腕を掴んでいる手と、肩の付け根に当てた手をザルガバースが引き剥がして、バッシュを押し退け、そして無理矢理兄弟の間に割って入った頃にはザルガバースの息も荒くなっていた。

「止めろローゼンバーグ。これ以上は私が相手になるぞ。」
「おやおや。良かったね?ノア。優しい同僚が居てくれて。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」

嫌味を言うと、ザルガバースに助け起こされた弟は無言で睨んで来た。
苦笑いを浮かべたバッシュが近付くと、ノアとザルガバースはほぼ同時に身構えた。

「もう何もしないよ。」
「・・・・・・・・・・。」
「ノアと話がしたいんだ。」

ノア本人よりも余程警戒しているザルガバースに、バッシュは小さく笑んだ。
彼らは互いに良き友人なのだろう。
若干ザルガバースに過保護の気はあるが、ノアもザルガバースを信頼している様子だ。
ノアが制すると、頷いたザルガバースは身を引いた。
と言っても背後からノアを支え続けるのは止めない様だ。

「ノア?」
「・・・・・・・・・。」
「お前の気持ちが分からない訳ではないよ。でも、焦ってはいけない。」
「・・・・・・・・・・・・いつまでもダルマスカからお前を取り上げているわけにはいかない。」

ぼそりと呟かれた、しかししっかりと耳に届いた言葉。
もう少し自分の為に生きても誰も責めはしないのに、心優しい弟はそれが出来ない。

膝を折ったバッシュは、弟の頬にそっと手を当てた。

「良いんだよ。許しは得ているし、それに今しっかり休んで治さないと、絶対後で何かあるに決まっている。」
「何かって何だ。」
「それは知らないよ。」

即答にノアは目を眇めた。
無責任だがバッシュとて医者では無い。
ザルガバースが吹き出しそうになったのを見て、バッシュは折角だから追い打ちを掛けようと思った。

「大体もう無理が利く歳でも無いだろう?若くないんだから。」
「無茶苦茶やってるお前が言うな!歳は変わらんだろうが!」
「!」

ノアが怒鳴った瞬間、堪え損ねたザルガバースは吹いた。
無茶苦茶なのはノアにも言える事だ。
バッシュがにやりと笑った一方、目を剥いたノアは背後を振り返る。

「ザルガバース!笑い事じゃ無い!」
「す、すまん・・・!」
「ノア!八つ当たりしないの!」
「何だと!?」
「ローゼンバーグ!もう止めてくれ・・・!!」

弟には怒られるし兄には笑わされるしでザルガバースにして見れば散々だろうが、生憎バッシュは面白がっているのだ。
止めろと言われて止めては勿体無い。

「大体お前だって----------------------」

更に文句を言い募ろうとザルガバースを押し退けたノアが身を起こした。
直後。
その顔から一気に血の気が引いた。
流石に驚いたバッシュが傾いだ上体を支える。

「ノア!?」
「だから言わぬ事では無かろう!」
「えーっ、私に言う?」

ザルガバースに怒られたが元を糺せば悪いのはノアだ。
バッシュが口を尖らせると思い切り睨まれてしまった。
どうやらザルガバースは若干どころでは無く過保護だったらしい。

溜息を吐いたバッシュは、すっかり軽くなってしまった弟の体を担いだ。


すごくすごくバッシュが他人事みたいな顔してますが、兄さんも充分過保護ですから。
兄さんvsザルで過保護対決やってもらいたいですな。
漏れなくガブラスさんがうんざりする仕組みです。

怒るバッシュと言うのは余りイメージが湧かなくて、何やったら怒るんだろう?どうしたら怒るんだろう??
一時期そうやって悩んでいた時期がありました。
何とかしてバッシュを怒らせられないものか、と。

で、最近、ノアがバッシュにしか怒らない様に、バッシュもノアにしか怒らないんだな、と言う結論に落ち着きました。
あースッキリした。



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