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悲劇か喜劇か 番外編<3>

超長いです。
本当長いです。
びっくりするぐらい長いです。
そしてやっと続き書けました。
でもまだ終わらないんだぜー。
・・・・・・・・・スミマセン。

何はともあれ、お待たせしました<(_ _)>
















ウォースラは駆けていた。
ザルガバースも駆けていた。
ギースもベルガもドレイスも、急遽召集をかけた局員達も、文字通り駆けずり回っていた。

「な、なんなんだあの小僧共は・・・!」

ウォースラは忌々しげに呟いた。

バッシュとノアが脱兎の如くウォースラとザルガバースの目前から逃げ出してから、既に数時間が経過している。
少し前まで二手に別れたり、合流したりを繰り返しながら逃げていた双子は、どこへ消えたか姿が見えなくなった。

別段自分だけを庇護する訳ではないが、土地勘の無いウォースラが探しあぐねるのは仕方無かろう。
だが、日々ここで働いているであろうジャッジ達までもが右往左往している姿を遠目に見て、ウォースラは深々と溜息を吐いた。

なんと厄介な子供達であろうか----------------------

溜息のついでに息を整えて、目の前の階段を降りかけた矢先だった。

「居たぞー!西棟だ!」
「!」
「東棟に居ました!」

ほぼ同時に遠くに聞こえた誰かの声に、ウォースラは降りかけた階段を駆け上がった。
ウォースラが今居るのは南棟である。
上階に渡り廊下があったはずだ。

「チッ・・・また二手に別れたか・・・!」
「アズラス!東は私が行く!」
「ザルガバースか!頼む!」

階段を上がり切った所で居合わせたザルガバースが右方向へと走り去る。
左へと向きを変えたウォースラは、西棟に入るなり唖然とした。

一般局員であろう同じ鎧を纏った男達が団子状態になってわあわあ騒いでいる。
僅かな隙間に濃い金髪が見えて、ウォースラは引き攣った。

髪が長い。バッシュだ。

「何をやっとるんだ貴様らは。」
「あっ、アズラス将軍!」
「それがこの子供、すばしっこくて捕まえられな・・あっ!」
「・・・・・・・・・・・・・・。」

ごつり、と鈍い音がして、何人かが頭を押さえて屈んだ。
四方から一斉に取り押さえようとして、失敗したらしい。
その隙にバッシュはすぐ先の交差した廊下へと姿を消した。
もう一度溜息を吐いたウォースラは、蹲るジャッジ達を横目に見つつ、何とも言えない気分で後を追う。

大の大人が揃いも揃って右も左も分からぬ様な子供に振り回されるとは。

ウォースラは頭を乱雑に振って、気分を切り替えた。
上手く行けば西棟----------------ザルガバースや弟の居る方へ行くやもしれない。

それにしてもバッシュは意外に足が速かった。
尤も、防具を纏っている大人達に比べて彼らは装備の「そ」の字も無いのだから、当然と言えば当然だろう。

「最悪だ・・・・。」

ウォースラは追いかけながらぼやいた。

今日初めて知ったが、子供で一番恐ろしいのは、底知れぬスタミナかも知れない。
ウォースラ達は良い加減うんざりしているのに、バッシュとノアは平然と駆け回っている。
見掛ける度に飄々とした様子は、若しかすると鬼ごっこでも楽しんでいる気分なのかも知れぬと思うと、双子の事なぞ捨て置いて、ダルマスカに帰りたくなった。

彼の国は良い。
気候風土こそ激しいが、国そのものの気質は穏やかで温かくて-------------------

「!」

うっかり現実逃避をしてしまったが、バッシュが廊下の角を曲がったのを見て、ウォースラはほくそ笑んだ。
あっちには東棟---------------------ノアと追いかけたザルガバースが居る。
上手くいけば一網打尽に出来るかもしれない。

「ノア!」
「バッシュ!」

双子が互いの名を呼ぶ声を聞いて、口の端に浮かんだ笑みは更に深くなった。

「ザルガバース!そっちにバッシュが------------------」

追いながらウォースラも東棟に入った。
これで挟み打ちになり、二人の逃げ場は無くなった。

長い廊下の両端にはウォースラとザルガバース。
そして真ん中付近にはバッシュとノアがぴたりと身を寄せ合っている。
ノアは不安げにバッシュの手を握り締め、バッシュは安堵させる様にその手の甲を優しく撫でた。

ザルガバースがウォースラの姿を認めた上で身構えた。
長身を生かして両方とも捕まえようと言う腹積もりの様だ。
ウォースラの方に逃げて来ても纏めて捕まえる予定だから、後は時間の問題である。

じりじりと距離を詰める。
ドレイス達も東棟に向かって走って来る様子が遠目に見えた。

「ノア?」
「うん。できるよ。」

バッシュが弟の顔をちらりと見た。
ノアは兄に頷いた。

「!ザルガバース、そっちだ!」
「分かった!」

バッシュとノアの視線がちらりとザルガバースの方へ向いた瞬間、ウォースラは叫んだ。
その後はまるで一挙手一投足がスローモーションの様に映った。
応じたザルガバースが手を伸ばす。
同時にバッシュとノアは駆け出していて、バッシュはザルガバースの動きに警戒したのか、一瞬足を緩め、ウォースラを振り返った。
向きでも変えるのかと焦ったウォースラが追い駆け始める。
その時、バッシュにばかり気を取られていたが、ウォースラは何と無しにノアを見た。

ノアはバッシュを見ていなかった。ウォースラを振り返りもしなかった。駆け出した足に速度を乗せ、ただ、ザルガバースを見据えていた。
ザルガバースは?彼はどこを見ている?
ザルガバースは---------------------

「ザルガバース!バッシュは囮だ!」
「!?」

双子は既に距離を詰めつつあったウォースラとザルガバースの殆ど目と鼻の先に居た。
ザルガバースはバッシュの微妙な動きに気を取られつつもウォースラの声に慌ててノアを抱き込もうとする。
その、小さな姿が一瞬で視界から消えた。

「何ッ!?」
「!?」

ザルガバースとウォースラは同時にその動きを目で追う。
ザルガバースの腕が今まさにノアを捕まえようとしたその瞬間、ノアは床を軽く蹴っていた。
軽く蹴って、殆ど倒れる様な恰好で勢い良く床を滑り、小さく華奢な体は大きく開いたザルガバースの脚の間を擦り抜けた。

ノアを捕まえる恰好のままザルガバースが咄嗟に背後を振り返り、
その隙にバッシュがザルガバースの横をすり抜け、弟を引き起こしながら走る。

「あっ、避けろ!」
「え!?」

ザルガバースの視線がウォースラに向いたのは、止まれなかったウォースラがザルガバースに突っ込む直前だった。
結局ぶつかって、互いに反動で床に転がる。

「良くすべる床で良かったね。」
「うん。」

飛び起きた時には小さな足音は大分遠退いていた。

幼い兄弟の和やかな会話を耳にしつつ、ウォースラは全身から力が抜けた気がした。
ザルガバースは長い長い溜息を吐いている。

走りながら兄が弟の服を軽く叩いてやっている姿が微笑ましくて、それが尚更虚脱感を齎した。

「やられた・・・・・!」
「アズラス!ザルガバース!あの子ら!?」
「・・・・・・・・・・・・。」

一足遅く飛び込んできたドレイスに、ザルガバースが力なく背後を指差した。


ずっと頭の中で追いかけっこを楽しんでいるちび双子が居て、でも上手く話が繋がらなくて長い事放置してしまいましたが、やっと纏まった・・・!

多分ちび双子から見た大人達は鈍臭くて、バッシュだったら「あんな大人にはなりたくないよねーノアw」ぐらいは言いそうです。

・・・嫌な子供だ・・・!

余りに長いので、当初は書くだけ書いて、後で分けようかと思ったのです。
が、勢いのある内容なのでブツ切りするよりも一気に進めてしまった方が良いかなあ・・・と思い直しまして。
いや本当長くてすみませんです・・・。

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