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お兄ちゃんといっしょ 和解

バッシュとガブラス

その後のお兄ちゃんといっしょ。

捏造色盛り沢山な上にFF12の世界観絡みの話ですので、未プレイの方にはネタバレになる可能性があります。
閲覧される際は御注意下さい。


















領域に戻ったノアは、バッシュが居た事に驚いた様で、すぐに踵を返した。
その手をバッシュが掴む。
睨み付けて来た弟を、バッシュは眇めた目で見返した。

「いつまで逃げて回るつもりだい?」
「------------------逃げてなど。」
「では何故そうも露骨に俺を避ける?」
「ハッ、己の胸に問うてみたらどうだ?」

眉を寄せたバッシュを、弟は鼻で嗤った。

「放せ。貴様に用は無い。」
「生憎俺にはあるんだ。漸く捕まえたよ、ノア。」

力任せに振り解こうとする腕を、思い切り引き寄せた。
ノアはバランスを崩して、敢え無くバッシュの腕の中に収まった。
逃げようとする背中に手を回し、万感の想いを込めて抱き締めた。

「放せ!」
「ノア。あの時、お前を連れて行くべきだったよ。」
「----------------------!お前、記憶が・・・・・・・・?」

ノアの声は掠れていた。
相当驚いた様だ。
バッシュは小さく笑った。

この世界の戦士は、殆どが元居た世界の記憶を持っていない。
カオスの戦士達は割合覚えている様だが、それはコスモスの戦士達と比較してであり、ノアとて全て憶えているわけでは無い様だ。

「どうも俺はイレギュラーな存在みたいでね。イヴァリースの記憶は失っていない。照合のしようが無いから、恐らく、だけどね。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

ノアは黙り込んだ。

既に亡き祖国が帝国軍の猛攻に陥落する際、母親共々弟を見捨てたのはバッシュだ。
ノアも憶えている様だ。
だから、こんなにも泣きそうな顔をしているのだ。

バッシュに気取られたと思ったのか、ノアは俯いた。

「母上ももう余り長くは無かったのだから、看取ってからお前と旅に出れば良かった。・・・・・・・でも、あの時の私は一分一秒でも早く何とかしないとランディスが滅んでしまうと思っていたんだ。だから何とかしたかった。その一念だった。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・だからどうした。だから何だ!そうだ!お前の判断は間違っていなかったんだろうさ!!ランディスが滅んだのは俺達が帝国に逃げ延びた直後だったからな!!」

俯いたまま叫んで、ノアは握った拳でバッシュの肩を叩いた。

「でも、本音はそうじゃないだろう?お前は帝国に行きたくなかっただけだ。もう、逃げる先は帝国ぐらいしか無かったからな。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

絞り出す様な、小さな、苦しげな声。
バッシュは弟の頭を撫でた。何度も。丁寧に。

ノアの言った通りだ。
当時のバッシュは、ランディスを滅ぼした帝国にだけは行きたくなかった。
祖国を立て直したいと掲げた大義名分は、単なる口実に過ぎなかった。

最後までランディス騎士団員で在ろうとしたノアとバッシュを、反対に、古株の騎士団員達は拒んだ。
年若く、未来ある子供達を死なせるわけにはいかないと、最終的には詰所にすら入れてもらえなくなった。
その時点で、バッシュは旅支度を始めた様な気がする。

既に、周辺の国にはランディスを捨てた民らが続々と流れ着いていた。
出遅れた母子に選択肢は少なく、病身の母親と、世間知らずの息子では身寄りの無い国で暮らすのは難しい。
だから、行くとしたら、母が生まれたアルケイディア帝国しか無いとバッシュも分かっていた。
だが、どうしても、大好きな祖国を攻めた国には行きたくなかった。
幸せな日々を壊した帝国を、許せなかった。

「ノア、分かってくれなんて言わないよ。俺がお前にした仕打ちはひどいものだ。でも、それでも俺はお前を愛している。昔から、今もずっと。」
「勝手な事を。」

ノアは吐き捨てる様に言った。
バッシュは苦く笑った。
優しかったノアを、ここまで変えてしまったのは自分だ。
矢張り連れて行けば良かったのだ。
病の母に宛ての無い旅は辛かっただろうが、暮らす国が無くなってしまったのなら、亡くなった地に葬れば良かっただけの話だ。
そして兄弟二人で、苦しくても何とか生きて行けば良かったのだ。
二人を足手纏いだと、見捨てたのは自分だ。

「放せ。お前なんか嫌いだ。」
「じゃあ、何でカオスの所に行ったんだい?自分の命を引き換えにしてでも、俺を元の世界に戻そうとしたのはどうして?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

途端に黙り込んだ。
予想通りだったから、バッシュはつい笑ってしまった。

優しいノア。
可愛い、バッシュだけの弟。
たった一人の、愛しい弟。

顔を覗き込むようにして鼻に軽くキスをすると、睨まれた。

「・・・・・・・・・・・・・お前なんか嫌いだ。」
「俺は愛しているよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・嫌いだ。」
「うん。ノアがそう思うのなら構わない。」

でもね?
私はお前を愛しているよ。

バッシュが言うと、ノアはもう何も言わなくなった。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・放せ。」
「嫌だ。」
「・・・・・・・・・・・・・・バッシュ。」
「嫌だよ。二度と離さないって決めたんだ。もう、絶対に失いたくはないんだ。お前はまた俺だけ元の世界に戻そうとする気だろう?そんな事はしなくて良いから、俺と共に居てくれ。」

どこにも行かないで。
傍に居て。
ずっと。
ずっと-------------------

「ごめんよ、ノア。辛い思いをさせたね。独りで苦しかったよね。ノアはもう俺なんかいらないかもしれない。でも、俺はノアが居ないと駄目なんだ。ずっと一緒が良い。もう離れたくない。」

捲し立てる様に言い募ると、ノアは深い、腹の底から絞り出す様な溜息を吐いた。

「勝手な事を。お前は馬鹿だ。その場の思い付きで勝手に突っ走って、誰が尻拭いをすると思っているんだ馬鹿が。」
「そうだよ。馬鹿だよ。だからノアが居ないと駄目なんだ。」

だから一緒に居てよ。
そう言うと、ノアはもう一度深い溜息を吐いて、矢張り「馬鹿が」と言った。


お兄ちゃんはある意味確信犯です。
食い下がれば弟が折れてくれる事を知っているのです。

似た様な話を”願いを”(作品一覧FF12内に格納してあります)と言う長編SSの中でも書きましたが、こちらでは完全に和解→双子でイチャコラ~な流れになって欲しくて、改めて書いた次第です。

武人「------------------で?」

バシュ「え?」

武人「話が済んだのなら放せよ。」

バシュ「え?やだ。」

武人「暑苦しいんだが。」

バシュ「そう?俺は幸せだけどな~。」

武人「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」



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