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夢幻の果て

時系列は013開始~途中ぐらい(適当)と言うイメージで書いております。
原作?勿論無視です。毎度の事すぎて開き直ってます。


幻想×武人。魔人と猛者も居る。
シリアスな感じで。














「いきなりこんなワケわかんねえトコに連れて来られてもなあ・・・。」

ぼやいたジェクトに正面の大男が小さく吹いた。

「上手い事を言う。正鵠を射ているな。」
「だろ?オレ、ジェクト。宜しくな。」
「ゴルベーザだ。宜しく頼む。」

気さくに差し出した手をゴルベーザは握り返してくれた。
見た目は厳ついが意外に良い男なのかもしれない。


有難いのだかどうだか良く分からない神の訓示を聞き、個々に解散するカオスの戦士達の間を擦り抜けながらジェクトはゴルベーザの隣に並んだ。
話を聞いている間、ずっと抱えていた違和感を口にする。

「・・・あのよう、カオスの戦士って、もう一人いなかったっけか。」
「もう一人?」

ジェクトの言葉に立ち止まったゴルベーザは首を傾げた。

「今居た者等で全てだと思うが。後はイミテーション・・・。」
「違う違う。あんな変な連中じゃなくてよ、もう一人いた気がするんだよなあ・・・。」
「?」

腕組みをしたジェクトが歩き出すのに合わせて、ゴルベーザも歩を進めた。

「もう一人・・・な。」
「悪ィ。自分でも何言ってんのか分かんねえんだ。でも気になるっちゅーかなんちゅーか・・・。」

口を尖らせながらゴルベーザと去るジェクトを、何故かガーランドが出入り口の所で見送った。
その目がひどく昏い色をしている事を、ゴルベーザと話し込んでいるジェクトは気が付かなかった。


それからジェクトとゴルベーザは何かと会い、話をする様になった。
互いに身内が敵対するコスモス勢に居ると言う共通点もあり、何よりゴルベーザはジェクトの話を面倒がらずに聞いてくれる。

「それで?その”もう一人”はどの様な者なのだ?」
「男だな。ごつい鎧を着てる。顔は分かんねえけど・・・。」

思い出せない存在がどうしても気になるせいか、いつからかジェクトは夢に見る様になっていた。
夢を見る度、忘れる前にこうしてゴルベーザに報告するのが最近のジェクトの習慣だ。
そうする事で忘れなくなるし、考える事が苦手なジェクトも夢の内容を整理出来るのだ。

夢の中で男の顔を何度も見た筈なのに、目覚めた時には輪郭しか憶えていない。
その癖常に厳しい表情を浮かべている、などと細かい所は印象に残っているのが嬉しい反面、不満だった。
顔が分からないから尚更気になる。
そして夢に見て、結局苛立つ悪循環を繰り返しているが、少しずつ夢の中の男の事が分かっては来ていた。

繰り返し見ていれば、もっと男の事が分かるかもしれない。
どうして夢の男がこんなにも気になるのかジェクトにも良く分からないが、叶うならば今すぐ目の前に現れて欲しいと思うぐらいには執着している自覚はあった。


「ま、今日はこんなもんかな。」
「夢の主が早く分かると良いな。」
「おうよ。じゃあな!」

手を振って、ゴルベーザの領域を出たジェクトは見慣れた人影を見付けた。
軽く挨拶をして通り過ぎようと思ったが、人影-----------------ガーランドはジェクトの行く手を阻む様に近付いて来る。

「なんだぁ?」
「ジェクト。悪い事は言わん。それ以上探りを入れるのは止めておけ。」
「あん?」

言われた意味を把握するまで時間がかかった。
ガーランドが言っているのが”夢の男”の話だと気付いた途端、ジェクトはこれ見よがしに眉を寄せた。

「なんでてめえにんな事言われなきゃなんねェんだよ。」
「無駄な事だからだ。」
「何が無駄なんだよ?・・・お前、何を知ってる?なあ、知ってんなら」
「それは最早この世界には関わり無き者。失せた影を追い求めて神の意向に従わぬと申すのなら、カオスにも考えがあろう。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」

ジェクトはガーランドを睨み付ける。
その手が巨大な剣の柄を強く握ったのに気付いたガーランドも剣を構える体勢を取った。

睨み合う事暫し。

しかしここで争っても意味が無いと感じたジェクトは器用に片眉を跳ね上げ、しかし不快感も露わに唾を吐き捨てた。

「けっ。オレが何をしようと勝手だろ。てめぇの指図なんか受けるかよ。」
「目に余る様であれば--------------」
「言ってろクソが。戦いに勝てばそれで良いんだろ?神サンも言ってたじゃねえか。」
「ジェクト!」

ジェクトは大股に歩き出した。
ガーランドの怒声を無視して。


その後見た夢は特に代わり映えをしなかった。

相変わらず男の顔は覚えていられない。
偶に何か喋っていても声は聞こえない。
そのくせ夢の中のジェクトは楽しいのに、男はいつ見ても面白くなさそうな顔をしていた事だけが記憶に残った。

それでも、ジェクトは男に会いたかった。
そんな生半な気持では無い。
ジェクトはいつの間にか顔も分からぬ男に惚れていた。
違う。
惚れているから夢に見たのだ。

妙な確信を持って、ジェクトは月の渓谷へと向かった。


ゴルベーザにガーランドとの一連のやり取りを怒り交じりに話すと、矢張り彼もガーランドが何か知っているのでは、と言った。
とは言えあの調子では聞いたところで何か教えてくれるとも思えない。
だが、”夢の男”は確かにこの世界に居たのだ。
初めて男の存在が現実味を帯びて、ジェクトは嬉しい様な悲しい様な複雑な気分に駆られた。


苛立ち紛れに自分の領域へ戻る途中、ジェクトは再び足を止めた。
ガーランドが現れたわけではない。
そこにあったのは岩肌に刻まれた大きな亀裂だった。

「なんだぁ・・・?」

生来の好奇心が頭を擡げ、亀裂に近付く。
次の瞬間、亀裂が大きく口を広げ、驚いたジェクトは飛び退ろうとした拍子に足を滑らせた。
あっと思った時には体の大半が亀裂の中に飲み込まれていた。


「い・・・・・・ってぇ・・・・!」

強かに打ち付けた腰を摩りながら起き上ったジェクトは、周囲を見回して愕然とした。

一瞬、どこか別の領域へ移動したのだと思った。
今まで己が居た世界と景色が似通っていたからだ。
だが、すぐに違う世界だと言う事に気付いた。
この殺伐とした、退廃的な雰囲気をジェクトは知らない。

ゆっくりと立ち上がったジェクトは剣がある事を確認し、適当に歩き出した。
じっとしていても何も始まらないと思ったのだ。


「畜生!なんなんだよここは!!」

ジェクトは天に向かって吠えた。
イミテーションが、カオスの味方である筈の紛い物が見境なく襲いかかって来る。
何体か斬り伏せたが、段々と強い者が現れ出して、腕っ節には自信のあったジェクトも怪我が増えて来ていた。
疲労で剣が重たく感じる。しかし呑気に休憩でも取れば瞬く間にイミテーション共の餌食になるだろう。

舌打ちをして走り出したジェクトは、目に付いたひずみに飛び込んだ。
しかし----------------------------

比較的幸運に恵まる機会が多いと思っていたが、この世界に於いては不運ばかりに付き纏われるらしい。
考えなしに飛び込んだひずみには、イミテーションがひしめいていた。


死に物狂いとはこの事を言うのだろう。
ジェクトは無我夢中で剣を振った。こんな得体の知れない所で死ぬなんて、絶対に嫌だった。
あの夢の男にも会っていないのだ。せめて一目で良いから実物を拝んでみたいのだ。
だから、それまでは死ぬわけにはいかないのだ。


「ッだらァッ!!」

怒号と共に剣を振り払う。
結晶のカタマリの様なイミテーションが耳障りな悲鳴を撒き散らしながら砕ける。
よろめいたジェクトは突き立てた剣に縋り付いて何とか転倒しない様耐えた。
もうだめだった。
意地でここまで来たが、既に足元が覚束ない。視界はぐるぐる回るし、剣を振り回し続けた腕は感覚を失って久しい。
良くぞここまでこの大剣を手放さずに来たものだと我ながら感心するが、最早一歩も動けなかった。

「何者か。」
「!?」

突如耳に届いた張りのある、朗々とした声。
ジェクトは弾かれた様に顔を上げた。
ジェクトはこの声を知っていた。
初めて聞いたはずなのに、知っていた。ずっと聞きたいと思っていた声だった。

夢で何度も見た鎧姿の男が、そこに居た。
男はジェクトの顔を見た瞬間、大きく目を見開いた。
次いで、きつく眉根を寄せた。
どうやら機嫌が宜しくない様だが、そんなのはジェクトの知った事では無い。

ジェクトは剣を投げ捨てて一気に駆け出した。
あともう少しで男の許に着くと言う所で足が縺れた。
倒れ込んだジェクトを男が反射的に抱き留める。
男の肩口に顔を埋めたジェクトは、力一杯男を抱き締めた。
忘れていた名前が、記憶が男の匂いと共に溢れる様に蘇って来る。

「馬鹿な----------------------どうしてお前が・・・・!」
「ガブラスだ!ガブラスだ!!やっと見つけたぞ畜生!」

ガブラスはジェクトを覚えている様だった。
しかし今はどうでも良かった。
存在を確かめたくて必死で掻き抱く。
夢ではなかったのだ。
幻ではなかったのだ。
涙が出るぐらい嬉しくて、鼻を啜ったジェクトの背を、ガブラスは優しく叩いてくれた。


幻想なら意地と根性で絶対武人を見つけ出してくれるだろうと言うお話。
私にしてはローマンチック(Byエフハチのぎにゃあ)な感じで書けたと思います。

武人が012のどのタイミングで隠居戦線離脱したのか分からないのがねえ・・・。

ちなみに猛者は武人の事を覚えていて、ジェクトが000に放り込まれたのは猛者から混沌を介して神竜に報告が行って、武人みたいにアレコレ知られるのも厄介だから文字通り厄介払いを食らったと言う蛇足。
ちゃんと警告したのに聞かなかった幻想が悪い。
・・・と言うのが猛者の言い分。

もう記憶は遠いですが、武人の所へ行くのにイミテーションの皆様が張り切り過ぎてとっても苦労したトラウマ的な何かは残っています。
取り敢えず二度と行きたくないと思った事は確か。


武人「馬鹿が・・・!何故来た!!」

幻想「お前に会いたかったからに決まってんだろ。」

武人「--------------------------!」

武人「まっ・・・真顔で言うな!」

幻想「何だ?珍しいな。照れてんのか??何で顔背けんだよ?見せてくれよ。」←ニヤニヤ

武人「・・・・・・・・・・・!」

幻想「・・・・・幾ら恥ずかしいからってグーは無いだろう、グーは。鼻血出たっちゅーねん。そろそろ貧血起こすっちゅーねん。」

武人「そのまま失血死してしまえ!!///」

3年過ぎたPageTopまた出た素朴な疑問&ワンシーンSS

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