DFF
以前書いた「英雄御乱心」と言う話の幕間。
御乱心続行中の英雄と見捨てるに見捨てられない武人。
英雄が英雄じゃないと言うか気持ち悪いと言うか・・・。
はァ?ってなる事請け合い。
ガブラスは膝立ちをして只管銀糸の髪を梳いていた。
滑らかな手触りはとても男のものとは思えないが、
目の前で背を向けて胡坐を掻いているのは確かに男だ。
それもガブラスよりも大柄な。
ガブラスの見た限り、平素から随分と念入りに手入れをしている様だが、
それでも寝起きは乱れるし、多少でも癖は付く。
丁寧に櫛を通していると、男------------------セフィロスは徐に振り返った。
「なあ?」
「前を向いていろ。」
側頭部に手を添えて無造作にセフィロスの頭を正面に向けさせる。
セフィロスは特に抗う事も無く、素直に従った。
「おかしなものだな。」
「何が?」
淡々としたガブラスの問いにセフィロスは小さく笑う。
「普段は俺が見下ろしているだろう?」
「それが今は俺を見上げている、と?」
「ああ。」
何が楽しいのか、上機嫌のセフィロスは気持ち良さそうに目を細めた。
上背が二mにも及ぶセフィロスは、本人の言う通り大概の相手を見下ろして生きている。
ガブラスも多聞に漏れず、髪を梳くに当たってセフィロスを座らせたのも見上げ続けていると首が疲れる上にどうにも癪だったからだ。
只々穏やかな時間が流れる。
「良し、こんなものだろう。」
「感謝する。」
素直に礼を言ったセフィロスに、髪から櫛を離したガブラスは頷く。
とてもセフィロスとは思えない殊勝な言葉もここ最近は慣れた。
「ガブラス、座ってくれ。」
「?」
上機嫌が過ぎて鼻歌でも歌いだしそうなセフィロスの頼みに特に深く考えずに胡坐を掻くと、
セフィロスはガブラスの膝に頭を乗せて寝転んだ。
ガブラスが引き攣る。
「おい、今梳いたばかりだ。」
「乱れたらお前がまた梳いてくれるんだろう?」
「ふざけるな。今度は自分でやれ。」
「嫌だ。」
即答されて今度は眉根が寄った。
ガブラスは明らかに機嫌を損ねたのにセフィロスにはそれすら楽しいらしく、
もぞもぞと動いて丁度良いらしい場所を見つけると、ガブラスを見上げてにっこりと笑った。
厭味な程に整った顔立ちで。
英雄のあまりの気持ち悪さに書いている最中鳥肌が立ちましたが(キリッ
現物(笑)を目の当たりにしている武人は鳥肌なんてレベルでは済まされないのでしょう、きっと。
何が書きたかったのかと言うと、思い切り武人に甘える英雄・・・なのですが、
もうどこをどう見ても英雄では無いのでいっその事英雄の姿をした別人と思って頂ければ・・・。
個人的に英雄は人前ではキリッとしていて、プライベートになると途端に甘ったれになったら良いな、と。
武人「男の膝の何が良いんだ。」
英雄「良いも悪いも自分で試してみたら良い。特別に俺の膝を貸してやるぞ。」
武人「結構だ。」
英雄「~~~~♪」←もう聞いてない
武人「(今度はツインテールにしてやる・・・)」←イラッ
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