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昼下がり <2>

昼下がり<1>の続きです。
とりあえずこの話でおっしま~い。

一方で。
他愛も無い世間話に混じってロザリアの動向など聞き捨てならない情報も出して来るから邪険にも出来ない。
全く、一々勘に障る男だ、と眉間の皺を更に深く刻んだガブラスは、
突然眩んだ視界に思わず書類を掴んだままの右手で目元を庇った。

アルシドがいきなり”角”を掴んで兜を外したのだ。
同時に、手に持っていた書類も取り上げられる。

「何を!」

眩しさに目を細め、睨み上げたガブラスの視界に入ったのは、
事も無げに投げ捨てられ、小さな放物線を描いて地面を目指す己の兜。

思わず手を伸ばして、しかしガブラスの右手は目的の物に触れることなくアルシドに捕らわれた。
そのまま力任せに押されて、背中を木の幹に叩きつけられる。
甲冑が悲鳴じみた音を立て、次いで両手も幹に押し付けられた。

「・・・・・ッ!」

衝撃に息が詰まる。


「・・・御冗談が過ぎる様ですが?」
「冗談じゃありませんからねえ。」

地を這う様な声。
そして常人ならば腰を抜かすほどの一瞥を涼しい顔で受け止めたアルシドが口の端に笑みを刻む。

「ねえガブラス?退屈しているんです。遊んで下さいよ。」
「ラーサー様の所へ行かれれば良いでしょう。お部屋にいらっしゃるはずです。」

つい出そうになった嘆息を噛み殺したガブラスはアルシドに取り上げられてしまった書類を見つめた。

まともに相手をしていると時間を食うだけである。
隙を狙って書類を取り返し、早く局に戻らなくては。

「そんなつれない事を言わないで?」
「・・・仕事が、」
「ア~ル~シド!何してるんですか?」

変声期に入りつつある声に、アルシドが恐る恐る背後を振り向いた。
ガブラスも少し上体を傾けてアルシドの肩越しに立つ人物に視線を向ける。

そこには。
満面の笑みを浮かべたラーサーが立っていた。
その胸元には、先程アルシドに投げ捨てられたガブラスの兜が抱えられている。

何故か愕然としているアルシドの手から書類を奪い返して、幼い主の前に跪く。

「良いんですよ、ガブラス。行って下さい。」
「は。」

優しい声に膝を付いたまま一礼し、手渡された兜を受け取ったガブラスは足早に9局を目指した。
アルシドはその後ろ姿を呆然と見送って、幼い友人に視線を戻す。

にこやかな笑顔が、恐ろしい。
背筋を冷や汗が伝って下りた。

「中々戻って来ないからどうしたのかと思いました。」
「そ・・・そうですか。」
「・・・ねえアルシド。戦争は嫌ですよね。」
「・・・ええ。」

つまり、ガブラスに手を出したらラーサーには戦争を起こす用意があるのだと、
アルシドは正しく解釈した。

ならばラーサーの目の届かない隙を狙えば良いのだ。

どこまでも前向きな思考能力しか持ち合わせていないアルシドは
一先ずラーサーの怒りを解く事に専念した。



やっぱり出て来たよ黒ラーサー様。
彼の独占欲は半端無いかと。
そしてアルシドは懲りない。
9局局員にも警戒されているけれど、懲りない。

ちなみに文中でガブラスが言いかけた「仕事が、」の続きは「終わってからならば構わない。」でした。
うっかり言っていたら年齢制限話に突入してしまう所でしたねガブラスさん。

酒は飲んでも飲まれるな。PageTop昼下がり<1>

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