FC2ブログ

toxic

Mi-bbのMi様から素晴らし過ぎるガブドレを頂戴いたしましてwwww

うちのドレガブに触発されて・・・なんて有難いお言葉まで頂いてしまったのですwww
ひゃっほう!

お許しを頂けましたので宝物として飾らせて頂きまする。

Mi様、ありがとうございました!


尚、本作品は私が書いたものでは無いので、
無断転載及び無断借用を固くお断り申し上げます。








【toxic】

 扉が開き、ボーイが“いらっしゃいませ”と言う度に来客の顔を確かめずにはいられない。また違う、と落胆するのはもう何度目になるか。扉が開く音に自然と反応し、違った、と思い、意図せずにため息がもれた。
 時計を見ると、待ち合わせ時刻から10分と遅れてはいない。それでも、もう何時間も待たされている気分だった。
 こんなに落ち着かない思いをするなら、いっそぎりぎりまで仕事をしていればよかった。そんなことを考えた自分に、もう一人の自分が呆れたように反論する。
 無理に決まっているじゃないか。何日も前からこの日を楽しみにして、毎日のようにクローゼットの前で服を選んだ。今日だって一日、そわそわし通しだった。
 無理矢理定時で帰って来たが、部下に感づかれはしなかっただろうか。
 シャワーは浴びてきたが、汗臭くないだろうか。それよりも、この服はおかしくないだろうか。
 ちらりと時計を見て、先程見た時から一分と経っていないのに気付き、苦笑する。
 とは言え、遅刻は遅刻だ。来たら怒ってやろう。
 もしや、私が待ち合わせ時間を間違えて早く来てしまったのだろうか。
 鞄から手帳を取り出し、確認するが、待ち合わせの時間は20時で間違いなかった。20時、の後に書かれたGの文字を指でなぞる。
 遅いな。よもや、まだ帰国していないのだろうか。ダルマスカがそれほど好きなのか。
 9局という所属上、国外への出張も多い。諜報活動に関する情報なので、同じジャッジ・マスターといえども男がどこに行っているかは流れてこなかった。昔の私なら、そんなこと、気にもならないはずだった。それなのに、いつしか私は男の行動を知りたくなり、さりげなさを装って本人に聞くようになった。その度に男は、仕事の内容こそ口にはしなかったが、また、それが真実かはわからないが、行き先を教えてくれた。その中で定期的に、頻繁に訪れる場所があることになぜ気付いてしまったのだろうか。
 ダルマスカ…その土地の名前を聞くと、鉛を詰め込まれたように胸が重くなる。
 ダルマスカに行く前に決まって散髪に行き、そしてダルマスカから帰って来たときは別離の憂いを帯びた顔をする。なぜ私はそのことに気付かないふりができなかったのだろうか。
 男の心を捉えて離さないのは、どんな女なのだろうか。
 お互い多忙であり、何日も会わないことなどよくあったが、今回、男がダルマスカに行くと聞いた時に、帰国日に何が何でも会いたい、といつもと違う感情を抱き、それを無理を押し通したのは完全に嫉妬心だった。
 琥珀色のシェリーのグラスに映る、醜く歪んだ自分の顔をぼんやりと見つめる。
 再び扉が開く音がして、思わず顔を上げれば、今度こそ待ち望んだ男がいつも通り眉間に皺を寄せた顔で、大股に歩いてくるのが目に入った。
「すまない。遅れた。」
 怒るはずだったのに、気付けば私は微笑んでいた。
「構わん。私もさっき来たところだ。」
「すまなかった。」
 男は、ボーイに“同じものを”と言いながら腰を下ろす。
「時間には間に合うつもりでいたのだが、ラーサー様を自室までお送りしたら話が弾んでしまってな。抜け出せなかった。」
「ラーサー様と一緒に帰って来たのか?」
「あぁ。ヴェイン殿に本国まで送ってほしい、と頼まれてな。」
「ほう。陛下に続き、ヴェイン殿もお前をラーサー様の守護者と認めたか。」
「そんな大層なものではない。しかし、ラーサー様は聡明でいらっしゃるから、供していると楽しいし、色々と勉強させられるのは確かだな。」
 しばしラーサー様の話で盛り上がったが、話しながらも、どのように話を持って行けばさりげないのか、考え続けていた。
「ラーサー様はヴェイン殿とラバナスタの観光を楽しんだそうなのだが、一番心に残ったのがガルテア様式の大聖堂だそうだ。」
「お前も見たことがあるか?」
「いや、俺はない。」
「ダルマスカで街を歩くような自由な時間はなかったのか?」
 自然に聞こえただろうか。強引ではなかっただろうか。恐る恐る表情を観察するが、男の顔に特別な変化はなかった。
「なかった。ヴェイン殿に仕事を依頼され、ビュエルバまで飛んだりしていたからな。ナルビナの収容所には行ったが。」
 その言葉を信じるならば、女と会う時間はなかったはずだ。そう信じるしかない。そしてそう思えば、いつものダルマスカ帰りの憂いを帯びた顔とは違い、幾分イラついているようだった。
 自分に有利な方にばかり考えている自分に少し苦笑する。
「俺がいない間、こちらはどうだった?忙しかったのではないか?」
「お前とギース卿がいなかったからな。相当な仕事量だったのは確かだ。」
「大変だっただろう。」
「…あとでゆっくりねぎらってくれればいい。」
 思い切って口には出してみたものの、目を合わせられず、早口となってしまう。女から誘うなんて、軽薄だと思われはしなかっただろうか。みっともなかっただろうか。男がこの国を離れている間、ずっとそんなことを考えていたのではないか、と思って呆れられているのではないか。そんな負の思考がぐるぐる回っていた。男が答えるまで随分と長い月日が経ったように感じられた。
「…あと、とは、どれくらい先のことを言っているのだ?俺は今すぐここを出たい気分だが。」
 驚いて視線を戻せば、今度は男があらぬ方向を向いていた。眉間の皺が一層深くなっている。その顔が赤みを帯びて見えるのは、今飲んでいるワインの仕業だろうか。勇気を振り絞ってテーブルの上に手を伸ばし、男の手を握る。骨ばった大きな手だった。
 会計を。申し訳ないが、デザートはいらない。
 そう言う男の声を夢見心地で聞いていた。

 カーテンの隙間から細く差し込む月の光が男を照らす。うつぶせで、息をするたびに揺れる髪は月光を反射し金に輝き、まるで雄雄しい獅子のようだ、と思った。そっと手を伸ばし、頬に触れる。冷徹だ、傲慢だ、と他人から揶揄されるこの顔も、私には暖かい表情を作ってくれる。
「もう寝たか?」
 男は答えない。
 その優しい顔が、私だけのものでなくても構わない。私にも向けてくれさえするのなら。
「私はお前を愛している。例えお前が、私の先に違う誰かを見ていたとしてもな。」
 この男をあきらめることなど、もはやできやしないのだから。


掲示板貼ってみたPageTop拍手御礼~。

Comment

Commentの投稿

 管理人だけに表示する

TrackBack

http://gamecomic.blog27.fc2.com/tb.php/1318-ebd8cdd2

プロフィール

高槻幽炎

Author:高槻幽炎
声フェチでオッサン好きのヘタレ。
ビバガブラスw

カレンダー

08 | 2019/09 | 10
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -

カテゴリ
月別アーカイブ
最新トラックバック
最新コメント
最新記事
ブロとも申請フォーム
QRコード

QR

リンク
投票所
RSSリンクの表示
検索フォーム