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憧憬

納得の行くタイトルが思いつかなかったので一時的に仮タイトルをつけました。

タイトル変更しました。
希み→憧憬

012。

竜騎士と武人。

ずっと書きたくて、でも上手く纏まらなくて・・・を延々繰り返して、
やっとなんとか形になりました。


腹黒騎士の呪い?(笑)
















それは、夢に見るほど。


巨大な要塞の頂上付近。

長い艦橋には程良く風が吹いて、
兜から垂れた金髪をたなびかせた。

同じコスモスの仲間であるヴァンの言に依ると”好きじゃない場所”だそうだが、
カインには無機質な光景はどこか懐かしく見えた。

祖国バロンが軍事に特化した国だったからだろうか。


中途半端に蘇った記憶はどれも苦いものばかりだが、
元居た世界の記憶が全く無い者も居る中、
僅かでも記憶がある己は恵まれているのだろう。


「・・・・・・・・・血の匂いがする。」
「!?」

突然耳に届いた低い声。

驚いたカインは振り返った。

そこには鎧を纏った男が段差に腰掛けていた。

長いマントが風にはためいている。

濃い金の短髪に、整った顔立ち。
どこか気難しそうに見えるのは眉間に刻まれた皺のせいだろうか。


カインは身構えた。

男------------------ガブラスはカオスの戦士で、カインの敵だ。

一方、男は剣の柄に手こそ掛けてはいるが、
殺気の類は感じられない。

「馬鹿な---------------人の気配など、」
「・・・・コスモスの戦士達を屠って回っているのは貴様か。」
「----------------------------!」

淡々と紡がれた言葉にカインは唇を噛み締め、槍を強く握った。

掌にじわりと汗が滲む。


ガブラスは間違った事は言っていない。

カインが仲間を傷付けている事に変わりはないのだから。


「別に貴様が何をしようと私の知った事ではないが----------------」

低い声がひどく冷たい眼差しと共にカインに向けられる。

「カオスの戦士に特に接触をしていない辺り、裏切ったわけでも無い様だな。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「この戦いに見切りを付けたか?」
「-------------------あんたはこの世界のルールを知っているのか?」

カインの問いにガブラスは口の端を歪める。

「知るだけ無駄だ。諦めろ。」
「・・・・・あんたはここがどこなのか、なんなのか知っているのか?」
「・・・・知っている、と言ったら?」
「教えろ。」
「教えを請う態度では無いな。」

脚を組み替えた男は鼻で嗤って、
突き付けられた槍を邪魔くさそうに押し退ける。

「あんた、カオスの戦士だろう?何故戦わない。」
「神の手駒は辞めた。」
「辞めただと?」

自嘲気味に哂った男の言にカインは内心驚いて、槍の柄を強く握った。

しかしガブラスに応じる気配は無い。

「お前と戦う気は無い。」
「カオスを裏切ったのか?」
「木偶共が戦いの行方を左右するのであれば私の在る意味は無かろう。」

ガブラスはカインを一瞥し、どうでも良さそうに風上に視線を向けた。

彼の言う”木偶”の存在にコスモスの戦士達は明らかに押されている。

個々の戦闘力ではコスモスの戦士達にこそ軍配が上がるが、
木偶-------------------イミテーションの数に限りは無く、
如何に腕が立とうとも数で攻められれば矢張り苦しい。

それを知った上で----------------------否、知ったからこそカインは心を決めたのだ。

いずれ訪れるであろう次の戦いに全てを賭け、委ねると。

例え己が滅びても-----------------------------


「コスモスは勝てん。未来永劫、幾度戦いを繰り返しても、カオスには勝てない。」
「・・・確かにこの戦いは負けるやもしれん。だが次の戦いこそは・・・必ず。」
「ハッ、望むだけ無駄な事だ。」

胸の裡に固く決めた気持ちをガブラスは鼻で嗤う。


カインは苛立った。

その為に仲間達に刃を向けた。

その為に仲間達の信を裏切ったのだ。

諦めろと言われて、はいそうですか、などとは絶対に言えないのだ。


カインのささくれ立った気持ちに全く動じず、
立ち上がったガブラスはカインに背を向けた。

黒地に赤い紋を染め抜いたマントが風を孕んで揺らめく。


「・・・・・ならば死ぬ気で足掻く事だな。貴様の信念、貫き通す事こそが朋輩達への償いとなろう。」
「打開する術があるのか!?」
「鍵はイミテーションに在る。その先は自分で考えろ。」

背を向けたままのガブラスの言葉を聞きながら、カインは僅かに宿った希望の光に叫びたい衝動に駆られた。

しかし平静を装いながら男の正面に回り、槍を地面に突き刺す。

ガブラスがカインの意図を図れず、胡散臭げな眼差しを向けると、
兜を脱いだカインは真っ直ぐガブラスを見つめた。

「見届けてくれ。」
「何?」
「あんたが見届けてくれ。俺達がどこまで出来るか---------------------」

真剣な眼差しにガブラスは目を眇める。

「生憎その様な暇は無い。」
「コスモスが勝てばこの世界も変わるやも知れんのだ!」
「誰が勝とうと戦いは繰り返され、戦士達は何度でも召喚を受けるだけだ。何も変わりはしない。」

折角宿った希望を真っ向から否定したガブラスは、歩を進めてカインの脇を通り過ぎた。

「・・・・・・あんたは何を望んでいるんだ?」

少しずつ遠退く背に放ったカインの問いに僅かに振り返ったガブラスは、しかしすぐに視線を戻した。

去る姿が少しずつ薄れて、掻き消える寸前----------------------

「この世界の終焉を。」


放たれた低い声はカインの胸に突き刺さって、目に見えぬ棘となった。


時系列のイメージは武人がイミテーションの湧くひずみに向かう少し前か直前ぐらいかな、と。

武人が012のどのタイミングで戦線離脱を図ったのかはっきりとは分からないので私個人の予想になりますが、
もしかしたら竜騎士と武人は戦った事があったのかもなあ・・・って思った次第です。

012ではコスモスの戦士達が既に追い詰められている所から話が始まっているので、
私の考えでは舞台は12回目の戦いの後半~終盤にかけてだと思うのです。

武人が12回目の戦いが始まっていきなり戦線離脱を図るとも思えないので、
直接剣戟を交える機会は無くても武人の存在はコスモスの戦士達に知られていた・・・のではないかと。

って設定延々書いていると自分でわけがわからなくなるんだわー・・・orz

それにしても書き出したの去年の夏だよオイ・・・orz


日記~。PageTop日記と更新予定~。

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