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祈る者

もしもここから出られたなら。

「混沌の果て」の続きのイメージで書いたのですが、
もう一つイメージ湧いたんだよなー・・・。











幾つもの気配が側を通り過ぎては消える。

それが何度目の他人の気配なのか、数える事はとうに飽きた。

玉座の肘掛けに上半身を預けて座っていたガブラスは、
ぼんやりを閉じていた目を開けた。

目の前にどこか存在感が希薄なモーグリが現れる。

「君は、ずっとここに居るね。」
「・・・・・・・・・・・。」
「随分と消耗をしている。どこか具合でも?」
「・・・・・・なんだお前。」

掠れた自らの声にガブラスは苛立った。

腹に力が入らない。

喉はひどく痛んで少し咳が出た。
同時に鼻腔に広がった鉄錆の匂い-----------------


「見ての通り、何の変哲も無いモーグリさ。・・・と言っても思念体だが。」
「・・・・・・・・・。」

淡々とした喋り口調を聞きながらガブラスは目を閉じた。

たった一言口を利いただけなのに、全身は鉛を仕込まれたように重く、怠い。


曾ては主と崇めた神への反発心から、食事を摂る事を止めて久しかった。

今のガブラスはカオスから与えられるエネルギーで生きているだけだ。

それも拒みたいが、嫌だと言ったところで神がその行為を止める事は無かった。

ただ、生きている。

そして死ぬ事すら許されない。

それだけだ。


「君はあの子に気に入られたのだね?」
「・・・・・・・?」

「あの子」が誰を指すのか、ガブラスには分からない。

思考力が格段に落ちているのもあるが、
疑問が解ける前にモーグリは上空をくるりと一周するとガブラスの前に戻って来た。

「そうか・・・君も誰かの為に戦える、優しい人なんだね・・・。」
「・・・先程から、・・・何を言っている・・・?」
「いや、こっちの話だ。君はこんな所で朽ち果てて良い人では無い。戻ろう。」

ガブラスはゆるゆると首を振った。

戻ると言われた所でガブラスはここから出られない。

少し仰向いて喉元を見せると、くっきりと刻まれた痣にモーグリは目を細めた。

元々細い目だが、少なくともガブラスにはそう見えた。

「大丈夫。取れるよ。」

近付いてきたモーグリが痣に手を触れる。

そこから全身に広がった温かい感覚に、ガブラスは目を閉じた。

意識が遠のく。

「ああ、言い忘れていた。」

そんなこと、どうでも良かった。

ガブラスが求めるのはこの狂った世界からの解放と安息だけなのだ。


「私はシド。ルフェインのシドだ。・・・この世界では大いなる意思と呼ばれている。」
「------------------!」

殆ど消えかかった意識の端で聞いた言葉に、ガブラスは愕然とした。

しかし疲弊しきった心身がそれ以上現実を繋ぎ止める事を許さず、
ガブラスはゆっくりと力を失って行く。

「こんなひどい仕打ちを受けた君に勝手を言っている自覚はある。」

ガブラスの手を握ったモーグリは、きゅ、と反応の無い指を握りしめた。

「だが、お願いだ・・・あの子を見捨てないでやってくれ・・・。」

呟いた声はもうガブラスには届いていない。

だが、言わずにはいられなかった。


1を未プレイなのでルフェインのシドの詳細を知らないのですが、
きっとカオス(の元になった子)の事が大事だったに違いない。
・・・と思う。


拍手御礼~。PageTop日記と更新予定~。

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