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武人、小さくなる<3>

長いです。

でも、これで終わりです。








大人しくしていろと言われたが、
他人に任せて自分だけのうのうとしているなど性に合わない。

混沌の果てを出たガブラスは次元城に差し掛かった。

夢の終わりと月の渓谷、そして星の体内を避けて通っているのは領域の主に見つかると面倒だからだ。

遠目にエクスデスが植物の手入れをしている姿を見ながらガブラスは領域の端に差し掛かった。

瞬間。

突如現れた手に腕を掴まれた。

何事かと思った時には異次元の隙間に引き摺りこまれ、
すぐに星の体内に出る。

「くっ・・・・・!!」

無造作に投げられて、着地と同時に咄嗟に顕現させたカオスブレイドを地面に突き刺して数え切れない程の太刀筋を防いだ。

だが、盾でも無いそれで防げるのはたかが知れている。

舌打ちが出た。

持つ事も出来ない剣に何の価値があろうか。


弾き飛ばされ、地面に転がった。

全身の骨を砕かれたかと思うほどの痛苦。

受けた衝撃の激しさにまともに呼吸ができなかった。

しかし怒りはセフィロスに対してよりも今の己の身体の脆弱さに湧いた。
ガブラスにとって、弱さはそれだけで罪だった。


「ままごとは終いだ。」

不機嫌そうな声が領域内に響く。

血に塗れた体は動かない。


鼻先に突き付けられた正宗を一瞥して、
ガブラスは胡乱げに刀の主を見上げた。

視野が妙に狭いのは片目が自らの血で塞がれているからだろう。

「戻れんのならばこの世界に在る意味は無かろう。」
「・・・・・・・・。」

ガブラスは答えなかった。

命を乞うつもりも、
悪態を吐く気も無かった。


自分に不利な状況になった事など今まで幾らでもあった。

今回は打開できる力量が無かっただけである。

それだけだ。

漸く戻った呼吸に安堵しながら深い息を吐く。

情けない終わり方だとは思うが、
自分で好きな死に方を選べるとは思っていなかった。

少なくとも自らの意思で剣を手にしてからは。


目の前に立ったセフィロスがガブラスの短い前髪を掴んで持ち上げた。

新たなる痛みに更に眉が寄る。

「諦めたか?」
「・・・・・・。」

答えないガブラスに英雄は目を細める。

その瞬間だった。

強風が吹いた。

ほぼ同時に強い力に引かれたと思った時にはガブラスは今度は神に掴まれていた。


「カオス・・・!?」
「何故うぬは少し目を離すと血に塗れておるのだ。」
「俺が知るか。」

呆れた様な言葉に思わず声に棘が帯びる。

何本か前髪が纏めて抜けて額付近が痛かった。


「ガブラス!ここに居たか・・・全くどこに行ったかと案じたぞ。」
「怪我は無ェか!?無ェわけねえか。ったァく大人しくしてろって言ったのに聞かねェからだぞ?」
「うるさい。」

一拍置いてから血相を変えて飛び込んで来たゴルベーザとジェクトが言うだけ言ってから巨大な神の姿に唖然とする。

ガブラスは何がなんだかわからなかった。

ガブラスだけではない。

誰もが突然の神の出現の意図を図れなかった。

「なんでカオスが・・・・?」
「探したぞガブラス。」

皆の疑問を代表して口に出したジェクトには答えずに、
曾ての配下に視線を落としたカオスの言葉に戦士達が顔を見合わせる。

ガブラスは抜け出そうともがいていた。

しかし結局どうにもならず、
腕だけ抜いて溜息と共に脱力する。


何故神がガブラスを探していたのか---------

その理由に思い当たる者は、誰も居ない。

「カオス、何故ガブラスを?」

聞いたのはゴルベーザだった。

戦士達は目線で代表者を決めて、本人以外の全員がゴルベーザを見たからだ。


「うむ。時間を遡って仕切り直せばこやつがまた戦線に戻るかと思って魔女の真似事をな。」
「・・・それで失敗したと?」
「捨て置くには惜しか-----------」

重々しい声で言いかけたカオスが言葉を切る。

周囲の気温が下がった気がしたのだ。


良く考えたら姿形の変わったガブラスを神は一目で看破した。

その時点で気付くべきだったが、
誰もが冷静さを欠いていたのだ。


「・・・そうか。貴様のせいか。」

女性ほど高くは無く、かと言って成人男性の様な低さも無い中性的な声であるにも関わらず、
地獄の果てから聞こえてくるような声色にゴルベーザとジェクト、そしてセフィロスは文字通り神の手の中のガブラスに視線を向けた。

神はと言うと、俯いたガブラスの顔を覗き込もうとしていたが、
自らの巨体が災いして上手くいかない様である。


ガブラスが漸く顔を上げるとカオスと目が合った。

戦士達は一斉に目を逸らした。

ここに居ては危険だ。

「カオス。取り敢えず元に戻せ。」

話はそれからだと言うガブラスに神は素直に応じる。

戦士達は無言で距離を取った。



しかし元の姿に戻ったガブラスは、
カオスに対して特に何か言う事は無かった。

神は結局思う様にはならなかった事を悔やみつつ、姿を消した。

ゴルベーザとジェクトがそれは熱心に帰る事を薦めたからだ。

全く、神が自らの戦士に討ち取られるなど洒落にならない。

装備品を纏って人心地付いたガブラスはゴルベーザとジェクトに礼を言い、
ジェクトの誘いを断って領域に残った。

そして、星の体内の主であるセフィロスに今度はしっかりと掴んだカオスブレイドを突き付ける。

セフィロスが応じて正宗を構えた。

「戻ったばかりだ。手を抜いてやっても良いぞ?」
「笑わせるな。先程の借り、返させてもらう。」

耳に馴染んだ、低く張りのある声を聞いた英雄は大きく口の端を歪めた。



その後、神が幾度召喚をかけてもガブラスが全く応じなかったのはまた別の話。


白状しますと、この話に手を付けた当初、
前提は英雄×武人でした。

英雄×ショタ武人の話を入れようと思っていました。

どんな姿でも武人が武人である限り英雄のお気に入りである事には変わらないだろう、と。

が、とーちゃんと兄さんのガードが思いの外堅かったのと、
ダラダラ長くなってどこで切ったら良いのか分からなくなる気がしたので英雄には別のポジションに行って貰った次第です。

予定は未定とは良く言ったもんだ・・・。
(オイ)

良く考えたらカオスが混沌の果て以外の場所に居るしね!


英雄「ヘタレがヘコたれなければ面白かったのに。」

武人「貴様が面白いと思う事で俺が面白かった事は無いな。」

日記~。PageTop日記と更新予定~。

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