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仕事しろ。

うちのジャッジマスターさん達の基本ですとも。

「いっそのこと、既成事実を作るのも手かもな。」

にやりと笑ったギースに、ドレイスは目を剥いた。


「ギ、ギース!卿は何を!そっ・・・そそそそそその様な事、出来る訳が無かろう!!」

耳まで赤くしたドレイスが捥げんばかりに首を振る。

「まあ相手はガブラスだしなあ・・・勝てる見込みが無いか。」
「そう言う問題では無いわ!!」
「ぐあっ!?」

見当違いの言葉を呟いたベルガを力一杯殴り飛ばしてから、ドレイスは赤くなってしまった顔を両手で覆った。

体格の良いジャッジ達の中でも特に巨体を誇るベルガが殴られた衝撃でよろけて近くの壁に頭を打つ。

例え女性であっても局長を務められるほどだ。
その腕力は並ではない、という事か。

「だが最早他に手も無かろう。あの朴念仁と結婚するにしてもアレするにしても・・・」
「だから!そんなこと出来る訳が無いだろう!?仮にも私は女だぞ!?」

その女に張り飛ばされたベルガは脳震盪を起こした頭を押さえてうずくまっている。
しかしそんな様子を歯牙にもかけず、ドレイスは赤いままの顔を俯かせてぼそぼそと呟いた。

「わ・・・私だってガブラスと・・・その・・・できたら幸せの極致だが・・・・。」
「ならば私から陛下に奏上しておこうか?」

不意に声を掛けられて、しかしその声に呆れるほど聞き覚えがあるドレイスは文字通り飛び上がった。
張りのある、低い声。

振り向けば、そこには恋しくて愛しくてたまらない彼の人が立っていた。
無造作に兜を脱ぐ様も恰好良く見えるのは、惚れた弱味か。

「ガ・・・ガブラス、今何と?」
「?私から陛下に申し上げようか、と言ったのだが。」

唖然としてしまっているドレイスに変わって、ザルガバースがガブラスの発言の確認をする。
言葉も出ない程驚いているのは、ギースも同じだった。
ちなみにベルガは漸く立ち直りつつある所だ。

ギースとザルガバースとドレイスは顔を見合わせた。

ガブラスの言葉を額面通りに受け止めると、
ドレイスと結婚なり何なりを受け入れ、更には帝国公認にしてくれると言う願っても無い話だ。

「いででででっ!?」

呆然としたまま、ドレイスがベルガの頬を思い切り抓った途端、情けない悲鳴が上がった。
そしてドレイスの突然の暴挙にガブラスが目を見開く。
夢ではないらしい。

「ガブラス・・・その言葉を幾度夢見た事か・・・!」

ドレイスがガブラスの手を取って己の胸の前で握りしめる。
こんなにも幸せな事があって良いのだろうか。

「?それほど喜んでもらえるならば私としても光栄だ。4局とならば9局の皆も喜ぼう。」
「待て。何故4局と9局が出て来る?」

前向きに捉えるならば局を上げて喜んでもらえると言う事だろうか。
しかしギースの直感は全く違う答えを導き出していた。

果たしてガブラスの答えは。

「今度の合同演習の話だろう?」
「え?」

ドレイスの顔が凍りついた。
全身から血の気が引く。

「・・・やはりか。」
「ガブラスだもんなあ・・・。」

ギースとベルガの溜息は重い。
何も言わないがザルガバースも深い深い溜息を吐いた。

「それとドレイス、今度の休みの話だが。」
「あ・・・ああ、買い物の約束をしていたな。」
「済まないが休みそのものが潰れてしまった。」
「は?」

唖然したままのドレイスに、ガブラスは少し視線を彷徨わせ、結局軽く目を伏せた。
驚きつつも、結構な至近距離に睫毛も金色だったのかだとか、整った面差を事細かに見てしまう自分が浅ましい。

「ラーサー様がオンドール候と会食をなさるそうだ。護衛として御指名を頂いた。」
「は?」

何故指名。
何故ガブラス。
やっと漕ぎ付けた約束だったのに。
次の休みはいつ取れるかわからないのに。

言いたい事は沢山あった。
だがしかしラーサーがガブラスを甚く気に入っているのも事実で、
ガブラスがラーサーの意向の一切に逆らわないのも現実だ。

「済まないな、ドレイス。」

淡々と謝罪したガブラスは握られたままの手をそっと外すと
他のジャッジマスター達に軽く目礼をして歩き去って行った。

後に残されたのは呆然としている男女数人のみで。

呆然としたまま、ドレイスが己の手を見つめる。
勢い余って手を握ってしまったが、ガブラスは拒まなかった。

きっとガブラスに他意は無かったのだろう。
しかし、それだけが崩れてしまいそうな心を支えてくれている。

「ベルガ!」
「やっぱり俺か!!」

こっそりこの場を抜けだそうとしていた同僚の襟首を掴んで、ドレイスは拳を握った。

「今日は呑むぞ!付き合え!」
「・・・俺、明日早番なんだが・・・。」
「だからどうした。」

有無を言わさない目つきに、ベルガはがっくりと項垂れた。
いきなり殴られなかっただけマシかもしれない。

「ギースもザルガバースも来るだろう?」
「・・・選択肢があるのか?」
「あると思うか?」

矢鱈迫力のある笑顔を浮かべるドレイスに、ギースとザルガバースは両手を上げて降参のポーズを取った。



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ラーサー様がガブラスの休みを潰したのは意図的。
”デートなんて許しませんよ!”
そんな理由で。

その後ガブラスは約束通り合同演習の組み合わせを4局と9局で取ってくれたそうです。
ガブラスの勇姿にドレイスドキドキ!!←ちょっと報われた?

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